「母系集団で生活」「狩りは連携プレーで」“海の王者”シャチは引くぐらいに賢かった
国内の水族館では3ヵ所でしか見られない
日本に水族館は数多く存在すれど、海の王者・シャチがいるところとなるとわずか3館だけしかない。そのため連日、そのキュートな姿やダイナミックなパフォーマンスを見ようと多くのファンが押し寄せている。『シャチまるごとBOOK』なる1冊も発売され、これがAmazon10部門で1位を獲得するなど驚くほどのヒットになっているのだ。
関心がない人からすれば、イルカやサメなどと違って何がそんなに魅力なのか? というのが正直なところではないだろうか。とんでもない! ひとたびシャチの賢すぎる特性を知れば、虜になること間違いなしだ。
3つの水族館の中でも、もっとも多い3頭のシャチを飼育する『鴨川シーワールド』の宮川裕道トレーナーに説明していただいた。
「シャチの最大の特性は、やはり“海の王者”と言われるところにあるでしょう。エコタイプ(同じ種類だが住む環境によって見た目や性質が違うグループ)にもよりますが、何とクジラやサメを狩るタイプもいて、海の食物連鎖においては最上位にいるのです。
ただ、あくまでそういうタイプもいる、と覚えておいてください。シャチというとアシカやアザラシを狩っている映像がよく流れていますが、すべてが同じ食性なわけではなく、魚しか食べないタイプもいます。私たちトレーナーは、たまに『あんなに近くで接していて大丈夫?』という質問を受けますが、鴨川シーワールドのシャチはみんな、ニシンなど魚を食べるタイプの子孫なので、ご心配には及びません(笑)」
