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「なめられる私」に、さよならを――毒親育ちが社会で“都合よく扱われる”理由と回復の道


はじめに

「どうして私は、いつも“なめられる”んだろう?」

気づけば、ママ友の間でも職場でも、いつの間にか“便利な人”になっている。

頼みごとは断れない。
間違っていないのに謝ってしまう。
「怒らなそうだから」と雑に扱われる。

そんな自分が情けなくて、嫌になって、それでも声をあげられない。

私もずっと、そうでした。

この記事では、毒親育ちである私が、なぜ「なめられる人」になってしまったのか。その背景と仕組み、そして少しずつ自分を取り戻していった過程についてお話しします。

「なめられたくない」「都合よく扱われたくない」と感じているあなたへ――
まずは、自分の心の声を取り戻すところから、はじめてみませんか?



第1章:毒親育ちの人が「なめられやすい」理由

毒親(毒になる親)とは、子どもの健やかな自己形成を阻むような支配・否定・過干渉・無関心・暴言などを繰り返す親のことをいいます(スーザン・フォワード著『毒になる親』)。

毒親のもとで育った子どもは、以下のような特徴を持ちやすくなります。
• 自分の気持ちを表現するのが苦手
• 「NO」と言えない
• 他人の顔色を過剰にうかがう
• 自分より他人を優先する
• 「怒る=悪いこと」と思っている

これらはすべて、「親に愛されるために身につけた生き方」でした。

でも、それが大人になっても続いてしまうと――
“便利に扱える人”“怒らないから安心な人”と、周囲に思われやすくなります。



第2章:「なめられる」って、どういうこと?

ここで一度、「なめられる」とはどういう状態かを整理してみましょう。

心理学的に見ると、“なめられる”とは以下のような状態を指します。
• 相手が対等な存在として扱わない
• 権利や意見を軽んじられる
• 断れない前提で頼みごとをされる
• 失礼な態度を取られても、「どうせ怒らないでしょ」と思われている

これは、表面的には「気が利く人」「優しい人」と見える一方で、内心では“見下されている”“甘く見られている”状態でもあります。



第3章:ママ友づきあいの中で起きたこと

たとえば、こんな経験はありませんか?
• 「〇〇さんって優しいから」と、急に子どもを預けられた
• グループLINEで意見を出してもスルーされる
• ランチ会の予約係や雑用を当然のように任される
• 気がつけば、誰よりも「動いてるのに感謝されない」

私にはあります。

しかも、自分で「断れなかった」「期待に応えないと嫌われそう」と思っていたから、ますます“いい人”を演じてしまう。

それがどれほど自分を消耗させていたか――
気づいたときには、もう心がすり減っていました。



第4章:職場でも繰り返されたパターン

ママ友だけではありません。
職場でも同じことが起こっていました。
• 明らかに他の人より仕事を多く振られる
• 意見を出しても「でもそれより」とスルーされる
• 「あなたなら我慢できるでしょ」と理不尽な対応

そんなふうに扱われることが多く、心のどこかで「どうせ私なんて」と諦めの気持ちがついて回っていました。

でもこれって、「人間関係のパターン」が繰り返されていたんです。



第5章:「人は対等」という感覚がない

毒親育ちの人は、「人と自分は対等」という感覚を持ちにくいといわれます。
• 親の言うことは絶対
• 意見を言うと怒鳴られた
• 期待に応えなければ価値がない

そんな家庭で育った子どもにとって、人間関係は常に「上下」になってしまいます。

だから、「なめられる」関係も、「支配する」関係も、実はコインの裏表。

私たちは“対等でいられる関係性”の作り方を、知らないだけなんです。



第6章:なぜ「NO」と言えないのか?

断れない理由には、以下のような心理的背景があります。
• 拒否すると嫌われる気がする
• 相手が怒るのが怖い
• 自分には断る権利がないと感じている

これはまさに、幼少期に刷り込まれた「NO=わがまま、自己中、悪い子」という価値観の影響です。

でも本来、断ることは「自分を守るための正当な行為」です。



第7章:「なめられない人」が持っているもの

では、なぜ同じように優しくても「なめられない人」がいるのでしょうか。

実は、「なめられない人」が持っているのは、次のようなものです。
• 自分の軸(価値観や境界線)
• はっきり伝える言葉
• 必要な場面で「NO」と言える勇気
• 自分を大切にする意識

つまり、“他人からどう思われるか”よりも、“自分がどう在りたいか”を大事にしているのです。



第8章:少しずつ「境界線」を引く練習

私が実践して効果があったステップを紹介します。

ステップ1:モヤモヤを言葉にしてみる

「今のお願い、ちょっと無理だったな」
「なんで私だけ…って感じた」

このように、自分の感情を正直に見つめることから始めました。

ステップ2:「NO」を言う練習

最初は怖かったですが、たとえばこう言ってみました。
• 「ごめんね、今ちょっと余裕がなくて」
• 「今は難しいけど、また今度なら大丈夫かも」

丁寧に断る=悪いことではないと、少しずつ実感できるようになりました。

ステップ3:「ありがとう」「ごめんね」に敏感になる

本来、感謝や謝罪は「対等な関係の証」です。

されて当然のことにも「ありがとう」を言える人、
謝る必要がない場面で「ごめんね」と言いすぎる自分――

そうした小さな言葉に意識を向けることで、人とのバランスが少しずつ見えるようになりました。



第9章:「私は、怒ってもいい」――自己肯定感の回復へ

私が一番時間がかかったのは、「怒ること」を許すことでした。
• 「怒ったら嫌われる」
• 「怒る私は悪い人」
• 「優しい私」でいないとダメ

そう思い込んでいたけれど、ある日ふと、こう思ったんです。

「本当に優しい人って、自分を大切にできる人じゃないか?」

それからは、「私は、怒ってもいい」と自分に言い聞かせるようにしました。



第10章:今も“なめられそうになる自分”はいる

正直に言うと、今でも私は完璧にできているわけではありません。

相手の顔色をうかがってしまうこともあるし、つい「やりますよ」と言ってしまうこともあります。

でも、そのあとで自分にこう聞いてみます。

「それ、本当に私がしたかったこと?」

「“優しい人”じゃなく、“私自身”として生きてる?」

そうやって、少しずつ「自分の人生」を取り戻しています。



おわりに:なめられやすいのは、弱さじゃない

「なめられる」「都合よく扱われる」――
それは、あなたが“優しさ”や“我慢”で生き延びてきた証でもあります。

あなたは弱いのではなく、ただ傷つきすぎただけ。
だからこそ、これからは「自分を守る選択」をしていいんです。

距離を取っていい。
断っていい。
怒っていい。

「私は、大切にされるべき存在だ」と、どうか忘れないでいてください。



参考文献・参考URL
• スーザン・フォワード著『毒になる親』(毎日新聞出版)
• 信田さよ子『母が重くてたまらない』(春秋社)
• 岡田尊司『回避性愛着障害』(光文社新書)
• 日本心理学会(https://psych.or.jp)
• 公益社団法人 日本臨床心理士会(https://www.jsccp.jp)


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