国宝・彦根屏風の中の文を書く美人を写した作品になります。
落款は素川壽信となっています。
狩野素川(壽信)[1814~1897] 猿屋町代地狩野家の絵師ということぐらいしか分かりませんでした。
狩野派というと水墨画のイメージがあるのですが、金泥を使って豪華で明るい感じで描いている感じがします。
良く見ると彦根屏風をそのまま正確に写しているわけではないようです。
なかなかにして細密に描かれていて良く出来ていると思います。
実はこの作品は双幅だったものだと思われます。
オークションに出品された時に、同じ表装の作品が別々に出品されていたのでした。
もう一つの作品は、浮世絵に詳しくない人が見れば、立ち姿の美人画に見える絵でしたが、実際は美少年の若衆を描いた作品でした。
そちらの人物は彦根屏風に描かれている人物ではなく、今まで見た記憶のないものでした。
なぜ双幅と分かっていたのに両方落とさなかったと思われるでしょうが、実は出品時の画像ではこれほど細密に描かれた作品だとは分からなかったので、あまり注目していなかったのでした。
取りあえず美人画だけ手に入れれば、男はどうでもいいや程度にしか思っていなかったのですが、実際に作品が届いて実物を見た時には後悔しました。
国宝 彦根屏風
彦根屏風(ひこねびょうぶ)は、江戸時代初期に描かれた風俗画。紙本金地著色、六曲一隻、1955年に国宝に指定。
作者は、明治中頃まで近世初期風俗画の常で岩佐又兵衛とされていました。しかし、又兵衛とは人物描写や画中の山水画法などが異なり、現在は狩野派絵師の手になるというのが一般的な見方ですが、狩野派の誰かまでは特定できていませんが、この絵師が高い技量を持っていたことは確実でしょう。
江戸時代を通じて模写や翻案がされていることから、狩野派の絵師の間でも古くから名品として知られていたようです。
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