国際刑事裁判所(ICC)の締約国会議が1日、オランダ西部ハーグで始まり、トランプ米政権がICCの裁判官や検察官に制裁を科す中、赤根智子所長は「われわれはいかなる圧力にも屈しない」と演説した。戦争犯罪などを裁くICCの任務遂行に向けた決意を表明した。
米国は、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡りイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したICCに反発。これまでに裁判官18人のうち6人と、捜査を担当する検察局のトップ3人に資産凍結などの制裁を発動した。赤根氏は「テロリストや麻薬密売人らと同様の制裁を受けている」と懸念を示した。
ICCはウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領にも逮捕状を出し、ロシアは報復として赤根氏らを指名手配。今回の締約国会議では、こうした制裁に対するICC加盟国の立場を示す文書の採択を目指している。(共同)