中国の官製メディアが沖縄県の日本帰属を疑問視する論評を相次いで打ち出している。「琉球諸島の主権の帰属について歴史的、法的な議論が常に存在している」(人民日報系の環球時報)とか、「琉球は昔から一度も日本の国土となったことはない」(北京日報系のSNSアカウント)といった内容である。
和平協議でも焦点に
中国は台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に反発しており、日本に揺さぶりをかける狙いだろう。むろん中国側の主張は荒唐無稽きわまるが、この種の情報戦はロシアがウクライナ侵略で使った手法と類似しており、ゆめゆめ付け入る隙を与えてはいけない。
2022年2月のウクライナ全面侵攻で、ロシアはウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)のロシア語使用者が迫害されているなどと主張し、彼らの「保護」を口実の一つとした。現地の親露派武装勢力が樹立した「人民共和国」の独立を承認し、ウクライナに対して集団的自衛権を行使する体裁をとった。
国際社会には到底受け入れられないナラティブ(物語)だが、ロシアは今後の和平協議でもこれを押し通すに違いない。トランプ米政権の和平案で「割譲」が取り沙汰されているのもドンバス地方である。