ホシノにスラッグ弾を脳天に撃ち込まれてからD.U.地区の病院に入院して1時間正座してユメ先輩の説教を受けて足が無事に死亡してから数日後、頭の怪我が無事に完治してから再び旅と起業できる場所探しを再開する。
ユメ先輩はまだ入院が必要らしく、ホシノとユメ先輩のモモトークと連絡先を交換して別れた。
そんな私こと夕張タンネは今トリニティ郊外を訪れています。最初はミレニアム方向に行こうかと思ったけど見えた範囲の地下の光がどれも小さく、そんなに数もなかったので取りやめましした。それに対してトリニティ周辺は地下資源が豊富豊富、大きい鉱脈から小さな鉱脈まで様々なものが埋まっていそうであったため、トリニティ方面に向かうことにした。
「トリニティ自治区の外でいい場所があればいいんだけどね……」
流石に自治区で起業するのはリスクが高すぎると思いつつもバイクを走らせながら光の様子を見る。先ほど数は多いというが光同士の間隔がいかんせん少し離れすぎている。ちょうどいい感じの距離に光がないかと思いながら走っていると中規模の光がほぼほぼ隣り合っている場所を見つけた。
「あの場所いいね……問題があるとすれば学校のような建物があることだけど」
こんなところに自治区があったとは……しかし廃墟同然のようで校舎の窓はいくつか割れており、玄関の扉にいたっては無くなっていた。見るからに廃校であるがヘルメット団といった反社会勢力が根城にしている可能性がある。
「誰も居ないっぽいかな?……お、おじゃましま~す」
一応グリズリーを構えながら中へと入ると外見通り中も瓦礫や割れたガラス、壊れた机や椅子が散乱していた。
「誰もいなさそうね」
「……動くな」
銃をおろしたところで後頭部に何かを突きつけられる。おそらく……というか9割9部の確率で銃口であろう。
「一体私の学校へ何をしに来た。答えによっては無傷では済まないぞ」
「銃を突きつけられてちゃまともに話なんてできないでしょ、銃をおろして」
『うるさい』という感情の現れかさらに強い力で銃を突きつけられる。武力を使わずに対話でなんとかできると思ったが超銃社会のギヴォトスでは無理な話であると思い知らされる。
「わかった、わかった。正直に話そう。私は夕張タンネ。起業しようといい場所を探してたの。そしたらここが良かったんだ。これは本当だよ」
銃を突きつけていた人物は不本意ながらも銃を下げた。ゆっくりと振り向けばアサルトライフルを持った青髪の少女が立っていた。
いくら銃を撃たれても大丈夫だというが撃たれると痛いので撃たれなくて本当に良かった。
「……私は
んー……私の神秘がそうささやくから。とは言えないし嘘をついても……嘘2割の本音8割ぐらいでそれっぽい理由をでっち上げる。
「私の爺さんが宝探しが好きでね……ふらっと出掛けては宝の地図を買ってきていつか探しに行くって言ってたんだよ。その意思を受け継いで私が探しているって訳」
「……嘘くさいわねぇ」
渾身の
「セイント・ネフティス社の記者会見見たかしら?大油田発見のニュース。あれを見つけたのは私よ。爺さんの宝探しのおかげね」
「えっ……じゃあ貴女って」
「うん、一応お金持ち」
さっきまで不審者を見るような目つきだったヒイラは急に目の色を変えて私の手を握った。
「ウチの学校買い取って!」
「ゑ?」
◆ ◆ ◆
突然のことで驚いてしまったが平台高等学園には借金があった。しかし、アドビス高校と違うのはカイザーローンではなく、地元平台自治区の地方銀行。それに借金額もアドビスと比べればすくないものであった。
早速担当者を呼び出そうとするとヒイラが既に電話をかけていた。すぐさま銀行の担当者が飛んできて交渉することとなった。
「……タンネ様、この度は平台高等学園をご購入いただきありがとうございます。当銀行もなんとか赤字を解消しようと躍起になっていたのですが……カイザーコーポレーションの横槍も相まって……」
銀行の担当者である犬獣人、どうやら銀行の取締役だそうで私の買い取り提案に涙を流していた。話を聞けば何とか廃校を免れようとあの手この手とやっていたが限界があったようで借金ばかりが膨らんでいったそうである。
「……わかりました。平台という名称などが変わるかもしれませんが、よろしいですか?」
「はい、この学校が残ってくれることが何よりも大事ですので。……平台高等学園をよろしくお願いします」
売買契約書に私の名前と取締役の名前が記され双方がこれを持つ。これで名実とも平台高等学園の所有者となった。
「それでは私の方はこれで、今後とも平台信用金庫をよろしくお願いします」
取締役を見送って生徒会室(窓は割れてない)にヒイラの案内で通された。
「それで……理事長。これからどうするの?」
「理事長なんて小っ恥ずかしい。タンネでいいよ。……というかヒイラと同い年だよ」
「そうなの?じゃあ私のことはヒイラって呼んで」
社長とか代表って呼ばれるのなら分かるけど理事長はなんか嫌だ。
「まずはここの地下に埋まってる宝を掘り出したいんだけど……明らかに人不足、だけどこれにはツテがあるから大丈夫」
「本当に大丈夫なんでしょうね?」
「うん、この前少しお金を借りた関係だから、彼女たちの協力があったからあの油田を見つけられたと言っても過言じゃない。」
ヒイラがまた怪しい奴を見つめる目をしている。嘘は言ってないはずだから大丈夫だって安心してよー。
「それから宝探しだけじゃ経営が立ち行かないと思うから何か別のことをしないと……」
「……カイザー系列の銀行を襲うとか?あそこには因縁があるし」
どうしてそうなる。頭アドビススナオオカミじゃないんだからもうちょっと現実的な夢を言ってくれよ。
「そこは無事に宝を見つけられてからのお楽しみ。それと宝探しのためにちょっと今からブラックマーケット行ってくる」
「今から?!ちょっと待ちなさい!せめて明日向かえばいいじゃない!」
?そんなに遅くならないとは思うけど引き止められた。今から向かえば半日で行って帰ってこられるのに。
「……一応貴女の持ち物になったんだからここの学校のことを紹介させてよ」
「ああ、そういうことね。お願いするよ」
◆ ◆ ◆
翌日、やってきましたブラックマーケット。あいも変わらずドンパチ賑やかな場所である。もちろんちょっと歩けば……。
「おいテメェ!この前アタシを殴った奴だろ!アレ高くついたんだから治療費払ってもらおうか!」
と鼻のあたりに絆創膏を貼ったスケバンとその取り巻き数人に絡まれる。……ってこの前カツア……違う違うお金を貸してもらった優しい優しいスケバンさんたちじゃないですか。
「ああ!丁度貴女たちに会いたかったところなんですよ。その件に関してもしっかりとお話したいのでどこかで食事でもとりませんか?」
「いいぜぇ、たっぷりと慰謝料とってやるからな」
私とスケバン3人が訪れたのはカフェ、ブラックマーケットにあるが中はしっかりとしていて入口は屈強なガードマンに守られていた。
席につくや否や私は人数分の紅茶を注文する。
「さぁ、今日は私のおごりです。好きなものをどうぞ」
「なんか調子が狂うな……じゃあこのストロベリーパフェを3人前、アンタは?」
「私はチョコレートケーキをお願いします」
注文した商品が届く前にスケバンたちの財布から借りた4万円に色をつけて返却する。無くなった金が倍になって帰ってきたのでスケバンたちは大分驚いていた。
「……随分と色がついたが本当にいいのか」
「ええ、あれのおかげで私は大金を手にできたので感謝してもしきれませんよ!」
「まさかあのセイント・ネフティスの大油田を掘り当てたのは……」
『おまたせしました。ストロベリーパフェとチョコレートケーキです』
そうですよ。と答えようとしたが注文したスイーツと紅茶が届いたため、そこからはスイーツをたしなみつつ交渉をしていく。
「……治療費の方ですがいくらぐらいでした?」
「ん?い、いやもう大丈夫だ。色のついた分でお釣りがくるから……」
「それよりもウチらに用があって誘ったんじゃないんスか?」
そうだそうだ、チョコレートケーキに夢中になって肝心な内容を話すのを忘れてた。
「ちょっと住み込みのアルバイトしてみませんか?勿論報酬は弾みますよ?」
私が提案したのが時給4000円の1日6時間の休憩あり。もちろん休憩時間も勤務時間に含む。今のところは午前午後の部に分けて9:00〜15:00と15:00〜21:00のニ交代制で行って17:00以降は1.5割り増し賃金で支払う。
もちろん落盤や崩落、何かしらの事故などによる治療費や入院といった保証は全て私が興した会社の方で負担、一部道具以外は基本各員支給すると言った説明をする。
スケバンたちは前向きに検討しているようであったがまだ不安が残っているようである。
「……やけに待遇がいいがアタシらに一体何をさせようってんだい」
そうだそうだ、待遇だけ説明しても肝心の仕事内容がわからないままだと不安しか残らない。しっかりと仕事内容の説明をしなきゃ。
「業務の内容としては鉱婦……地下に潜ってトンネルを掘り、鉱物資源の採取をしてもらいます。アルバイトのままでも良いですがもし希望があればが学生への復学も……」
「わかったその辺でいい。で?そのバイト住み込みバイトはいつからできるんだ?」
「ええと、まだ準備が整ってない……」
「いい、今から手伝いたい。こんな美味しいバイト滅多にないからな」
スケバンのリーダーが手を出してきたので握り返す。カツアゲ、違う。お金を借りた割には随分と割り切っているけどこれで契約……成立でいいのかな?
「アタシは八橋クロエ、でこっちは……」
「私は阿仁マナコ。貴女のストレートは良いモノだったわ」
「ウチは小坂アイリっス!」
「私は夕張タンネ。これからよろしくね」
◆ ◆ ◆
元スケバンの3人を引き連れて平台高等学園に戻るとヒイラが驚いていた。そりゃいきなりスケバンを、それも3人連れてくれば無理もないであろう。
「タンネ!その後ろの人はどうしたんですか!」
「あーと……ブラックマーケットで知り合って私の会社を手伝ってくれる人」
「アタシは八橋クロエ」
「私は阿仁マナコ」
「ウチは小坂アイリっス!」
「そ、そうなのね。私は暫定平台高等学園生徒会長の常磐ヒイラ。これからよろしく」
挨拶もこそこそに元スケバンの3人を加えて今後の相談をする。主に人才確保に関してだったけれど……。
「まず鉱山の人夫確保についてなんだけど……」
「それはウチらに任せてほいっス!」
「ブラックマーケットにたむろってる他の不良やスケバン、小規模のヘルメット団に声かけしてみるって感じ、どうかしら」
「タンネが提示してくれた勤務体系と金額なら結構な人数が集まると思うわ」
人集めは彼女たちに任せるとしよう。チラシとかは……いらない?そう。
「そういや聞きたいんだが、鉱山は何処に作るんだ?まさかここの校舎から直に掘るわけじゃないよな?」
流石に校舎の地下を直下堀りする訳にはいかない。やるとしても校舎から少し離しておかないと事故が発生した時、大変なことになる。そうなれば廃墟を数件潰してしまうことになるが……。
「もう住人は引っ越しているし不動産屋も大昔に夜逃げしてたはずだから所有は平台高等学園所有だったはずだし、好きにやっていいよ」
そうなのか。なら傭兵バイトなんかを雇って解体工事をさせてそれに校舎の修復と住み込みで働くための寮……色々と準備を同時進行しながら本格的に採掘を始めるのがいいかもね。
「とはいうけれど……あんまり私には伝手がないからなぁ……」
「それなら校舎の修復や増築はオータム建築学園に頼むのがいいかも。最近レッドウインター学園に依頼を取られて景気が悪いって話してたわ。腕は確かだから」
やっぱり持つべきものは交友関係だな。私もそれなりに人脈を作らないと今後が大変になりそうだ……。
「それと会社名と新しい校名なんだけど……」
「校名変えるなら
「何いってんの!
「わかってないなー。天下統一常勝無敗学校に決まってるじゃないか」
……何だいそのクソダサネーミングセンス。
「あー……実は学園の新しい名前と会社名はもう決めてるの」
「それじゃ仕方がないッスね」
「どんな名前になるんだい?」
「学校名はマイナリー礦業学院。会社名はマイナリー礦産株式会社よ」
やっと起業です。……えっ?事業内容がまだ出てきてないって?