不登校の小中学生35万4000人で過去最高 環境への「過剰適応」が要因か… 学校側の認識が第一歩
学校に行けない児童生徒が12年連続で増えている。2024年度、不登校だった全国の小中学生の人数は過去最高の約35万4千人。子どもたちは何を思い、教室を避けるのか。学校や家庭、私たちの社会は、どのように寄り添えば良いのか。学校の内外で支援に携わってきた人たちに捉え方や手だてを尋ねた。(編集委員・四宮淳平) ■増加の一途をたどる不登校の小中学生の推移【推移の棒グラフ】
スクールカウンセラー歴15年 吉村仁さん
臨床心理士の吉村仁さん(55)は、福岡県内の小中高でスクールカウンセラー歴15年。寄せられる相談のうち、小学生は6~7割、中学生は約9割が不登校に関係しているという。 「不登校のほとんどは、本人も学校に行けなくなる理由が分からない」 学校生活を送る中で蓄積した疲れ、将来への不安や焦りが、だるさなど体の不調に現れる子も多いという。特に思春期に起こりがちな状況として、吉村さんが注目するのは、環境への「過剰適応」だ。 子どもが失敗しないよう大人が先回り。通塾や習い事などを大人が決める場面も多い。そうなると、自分で考えて選び取る経験が乏しいまま成長し、学校では教員の指示待ち状態。周囲に合わせることを優先し、人間関係に気を使って「空気」を読む-。 目立ったり、批判を受けたりするのを極端に怖がる子どもたちもいる。「本来の自分と矛盾し、無理が生じている」。自分を抑え付けずに済むよう、環境を変えることが欠かせない、と吉村さんはみる。 学校に行けなくなった際はまず、心身の状況の理解と休養が必須。「ストレスの要因が集団生活にあるならばそこから遠ざけ、教室以外の本人に合ったスペースなど安心できる場で過ごすことが大切な場合が多い」と言う。 ただし、子どもの体調や心境が変化する時期は、個人の特性や周囲の関わり方で差が出やすい。吉村さんは「少しの休養で心が落ち着いたり、外に目が向いたりする場合もあれば、数年単位の休養を要する場合もある」と強調する。 「人生の目的は本来、学校に行くことではなく幸せな生活をすること。多様な子どもたちのために学校内外で学べる環境を保障することが必要」と訴える。