……もっと地下掘らなきゃ
10/20 追伸
アビドスをアドビスと間違えて執筆しておりました……。
私こと夕張タンネ、今はブラックマーケットで買ったバイクを転がして起業をできる場所を探しながらキヴォトスを旅している。
起業できそうな場所の希望としては……
①地下資源が埋まっている。
②広大な土地が存在してる。
この2つが最低条件で、他にもいろいろと追加したい条件はあるが、必要条件としてはこの2つである。広大なキヴォトスでは流石に適地は見つかると思うけど……それは実際見て回らないとわからないからこうしてバイクで旅をしているのである。
最初にゲヘナ方面から見て回ったが
ゲヘナの隣といえばアビドス方面かトリニティ方面のどちらか、トリニティ方面へ向かっても良かったのだけどここは1つアビドス方面へ向かってみようと思った。
カイザーコーポレーションに私の神秘がバレてしまえば捕まってしまう可能性がある。しかし今時間軸がどれくらいの場所なのかを把握、確認するためにも行ってみようと考えた。
「しっかしアビドスは砂しかないねぇ……」
ゲヘナ方面からアビドスに入ってからはほぼほぼ砂しか見当たらない。砂に埋まった高層ビル、砂に埋まった住宅街、埋まった電車……本当に目が痛くなるぐらい砂しかない。
「来てみてわかったけどアビドスは色々と埋まってるなぁ、大きいのから小さいの、そして遠くには巨大な光とその上を移動する光も……移動する光?」
まるで巨大な光を守るように移動している。待てよ?アビドスの砂漠化を引き起こしているやつが居たような気がする……名前は……ぴ?違う確かび、……ビナー。そうだビナーだ。そのビナーがやけに不自然そうに進んだり戻ったり戻ったり明らかに不自然な動きをしている。
少し近づいてみると確かにビナーが大暴れしている。念の為にと持ってきた双眼鏡を覗き込めば何か目掛けてビナーが襲いかかっているのが見えた。黄色い砂煙で判別しにくいが時折水色の髪の少女が追いかけ回されている……?ように見えた。
「…………水色の髪?」
その瞬間バイクのアクセルを全開にしていた。力尽きたのか砂漠のど真ん中で倒れ込んでいる。間違いない生きている梔子ユメだ。
「まじかよ!畜生!こんなことなら経口補水液でも何でもいいから持ってくるべきだった!」
そんな過去の自分への恨み節は後にして今は急いでむかわないと!興味をなくしたのかビナーはユメから離れている。このチャンスを逃せばもう助け出すのは難しい。
「……間に合ってくれよ!」
◆ ◆ ◆
「あははっ……、ごめんねぇホシノちゃん、こんな駄目な先輩で……」
梔子ユメは動かなくなった身体を砂に横たわらせて透き通るような青空を眺めていた。
コンパスを忘れてしまったという大ポカでアドビス砂漠を彷徨い、挙げ句の果てにヘビのような巨大ロボットに執拗に追いかけ回されて右も左も上も下も何も分からなくなっていた。
食糧と水はとうの昔に尽き気力のみでなんとか持ちこたえている状態であった。
「もう……前も見えなくなってきちゃった……」
「おーい!」
「げんちょうもきこえてきた……しぬってこんなかんかくなんだ」
「おい、おい!大丈夫か!」
精一杯のちからで何とか首を動かしてみるとバイクを乗り捨ててこちらに向けて走ってくる人物、その手にはミネラルウォーターが握られていた。
「飲める!?」
こくりとうなづき飲む。すぐに飲み干してしまい空のペットボトルが転がる。
「ありが……とう……ござい……」
言い終わる前にユメの身体は担ぎ上げられてバイクへと乗せられる。そのままバイクに括り付けられて風を感じ、その心地よい揺れと頼もしい背中でユメはゆっくりと意識を手放した。
タンネはバイクへユメをくくりつけると最高速を出しつつ一目散にブラックマーケットへと向かっていた。バイクかっ飛ばす事数十分、ブラックマーケットに辿り着いた夕張タンネと梔子ユメ、タンネはユメを担ぎ上げて顔馴染みの店に突撃した。
「店長!悪い!急患!助けて!」
「ウチは病院じゃねぇ!というかどうしたその背中の奴は……」
「説明は後!濡れタオルと冷えた水頂戴!それに涼しい部屋準備して!」
「訳あり……って事だな今用意する!」
「それと私はD.U.地区で入院できる病院を探してくる!」
早急に入院先を見つけられたのでタンネは店長から車を借りてD.U.地区まで運ぶ。MTだったが転生前は大型まで持っていたタンネに隙はなく。後部座席にユメを乗せてさっさとブラックマーケットを出発する。
さっきよりも顔色が良くなっているようであるがまだ予断を許す状況ではない。素人目に見て大丈夫そうでも何かしら重症を負っている可能性があるから専門家に見せたほうが良いのである。
D.U.地区の病院に担ぎ込んで緊急処置を行ってもらっている最中、タンネはどうやって唯一の後輩である小鳥遊ホシノをここに呼び出すかなやんでいた。二人は確か喧嘩別れをしていたはずである。普通に呼び出しても来ないことがわかっていた。
「ちょーっと手荒っぽくなるけど、こうするしかないかなー?」
ところ変わってアビドス高校、その生徒会室で小鳥遊ホシノは一人悶々としていた。
「ユメせんぱい……」
ホシノは喧嘩別れしてしまったユメのことを悔やんでいた。そして帰ってこない彼女に苛立ちと共に後悔もしていた。
「探しに……いかなくちゃ」
生徒会室から出ようとした所でスマホが鳴り響く。見れば知らない番号からかかってきていた。
「もしもし……!」
『小鳥遊ホシノ?私は夕張タンネ。貴女の先輩である梔子ユメの身柄を預かっているわ。返してほしかったらD.U.地区の病院……』
勢いよく電話を切るホシノ、『もう、ユメ先輩ったら……』と笑っていたがその眼は全くと行っていいほど笑っていなかった。
短い髪を後ろでまとめ防弾チョッキに重装甲シールド、片手にはショットガンのEye of Horusが握られ、獲物を狩る肉食獣のような眼をしていた。
「待ってて下さいユメ先輩。あの極悪非道の輩から先輩を助け出しますから」
梔子ユメが入院している病院にホシノがたどり着いたのはそれから数十分後、しっかりと面会の許可を取り付けてユメが入院している病室へと向かう。
『梔子ユメ』と書かれている病室を見つけると扉を少し開けて閃光手榴弾を投げ込む。炸裂の確認と同時に扉を蹴破って突入、ユメのベット近くにいたタンネを見つけると、コイツが梔子ユメをさらった主犯であるとホシノは断定してそのまま床へと叩き伏せて後頭部にショットガンを突きつけていた。
「どうしてユメ先輩を攫った!言え!でないとコイツで頭を吹き飛ばす」
「こうでもしないとお前を呼び出せないと思ったからだよ。小鳥遊ホシノ。私はただ彼女を助けたに過ぎな……痛たたたたっ!痛い痛い」
タンネの頭に突きつけられる銃の力はさらに増した。医者や看護婦が止めにかかろうとするがホシノの圧に負けてしまい手が出せないでいた。
「嘘をつくな!どうせお前も黒服の手先なんだろう!」
「うるさいよぉ……ホシノちゃん。静かにできないかな」
ホシノが声を荒らげたのが聞こえたのかさっきまで寝ていたユメが目を覚ます。床に叩きつけたタンネを放りだしてユメへと抱きついた。
「ユメせんぱぁい……わ、わたじぃ……ひどいことしちぁっでぇ……」
「あはは、ホシノちゃんもう大丈夫だよ。……すいません。助けていただきありがとうございます」
「痛てて……いえいえ、命が助かってよかったです。お二人でゆっくりと過ごしたりと……」
『ヴァルキューレだ!病院内での武器使用、器物損壊、傷害と誘拐の現行犯で逮捕する!』
再会を喜ぶ二人を見守りながら病室を後にしようとしたタンネであるがその直後、ヴァルキューレ警察学校の生徒が病室へと突入してきてタンネは再び床へと叩きつけられた。
「ちょ、ちょっと……私は無関係……」
「夕張タンネ!貴様には傷害と誘拐の容疑がかかっている!大人しく我々についてきてもらおうか!」
タンネが床で寝そべっている横でホシノも数人のヴァルキューレ生徒に銃を向けられていた。
「にゃはは~……許してもらうことには……」
「問答無用!小鳥遊ホシノ!器物損壊と病院内での武器使用容疑で逮捕だ!」
そのまま二人は拘束されて連れ出される。『またきてね~』と元気そうにユメは見送っていた。
『乗れ!』
ヴァルキューレの護送車両に突っ込まれたホシノとタンネ。そのままヴァルキューレの拠点へと向かうようであった。
「あ、あのさ……」
護送車両の中でホシノが話しかけてくる。
「う、疑ってごめんなさい。ユメ先輩を助けてくれてありがとうございます」
「……成り行きだよ。私がたまたまアドビス砂漠にいて梔子ユメ先輩を助けただけ。そんなに感謝されるほどでもない」
「いえ、ユメ先輩を助けていただいたことは感謝しています。何か御礼でもできればいいのですが」
「それならさ……私と勝負してくれな、あ痛たぁ!」
「そこ!うるさいぞ!少しは静かにできないか!」
エミュむずかしい……
次回はアドビスオジサユメモドキ(未遂)VS夕張タンネ 怪獣大戦争をお送りします