「なるほど1118(一寸先はバラ色)のインチキ不登校児支援を斬る!」
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子供の不登校に悩み、藁にもすがる思いで情報を探している保護者の方にとって、なるほど1118氏の「一寸先はバラ色」というサービスは、一見すると非常に力強く、頼りになる救世主のように見えるかもしれません。「100%改善」「どこへ行ってもダメだった子が改善した」という言葉は、絶望の中にいる親御さんの心に強く響くでしょう。
しかし、その力強い言葉の裏には、不登校の子供やその家族をさらに追い詰めかねない、非常に危険な考え方が隠されています。なぜこの支援が「悪質」と言えるのか、そのカラクリを一つずつ解き明かしていきましょう。
問題点1:他の専門家を「全員無能」と断定する、危険な孤立化作戦
なるほど1118氏の文章の最も特徴的な点は、自分以外の支援者を徹底的にこき下ろすことです。
彼の主張:
スクールカウンセラー、医者、他の民間業者は「話を聞くだけ」で無意味。
重度の不登校を改善させた実績は皆無。
他の業者は、親の弱みに付け込むだけの詐欺まがい。
ここが危ない!:
これは、不安な親を他の選択肢から切り離し、「頼れるのは自分だけだ」と思い込ませるための典型的な手法です。考えてみてください。風邪をひいたとき、「俺以外の医者は全員ヤブ医者だ!」と叫ぶ医者を信用できるでしょうか? 不登校の支援は、本来、学校、カウンセラー、医師、地域の支援機関、フリースクールなどが連携して子供一人を支える「チーム戦」です。それぞれの専門家が持つ役割や得意分野があり、それらを組み合わせることで子供に合ったサポートを見つけていくのが王道です。なるほど1118氏は、この「チーム」をすべて否定し、親を社会的に孤立させようとします。その結果、親は冷静な判断力を失い、「この人しかいない」と高額なサービスに誘導されてしまう危険性があるのです。
問題点2:「厳しさ」という名の精神的虐待。「怠け」と決めつける致命的な誤解
なるほど1118氏は、自身の指導法の特徴を「厳しさ」だと語っています。
彼の主張:
ゲーム・ネット三昧、昼夜逆転は「寄り添う」ではなく「厳しく」指導しないと治らない。
学校に行くかどうかは厳しく指導しない(しかし、生活習慣を力で変えれば登校圧力になるのは自明です)。
ここが危ない!:
これは、不登校に関する最も致命的な誤解に基づいています。不登校の子供が見せる「昼夜逆転」や「ゲーム依存」は、多くの場合「原因」ではなく「結果」です。学校に行けない子供は、心と体のエネルギーが完全に枯渇し、バッテリー切れを起こしている状態です。不安や恐怖、自己否定感に苛まれ、現実から逃避するためにゲームやネットにのめり込むしか、心を保つ術がないのです。それは「怠け」や「わがまま」では断じてありません。むしろ、心を守るための必死の防衛行動なのです。その、心に大怪我を負っている子供に対して、「厳しく指導する」とはどういうことでしょうか? それは、骨折して動けない人に「気合が足りん! 走れ!」と怒鳴りつけるのと同じ、精神的な虐待行為に他なりません。このようなアプローチは、子供の自己肯定感をさらに粉々に砕き、親への不信感を増大させ、ひきこもりの長期化や、うつ病・不安障害といった二次障害を引き起こす極めて高いリスクを伴います。
問題点3:「改善率100%」という非現実的な数字のワナ
広告として最も目を引くのが「27人中27人の100%」という実績です。
彼の主張:
重度の不登校の子供を100%改善させた実績がある。
ここが危ない!:
人の心が関わる支援の世界において、「100%」や「絶対」という言葉を使う専門家は、まず疑ってかかるべきです。優秀な医者が「手術は100%成功します」と言わないのと同じです。なぜなら、人間の心身はそれほど単純ではなく、無数の要因が絡み合って変化するものだからです。この「100%」という数字は、冷静な検証が難しいことを逆手に取った、非常に強力な宣伝文句です。追い詰められた親は、「この奇跡に賭けたい」と思ってしまいます。
しかし、もし万が一改善しなかった場合、どうなるでしょうか?「100%の実績があるのに、うちの子はダメだった…」と、親は自分を責め、子供は「自分は100%の中でも治らない最低のケースだ」と絶望を深めることになりかねません。これは、失敗した際の責任を巧みに親と子供に押し付ける、無責任な構造でもあるのです。
問題点4:「病気は治らずとも不登校は改善」という無神経さ
成功事例として「起立性調節障害が治ることなく、不登校が改善いたしました」とあります。
彼の主張:
身体的な病気があっても、自分の指導で登校できるようになった。
ここが危ない!:
これは一見すると素晴らしい実績に見えますが、深刻な問題をはらんでいます。起立性調節障害は「気の持ちよう」などではなく、自律神経の不調による身体の病気です。朝起き上がれないほどの倦怠感や頭痛は、本人の努力ではどうにもなりません。この病気を持つ子供に必要なのは、まず医療機関による適切な治療と、心身を休ませる環境です。それを「治らなくても登校できた」と成果のように語るのは、病気の辛さを軽視し、「登校」という結果だけをゴールに設定している証拠です。病気で苦しんでいる子供を無理やり学校に行かせることが、果たして本当の「改善」と言えるのでしょうか。子供の身体と心に、どれほどの負担がかかるか計り知れません。
結論:本当に子供を救うために
なるほど1118氏の文章は、「不安を煽り、他者を否定して孤立させ、自分だけの絶対的な正しさを信じ込ませる」という、典型的な危険なロジックで構成されています。
もしあなたが今、お子さんの不登校で悩んでいるなら、どうか覚えておいてください。
「あなただけが頼りです」という人を信用しない。
誠実な支援者は、他の専門家との連携を勧めこそすれ、決して否定しません。
不登校を「怠け」や「わがまま」と決めつけない。
目に見える行動の裏には、必ず子供なりのSOSが隠されています。まずはエネルギーを充電させることが最優先です。
「100%」「絶対」という言葉に飛びつかない。
子供のペースを尊重し、ゆっくり伴走してくれる支援者を探しましょう。
ゴールは「再登校」だけではない。
子供が安心して元気を取り戻し、自分らしい道を見つけることが本当のゴールです。それが学校であれ、フリースクールであれ、あるいは別の道であれ、全てが正解です。
なるほど1118氏の言う「一寸先はバラ色」は、魅力的かもしれません。しかし、そのバラには、子供の心を深く傷つける鋭いトゲが隠されていることを、決して忘れてはなりません。