国会発言だけでは誤解のしようがない
それではなぜ、この(第三ステップ)の総領事ツイートがあったのか。
多くの国民は、(第一ステップ)の高市発言があったことが、(第三ステップ)の総領事の不穏当ツイートの直接的原因だと漠然と認識しているものと考えられるが、事実は異なる。
後ほど詳しく解説するが、総領事の「勝手に突っ込んできたその汚い首」とは、台湾有事の際に日本が勝手にやってくる(=勝手に突っ込んでくる)という「解釈」に基づく発言なのだが、国会における高市発言を見れば、そういう発言は一切していないのだ。高市氏はあくまでも、「台湾有事で米軍が来援した際に中国から攻撃を受けたなら、日本の存立が危ぶまれる状況になる事がある」という趣旨のものであり、総領事が言うような「勝手に突っ込む」という趣旨は読み取れないものなのだ。
では一体なぜ、総領事は、「高市首相が台湾有事の際に日本が勝手にやってくる(=勝手に突っ込んでくる)と発言した」と「誤解」したのかと言えば、そのツイートで引用している朝日記事のタイトルが「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら武力行使も」という見出しだったからなのだ。
この見出しは、確かに、「台湾有事の際、日本が、それが存立危機事態だと判断すれば、中国相手に武力行使する(=勝手に突っ込んでくる)と高市首相が発言した」と「誤解」することが可能なものとなっている(是非じっくり、この見出しを繰り返し読み返していただきたい。確かにそういう風に「誤解」できるものであることが、ハッキリとお分かり頂けると思う)。
無論、こうした見出しには情報量が少ないため、多様な解釈が可能であることは事実だ。しかし、朝日新聞は「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら、武力行使も」という見出しを「不適切なもの」と判断し、事後的に「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 武力攻撃の発生時」というものへと修正しているのだが、この修正後の見出しなら、そうした「誤読」が不可能だ。
後者の見出しなら、「高市首相は、中国からの武力攻撃が台湾有事であった場合には、存立危機事態になり得ると発言した」と解釈する他ないからだ。
そうである以上、もしも最初から朝日新聞報道の見出しが、修正後の「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 武力攻撃の発生時」というものであったとすれば、中国総領事は「台湾有事の際、日本がそれが存立危機事態だと判断すれば、中国相手に武力行使すると高市首相が発言した」と解釈することもなく、したがって、「勝手に突っ込んできたその汚い首」云々と言う不穏当なツイートを発する事があったとは到底考えられないのである。
そうである以上、中国総領事の不穏当ツイートは、高市発言そのものではなく、あくまでも「朝日新聞の不適切な見出し」が誘発したと考えざるを得ないのである。