Post

Conversation

「27歳までに死ぬと決めていた。ギリギリ28歳の誕生日前日に決行した」との遺書ツイートがバズったのに対し、「法的には誕生日前日に年を取るからあなたは28歳です」とのリプがプチバズしていたのを見たけど、このリプは誤りです。 正しくは、「誕生日の前日が終わる瞬間(午後12:00)に年を取る」(年齢ニ関スル法律1条)です。 だから、誕生日が来た瞬間(誕生日当日の午前0:00)に年を取るのであって、誕生日前日に年を取ったりはしないという一般的な認識が、基本的には正しいわけです。 ところで先ほど、「基本的には正しい」と言ったのは、前日の午後12:00と当日の午前0:00は常識的にも科学的にも全く同じ瞬間を指していて、同じことの言い換えに過ぎないわけですが、法律上の扱いにおいては、微妙な違いが出てくる場合があるからです。 違いが出てくる有名な例として、「4月1日生まれは早生まれ扱いになる」というのがあります。 これは、学校教育法17条1項が、「保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、(中略)これを小学校(中略)に就学させる義務を負う。」と定めていることによります。 年齢ニ関スル法律1条によれば、4月1日生まれの子は、3月31日が終わる瞬間である午後12:00に6歳になりますね。 そうすると、法律的には、ギリギリ3月31日中に6歳になったという扱いになるわけです。 なので、学年の始まる4月1日は、学校教育法17条1項にいう「満六歳に達した日の翌日」に該当することになり、4月1日から学校に入れられることになります。 これが、4月1日生まれが早生まれになる理由です。 ちなみに、このように、常識的にも科学的にも同じ瞬間を指しているはずの「前日の終了(した瞬間)」と「当日の到来(した瞬間)」を法的にわざわざ区別することには、実はちょこっと実益があります。 例えば2月29日生まれの人の年齢の扱いがそう。 仮に、誕生日当日の到来をもって年を取るという法律になっていたら、2月29日生まれの人は、4年に1度しか年を取らないことになってしまいそうですね。 でも、誕生日前日の終了をもって年を取るという法律になっているから、毎年2月28日はあるので、2月29日の人がちゃんと毎年年を取ることに疑義がないわけです。しかも、うるう年だけは2月29日(になった瞬間)に年を取るけど、平年は3月1日(になった瞬間)に年を取るという常識に沿った結論を、綺麗に導き出すことができます。 以上、法律って意外とちゃんと考えて作られてるのねという話でした。