2025年09月

2025年09月30日

先月の「とれいん」誌記事について

 先日の記事についてS氏からメイルを戴いたので紹介したい。

 例の気動車は、模型のレールの上で「ミニ四駆をやろう」というものでしょうか。おもりを台車にリンクさせて曲線上では内側に横滑りさせるものです。
 子供の走らせ方をすれば福知山線事故を起こすのは当然です。HOゲージの R = 600 mm (実物の45 m)程度を 300  km/h相当超で走らせるようなことをするならば、おもりを内側にずらすこともある程度意味はありましょう。しかし、それを鉄道模型と呼べるとは思えませんし、Sカーブでどうなるかは見ものですね。
 そもそも、共用の線路に持ち込んで暴走させようという感覚がマトモではありません。無理な機構を組んだことによる台車の旋回への抵抗については「バネを入れたから大丈夫」というのですから、その程度の考えでしょうね。この記事には誤字も目立ち、「0.5km」という凄い長さや意味のない敬語もあります。

 Twitterだったかの紹介記事で、TamTamかどこかの貸レイアウト(N)で走らせていたら、おこちゃま走行の福知山線事故に巻き込まれて壊された(直接は店が補償))というのも見ました。特にHO以上であれば、飛び出した際の衝撃が馬鹿にならなくなり、車両だけでなく軌道のダメージも考える必要があるはずです。
 色々な意味で「載せてはいけない記事」だと思います。雑誌の質もここまで落ちたかと驚いたところです。



2025年09月28日

vice mount bending brake

 しばらく前に万力に取り付けるブレーキのことを書いた。筆者の持っているブレーキで厚板用のものはこれだ。

press on vise (2) かなり前にアメリカで購入したものだ。万力のアゴのが入る部分が狭かった(3インチ)ので、切り拡げて3.5インチの口金に合うように改良した。刃先以外は焼きが入っていなかったのでフライスで切り拡げることが出来た。


press on vise (1) 蝶ネジで締め付ける。適当に締めておいて万力を締め込むとオス・メスの刃が噛み合う。その状態で、ワークを挟む。今回は車体ボルスタの t 1.6 を微妙に曲げる必要があった。
 この厚さのワークを所定の位置で正確に曲げるのはなかなか難しいものだ。よくあるのは万力に片方を銜え、上に飛び出した方の根元を当て板を介して叩く方法だ。それでは正確には曲がらないし、叩くとそこが伸びてしまい形が崩れる。

 このブレーキを使えばケガキ線を合わせて所定の角度まで締めれば良い。鉄板でも t 3くらいまでは簡単に曲げられる。大型モータの取付け台を作るには必須だ。
 各種のサイズがあり、取り付け方も磁石によるものの他、色々ある。筆者は磁石を万力に付けるのは好きではない。ヤスリを掛ける時、削り粉が付くからだ。そういう意味で、当時珍しくなってきたネジ留め式を見付けたので買った。口金の寸法はどうにでもなるから、気にしなかった。。 

 以前にも書いたが、叩くという動作は極力排除すべきである。何かを押し抜くときにポンチを当てて叩く人をよく見るが、良くない。軸の先端が変形していびつに太くなり、それが通るのだから穴が変形する可能性がある。再度組立てた時には偏心するかもしれない。
 この国の模型界で一番不足しているものプレス機の使用だろう。ボール盤でも良いから正確な押し子で押し抜くという作業をすべきなのだ。「コンコン改軌」という言葉を嬉しそうに使うようでは全く期待できない。こういうことを模型雑誌が書かないというところが根本的に駄目なところである。 

2025年09月26日

田宮督夫氏の死去

 タミヤの社長の田宮俊作氏とその弟の督夫(まさお)氏が相次いで亡くなった。

 タミヤの有名なマークの赤青の星は督夫のデザインである。督夫氏は土屋 巌氏と東京藝大で同級で、非常に親しかった。タミヤが急速に発展したのはその商品を入れる箱の絵が良かったからだと言われる。
 その絵は某画伯に頼み込んで書いて貰ったと俊作氏の伝記にあるが、それは建前上の話で、実際は土屋氏が大半を描いていたのだ。
「サインも練習したよ。」
 と当時のことを話してくれた。
 画伯の絵と土屋氏の絵はほとんど誰も判別できないだろう。しかし筆者には分かる。より生き生きとしているものが土屋氏である。

 土屋氏は静岡によく遊びに行っている。督夫氏の案内で軽便鉄道に全て乗ったのだそうだ。土屋氏が軽便が好きなのは、そこに原点がある。

dda40x at 09:26コメント(0)訃報 この記事をクリップ!

2025年09月24日

続 ハンダの「粘度」?

 もし内野氏がスズ63%の共晶ハンダを使っていたなら、ハンダが薄い膜になって付着していただろう。しかし、隙間が埋まらずその対応に苦慮したに違いない。 

 のちに内野氏はハンダ付けの達人になった。その秘密は大きなコテである。内野氏の使っていた工作台から150 Wと200 Wのコテが出て来た。それらのコテ先の形は異なる。
 十分に熱くして、大量の熱を供給したからこそスズ50%のハンダでもうまく付いたのだ。このようにスズ50%のハンダ付けでは大きなコテを使うか否かですべてが決まる。HOサイズ以下ではその差に気が付きにくいが、大物は大きなコテを使うと驚くほどの違いが出る。ハンダごては最低限、大小2本を持つべきである。

 発熱量の大きな炭素棒を使うとうまく行くのは、まさにこの点をクリアできるからである。泥状のハンダを小さなコテで捏ねていてはダメなのだ。
 ハンダ付けをしているときにハンダの表面が鏡のようになってキラリと光り(すなわち完全に融けて液体になり)、そのまま固まらねばならない。固まる瞬間に少しでも動かすと、表面がささくれ立つ。それは生じた鉛の粒子が重なり合って飛び出したのだ。この状態のハンダは非常に脆い。これを避けるには、ハンダ付けは手で保持することを避けるべきである。適当なクランプ、押さえを使う必要がある。

 あるいは63%スズハンダを使う必要がある。これは固体であるか、液体かの二つの状態しか持たないので固まれば完全なハンダ付けが出来る。たとえ動いていても、瞬時に固まるのが実感できる
 これらの注意点さえ解決できれば、ハンダ付けは完璧である。 

 繰返すが、塩化亜鉛はその液体がワークをぬらす助けをするだけであり、表面張力を小さくしたり、ハンダ液体の粘度を下げたりしているのではない。そういう説明をする人の模型は評価できない。

2025年09月22日

ハンダの「粘度」?

 今野氏のブログで、達人であった内野氏の若かりし頃の作品をレストアする記事が連載された。その中でハンダが流れていないのは塩化亜鉛を使っていず、ペーストではないかという推測があった。
 写真を見る限り、ハンダは間違いなくブラスをぬらしているから、塩化亜鉛を使っているように思う。内野氏はTHO(東京HOクラブ)に入っていたから、塩化亜鉛を使用するという情報は得ていたはずである。それではどうして流れていないかが今回の本題である。

 よく聞く言い回しに「ハンダの粘性」、「粘度」というものがある。完全に融けたハンダは、粘り気は無いと言って良いほど流動しやすいものである。水の数分の1ほどの粘度しかない極めて流れやすい液体なのである。これを勘違いしている人は多い。

 内野氏が当時使ったハンダは50%-50%ハンダである。これはその色からも推測できる。流れていないように見えるのは、全てが液体になっていず、その中に粒子があるからだ。鉛の粒子である。要するに生コンクリートのようなものでさらさらとは流れて行かない。
 ハンダの温度を高くしていくとその粒子は小さくなり、その組成に応じた温度で完全に融けて液体になる。以前からこのブログでは「こしあん」という言葉を使っているが、要するに泥状である。泥は流れにくい。だからゴテゴテと盛り上がる。逆にこれを利用して盛り上げることが出来る。隙間を埋めるにはこれを利用する。

 63%スズを含む共晶ハンダでは、これは無理である。固体であるか液体であるかの二つの状態しかないので、融ければ隙間に沁み込む。すなわち完全なハンダ付けが出来る。共晶ハンダはよく流動し、塩化亜鉛があれば石鹸水の様に沁み込んでしまう。

 要するに、50%ハンダでは完全に融ける温度まで上げないとまともなハンダ付けは出来ないということだ。加熱装置が不完全では泥をこねた状態にしかならない。ハンダが完全に融ければその瞬間に表面が鏡のようになるのが見える。それが見えないような加熱は不完全だということである。

2025年09月20日

続々々 塩化亜鉛 

 いわゆるペーストは植物性である。松脂から作る。その匂いからも由来はすぐわかる。これは腐食性が少なく、ハンダ付けした後そのまま放置してもさほど問題がない。電気配線などはアルコール等で拭くこともあった。

 問題は酸性ペーストだ。中学生の頃に良く使った。放置すると必ず錆びて来る。温水で洗い、歯ブラシでこすった。それは無色であり、どこに付いているか分からないので、風呂場で湯を掛けて全体を洗った。成分はワセリンと塩化亜鉛だった。これは電気配線に使ってはいけない。
 数年前、酸性ペーストでパワーパックの電気配線をした人が居た。見せてもらった瞬間に、「どんなハンダ付けをしたの?」と聞いた。
「これを使った。」と見せてもらったのは板金用と書いてある酸性ペーストであった。すべての接合部から緑青が吹き、めちゃくちゃな状態であった。
「一週間も経ってないのにこんなに錆びるんだね。」と彼は意気消沈した。電線は撚り線なので中まで沁み込んでいる。すべてばらして配線を捨て、スイッチ、LED類を洗って再度組み直した。接合部をよく磨き、ヤニ入りハンダを使えば一瞬で終わる。その時、ロジンのフラックスを刷毛で塗っておけば完璧だ。これは洗わなくても問題ない。

 アメリカでは温水用の銅配管に用いていたのを見たが、それは褐色でどこに塗ったかよくわかった。接合作業が終わったら濡れ雑巾で拭取る。これは水に溶けやすいペーストのようだった。
 模型ではこれを完全に取るには全体を洗うしかなかった。内部は取りにくいのでBill Melis氏は鍋で煮ると言っていた。

 これらは塩化亜鉛を含んでいる。塩化亜鉛を見付けた人は偉い。刺激臭がなくて、塩酸と同様の効果を得られるからだ。筆者は塩酸を使うことがある。臭いので、風のある日に外でやる。酸化被膜が溶けるのが良くわかる。ハンダが非常に良く流れ、ワークをよくぬらす。ハンダの量がすぐに見当が付くのではみ出しも少ない。 

 最近は見ないが、アメリカでは ”acid core"という糸ハンダがあった。内部に塩化亜鉛ペーストが入っている。もうすでに使い尽くして無いが、板金のハンダ付けには便利であった。これも後で水洗いを完全に行わないとひどく錆びて来た。


 最近久保田氏の記事がTMSに載り、ペースト使用に意義があるような錯覚が生まれているがやめるべきだ。理屈がすべて分かっている人なら良いが、ほとんどの人はそうではない。
 ロジン系のペーストは酸化物を溶かす力が弱く、完全に金属面が露出していないとハンダでぬらすことが出来ない。そういう観点で見ると、内野氏のハンダ付けはペーストではないと思われる。ゴテゴテとは付いているが、良くぬれているのである。ということは…。


2025年09月18日

続々 塩化亜鉛 

 塩化亜鉛は臭わない塩酸であると考えて良い。その飽和水溶液は320 ℃ まで沸騰しないから、ハンダ付けには十分である。コテは500 ℃前後あるだろうから、触らせるとジュッという。それは必要のないことである。これをやりたい人が多いが、単にコテ先を消耗させるだけで何の意味もない。飛んだ飛沫が何をしでかすか、ということにも興味がない人が多い。

soldering iron tips コテ先は高価だ。筆者は自作するが面倒な作業である。太くて大きなコテ先は大物を付ける時に役に立つ。高めの温度に保ち、保持した熱量を一気に流し込むのだ。コテ先には平面が必要なのだが、相も変わらず電気配線用の尖ったコテしか持っていない人が多い。
 熱をその平面を通してワークに伝える。尖ったコテでハンダを介して熱を伝えると効率が良くないし、そのハンダをどのように回収するかという問題も無視できない。

 最近の例は見ていないが、昔はコテ先は銅の鋳物で鬆(す)が多かった。炭火で軽く焼いて鈍し、金床の上で丹念に叩いて空洞を無くした。これをしないとすぐに消耗する。 ここで炭を使うのがミソだ。ガスバーナで焼くと酸化被膜ができて穴がふさがらない。炭が燃えて生じる一酸化炭素で銅が還元された状態で叩くのである。火から出した瞬間に酸化が始まるので、大きな鬆は火の中でヤットコで潰しておかないと無くせない。長く火の中にあるとヤットコが焼き戻される。一瞬でできるから難しいことではない。ヤットコは毎回水冷する。

 コテ先は銅のブスバァを切ったものを古いコテ先にロウ付けする。こうすれば好きな形にできる。ヒータはよく切れるので、予備をいくつか持っている。  

<写真説明>
 左から 市販の 60 W用 鋳物の鋳肌が見える
 2本目 ブスバァから自作の150W用 あまり減っていない
 3本目 市販の150 W用の使用済 多孔質で消耗しやすい ロウ付けして修理する前の状態 
 右の3本 6 mmの銅板から切り出した150 W用
 4番目の形は車体の隅を内側から付けるのに適する。上端の面を斜めに削いで使う。 


2025年09月16日

続 塩化亜鉛 

 塩酸は刺激臭があるが、塩化亜鉛は不揮発性で臭わない。塩化亜鉛は水溶液中で加水分解し、微量の塩酸と平衡になる。その塩酸ががワークの表面の酸化被膜を溶かして消耗すると補う方向に平衡が移動する。こうして露出したワークの金属面を融けたハンダがぬらすわけだ。この「ぬれ」という概念が理解できないとハンダ付けはうまく行かない。ハンダの中のスズは他の金属と常温でもぬれ合う不思議な性質を持つ。ただし、母材の酸化被膜が無いときに限る。この世の中で、スズ、水銀、インジウムくらいしかそのような性質を持つ金属は無い。水銀は危険であるしインジウムは高価だ。その昔、スズを低い温度で融かすために鉛を配合すると良いと気付いた人はたいしたものだと思う。

 要するに、塩化亜鉛は塩酸と同等に働くが臭わないというわけだ。これに気付いた人は素晴らしい。ただし薄い水溶液ではコテの熱で沸騰し、ピチピチと飛ぶ。その飛沫は周りの工具類を錆びさせるし、潮解性があり机に沁み込むといつも湿っていて気分が良くない。さらに木材に沁み込んだ塩化亜鉛は木材の中のセルロースの水素結合を緩め、可塑性を生じさせる。すなわち、木材の机は凹む。これに気付いている人はほとんどいないが、友人宅で軟らかくなった机はよく見る。いつも湿っていて、そこに工具を置くとたちまち錆びてしまう。
 この可塑化を利用した商品が絶縁材に用いられるいわゆる「ファイバー」であるが、これに気付いている人には会ったことがない。

 ハンダコテを突っ込んでジューッとやると、煙霧が出る。これは塩化亜鉛を含む水滴で、どこかに流れていき室内の電気器具には致命的な損傷を与える。作業台の前には空気清浄機を置くべきだ。筆者は3台並べて完全に吸い込ませている。もっとも、筆者は音がしないハンダ付けを心がけているから、心配する必要はないのだ。むしろハンダ付けよりも、紙やすりの削りカスの粉塵対策である。

2025年09月14日

塩化亜鉛

 今野氏のブログで、達人だった内野氏の若かりし頃の作品紹介で、ハンダ付けのフラックスについて書かれている。

 塩化亜鉛をフラックスとして使うようになったのはいつ頃だろうかという問いかけがあった。それは明治時代であろうということは間違いない。
 日本ではロウ付けも千年以上の歴史がある。ロウ付けはいわゆる硬ロウである銀ロウで、軟ロウとしてのハンダもそれと同等以上の歴史がある。そのフラックスとして梅酢を使うという記述も見つかる。
 銅の樋を作ったりするときにハンダ付けをするのは、大きな焼きゴテを使う。模型工作をするときも同じであったはずだ。

本間清人著塩酸 + 亜鉛 博物館所蔵の一番古そうな文献は昭和5年の本間氏の本である。この本は伊藤 剛氏が愛読していた 「電車と電氣機車の作り方」という本である。当時からプロは塩酸を使っていたのである。塩酸は揮発性で臭いので、亜鉛(トタン板を入れるとイオン化傾向の差で局部電池が出来、亜鉛だけが溶けて行く。この時、母材の鉄は触媒として機能する。)を入れると薦めている。入れると塩酸がほとんど反応するので、臭いが少なくなるわけだ。

 筆者が小学校の帰りに見ていた銅で樋を作る職人は塩酸を用いていた。時々そのおじいさんは手ほどきをしてくれた。その延長上に現在の自分がある。筆者のハンダ付けを孫に見せると感動する。

 祖父江氏と知り合って、塩化亜鉛飽和溶液を試すように現物を持って行ったが、彼は塩酸以外使わなかった。濃塩酸を3倍程度に薄めたものを竹串の先を崩したもので塗っていた。
 本間氏の文章にもあるように隙間に沁み込ませて少量のハンダで仕上げるというのが極意である。


2025年09月12日

今月のとれいん誌の記事

 友人から問い合わせがあった。
「今月号のとれいん誌に載っている記事は正しいのか?」
 筆者の近在の書店には当該の雑誌は置いてないので、街まで行った時に見てきた。何度読んでも何が言いたいのか、さっぱり分からない記事であった。構造の説明もほとんどない。

・重心移動をさせる?
・高速運転をしないとわからない。
・自宅では無理でJAMの会場でテストしたい
というようなことが書いてあった。

 重心移動で傾かせるということがよく分からない。止まっている時ではなく走っている時に起こさせるようだ。しかもかなりの高速でないと駄目らしい。
 今回の記事ではスケールスピードに拘りたくないと書いてある。それなら実物をスケールダウンした車輌を作る必要はなさそうだ。
 編集者は一体何を考えているのかわからない。

(追記)
 読者の方々からの情報では重心を内側に移動するらしい。その量は台車の回転角で決まるようだ。半径をいくつにして移動量を想定したのかが不明である。そこには物理計算があるのだろうか。
 筆者の思い込みの部分は横線で消している。

 



 早い話が、出来ないことをやろうとしているように見える。以前にも書いたが、遠心力を模型で感じることは無理である。実物を正しい縮尺の線路半径で走らせ、その円周速度が実物を再現しているとしよう。遠心力は半径の関数であるから、小さくなる。とても無理だということは高校1年生でもわかる

 以前にも書いたように、模型では遠心力に絡んだことは考えても仕方が無い。線路のカントや振子機構は機能しない。すべて見かけだけのことである。ずいぶん前になるが、TMSに台車の回転角で車体を傾斜させるアイデアが載った。当時それを見てバカにする人は多かったが、あれが唯一の正しい記事である。 

「模型は実物の一次近似だ」と言った人が居たが、大きさの効果が全く分かっていない。今回もそれが繰り返されているようにしか見えない。 

 どなたかこの模型に対して情報をお持ちの方はお知らせ願う。

追記2)
 重心移動の効果が表れるのはスケールスピードをはるかに上回る速度で、極端に小さな回転半径に突っ込ませたときであろう。それが模型として意味があるのかは疑わしい。
  

2025年09月10日

hat section 

boxcar floor 友人にハンダ付けしたばかりの床板を見せた。連結器の部分は座屈しないように厚く貼り足し、背骨部分とは噛み合わせてある。
 
making hat section 背骨部分にハット・セクションを使いたかったが、その部品がない。仕方が無いから、それらしく見えるようにチャネルを貼った。床板に接触している部分は真横から見ても全く見えない。下の部分だけが外側に曲がっているのが見える。そのようなアングルを探したが良いものが見つからない。たまたまチャネルを見つけて、当ててみると長さも高さもぴったりだった。背骨の2x4角材も見つかった。

 これらを t 1の床板に隙間なくハンダ付けをせねばならない。初めに角材に50%でチョン付けして位置を決め、クランプで動かないようにする。200 Wのコテでチャネルを押し当て、加熱する。塩化亜鉛の飽和溶液を垂らしてあっても音はしない。 63%ハンダのワイヤを当てるとつるりと沁み込む。全長に亘って沁み込ませて、次は反対側を付けて出来上がりだ。
 この種の仕事にガスバーナを使うと全体が反ってしまう。大きなコテは伝熱面積が大きいので炭素棒より都合が良い。炭素棒では局部的な加熱で微妙な歪みが残る。

 全面ハンダ付けをしたので極端に剛性の大きな床板になった。長編成を連結しても大丈夫だ。筆者の貨車はこのような構成のものが多い。

2025年09月08日

JAMの感想

 友人が来訪した。彼の作品を鑑賞し、その動きを確かめた。素晴らしかった。彼は工学を修め、某大企業で開発の第一線に居た人である。設計には素晴らしい工夫が凝らされ、最近のTMSの記事のレヴェルとはかなりの違いがある。

 JAMに行ったのだそうだ。その感想を聞きたかった。筆者はこの10年ほどご無沙汰しているので、その後の様子が聞きたかったのだ。
 一言で言うと「あまりにもつまらなく、今後どうなるか分からない」であった。

 たくさんの団体がクラブ単位で参加しているらしい。そのクラブごとに、「我々はこの部分で工夫を凝らしている」という主張があれば良いのだが、ほとんど何もない。ただの烏合の衆であるらしい。
 何とかコンテストという小学生レヴェルの競争があったそうだが、見る価値は無かった。
 TMS1000号を記念する山崎氏礼賛のおべんちゃら講演があったが、中身は見当が付くので行かなかったそうだ。

 ところで100号までのDVDも出たが、あれには価値があるだろうか。当博物館には紙の本があるので、既に全部読んでいたということもあるが、単なる昔話である。殆ど客観性の無い話が延々とある。筆者は職業柄、客観性の無い話には興味がない。しかも素人の思い込みに基づく話が多いので、根本的に価値があるとは思えないのだ。

 伊藤 剛氏、合葉博治氏、井上豊氏など、本物と模型の両方に抜きんでた能力を持つ人がもっと深く参加すべきであったと思う。彼らはかなり努力したが、山崎氏の方針を変えるまでには至らなかった。
 合葉氏は「正しい鉄道模型」という言葉を出して筆者の模型をこの国に広めるという遠大な計画を持っておられたが、病に斃れてしまった。

 それが今でも続いていて、礼賛記事が掲載されるということは今後も変わらないということなのかもしれない。

 今回の客人は工学の分野の達人であるので、色々なところで勉強になった。 

2025年09月06日

UPのタンク車の改良

7b6af84a このタンク車は以前紹介したものである。塗装を工夫して頂部のざらつきを表現している。滑り止めである。この”textureを変える” 手法はアメリカの友人の間で話題になり、かなりの人が採用してくれた。それは嬉しい話だったが、この模型ではその大きさ(面積)を失敗したような気がしていた。

9ba8cf6b このタンク車は安達製作所からのジャンクから作った物で、製品(この写真上)とはいろいろな点が異なる。ハシゴの上のデッキが低く、その結果ざらつきのある塗装の面積が大きくなった。大き過ぎるのである。ドームが小さいから、デッキをもう少し上にしておけばよかったと後悔したが遅かった。大きなドームを作るべきだったのだ。

 最近、残ったパーツをすべて出して何が出来るか洗い出している。何台かは完成し、残パーツは処分するつもりであった。その中に Lobaugh のドームがあった。かなり大きなもので、当ててみると不自然ではない。UPの写真集を見ても合格の範囲にある。

tanker dome choppedUP tanker 塗装済みの貨車の一部のハンダを剥がすのは出来なくはないが、失敗すれば全塗装になるのも癪である。そこでドーム の上半分をカッティング・ディスクで落としてしまった。そうしてドームを被せて載せた写真がこれである。細かいパーツとしては、ドーム上の蓋と安全弁を付け直せば完成である。 

new dome (1)new dome (2) 艶あり塗装をしてから載せて完成だ。接着はスーパーXを使えばだれも気が付かないように直せる。上から見ても、艶消しの部分が減って自然な感じだ。


2025年09月04日

3本の電池を直列充電する

3電池充電装置 (3) リチウムイオン電池を3本直列で使うが、その充電は直列にはできない。電池の能力にはある程度のばらつきがある。

 直列充電であれば、どれか1本の容量が少なければ充電途中で他の充電が少ないにも拘らず充電を停止したり、逆に過充電になることもあるだろう。それが心配で、なかなか完成に持ち込めなかった

 このようなことを防ぐには、各電池の電圧を監視する安全装置が必要であった。高価なものかと思っていたが、A氏に一つ200円台で手に入ると聞き、頒けてもらった。 

 充電端子は車体の端に付け、行き止まり線路で地上子に接触するようにする。ヤードの端にそのような装置をつければ、そこで停止すれば自然に充電できる。

 この機関車が一応完成してからかなり経つが、この部分が未完成で役に立たなかった。これでうまく行くはずだ。ヤードの完成を急ぎたい。


2025年09月02日

続 クランクピンのネジ切

 今野氏から連絡があった。早速やってみたそうだ。Youtube に動画がある。この種の情報をすぐ実験するところが尊敬できる。普通の人は聞き流して終わりだ。

 最後に主軸を逆転させてダイスを抜いているが、それが正しい。電動で戻す方が楽であることを書くのを忘れた。ネジを傷つけることもなくなる。

 動画の前半の正回転は速度が大き過ぎるかもしれない。ベルトを架替えて再低速にすると良い。そうすればチョンチョンと動かす必要もない。じわっと正回転させれば、心押し台のクランクを廻すのも気楽だ。この前進速度が気になる人もあろうが、何も気にしなくてもうまく行く。ダイスは自然に前進するので、抜けない様に押すわけだ。力を抜いて廻す。決して押してはいけない。自然に同調するから気楽である。

 ダイスがワークに当たりそうになったら、送りを止めるだけだ。心押し台からダイス・ホルダがわずかに引き出され、トルクがなくなる。ダイス・ホルダは共廻りしている。テーパに油が注してあるので滑らかに廻るはずだ。

 電源を切って今度は逆転するが、その前に心押し台は少し後退させておく。主軸の逆転によりダイス・ホルダは右に押し出されてくる。何かの間違いで心押し台に当たると切ったネジによって推力が生まれ、ワークのネジが潰れたりする。しかしあらかじめ心押し台を下げておけば問題ない。  

 プロは失敗しない方法でやり、アマチュアはプロでもできない方法でやろうとし、失敗を重ねる。これは事実である。

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