職場に「人間関係づくりが異常にうまい」同僚女性がいる。
どの部署に異動しても、
気づけばそのチームの中心の人になっていて、いつのまにか周りの人たちが彼女に相談をしている。
正直、私はずっと気になっていた。
何をどうしたら、あそこまで人が自然と集まるんだろう…と。
ある日、昼休みに思い切って聞いてみた。
「何かコツがあるの?」
すると彼女はさらっと、とんでもなくシンプルなことを言った。
「ご飯の話をすることだよ。」
あまりに意外すぎて、私は思わず笑ってしまった。
でも彼女は続けた。
「昨日何食べました?
今日の夜ごはんどうします?
これだけでね、人ってほぼ心を開いてくれるのよ。」
たしかに、と思った。
料理が好きな人は、嬉しそうにレシピを語る。忙しい人は「最近は外食続きでさ…」と生活をチラッと見せてくれる。グルメな人は一気に目が輝いて、おすすめの店を教えてくれる。
みんな、ご飯の話になると
一瞬でその人の生活の匂いが出てくる。
彼女はほんの少しだけ声を落として言った。
「ご飯って三大欲求だからね。
嫌いな人がほぼいないし、
わざわざ嘘をつく必要もないでしょ?」
この言葉を聞いた瞬間、
彼女がどうしてあれほど人に好かれるのか、腑に落ちた。
人間関係って複雑そうに見えて、
実は生活の温度が伝わるだけで、距離がふっと縮まる。
仕事の話より早く仲良くなるし、
趣味の話よりも深く相手が見える。
そして何より、
ご飯の話って、誰もが自分のペースで話しやすい。
私はこう感じた。
「関係づくりがうまい人は、
特別な心理テクニックを使ってるわけじゃないんだ」と。
生活の話題をひとつ投げられる人。
その温度を、相手にちゃんと伝えられる人。
それだけで、職場の空気は驚くほど変わる。
これは覚えておいて損しない。
明日、誰かに話しかけるとき。
ご飯の話をひとつ入れてみるだけで、
ほんの一歩だけ距離が縮む。