2025年10月

2025年10月30日

ゴムチューブの問題

 ゴムチューブ駆動で問題ない、と思っている人は意外と多い。見せてもらうと明らかにおかしいのだが、気が付いていない。低速で走るとしゃくるのである。早く走らせればバレないと、思い切り飛ばしておしまいにする人も居る。

 ゴムはまっすぐに保持していれば問題は少ないように見える(重力場の中では多少の曲がりが出来てしまう)が、かなりの角度で曲がったままの状態でも「これで良い」と言い張る人が居るのには驚く。そもそもゴムチューブは納品されたときに既に曲がっている。その曲がりはいつまで経っても是正されない。

 ゴムは内部損失が大きい。すなわち防音材、防震材としては適性を持つ。トルクを伝達するものとしては非常に都合が悪いものだが、「動くから問題ない」と聞く耳持たずの人が居るのは残念だ。別の方法で高効率、高耐久性のあるものはある。角速度を一定にする方法も確立されているが、それでもゴムで良いと言い張る。これは「観測能力の不足」である。小中学校で理科の時間に何をしていたかを思い出すべきである。
 また、こういう人ほど声が大きいのも困ったものである。 

2025年10月28日

続々 またまたスクラッチ・ビルディング論議

 機関車は下廻りを完全に作り替える。使える部品を残し、寸法を取ってゴミ箱に叩き込むことが多い。動輪は測定して精度のないものは廃棄し、日本製に取り換える。車軸、ギヤ関係は新製する。こういうことも工作機械があればこそだ。

 韓国製のものであっても、上廻りはかなり正確に出来ていることが多い。ハンダ付けの不備さえ直せれば使える。しかし、キャブは作り替えた方が良いことが多い。大型機の場合は、後部が絞られているのだが、それを知らないで作った場合が多々ある。また、板がエッチングしてあるので軟らかく、持つと歪むことがある。硬い板で作り替えると安心だ。

 ろくに走らなかった機関車が、押して動き、低電流で滑るように走るのを見るのは至福の時である。歯車は筆者設計のものである。HO用のものは供給が途絶えていたが、間もなく潤沢に供給できることになった。しばらくお待ち戴きたい。

2025年10月26日

続 またまたスクラッチ・ビルディング論議

 筆者はほとんどスクラッチ・ビルディングをしなくなった。最近のことを思い出すと、2年ほど前にタンク車を2輌作ったのが最後のような気がする。それもエッチングの歩み板を切ったものがパーツとして見つかったからで、全てを作ったわけではない。タンク車は見かけより作るのが簡単で、完成した時の評判が良い。

 出来そこないのキット組をばらして作り直すことが多い。こういうものはジャンクで安価に購入してあり、切り刻んでも気が楽である。背骨の強度を上げ、荒っぽい連結作業でも決して壊れないようにしてある。

「キットは素材」という言葉に違和感を感じた人も居られるとは思うが、本当である。元のジャンクを売り渡した本人に見せると愕然とする。買い戻したいという人が多いがお断りしている。そういう状態を保つと、次のジャンクを紹介してくれる可能性が高まる。すべてを作り出すのと比較すると時間が大幅に節約され、効率的である。

 こういうことをやっていると工作機械を持つ価値が分かる。足らない部品も簡単に自作でき、高精度である。

2025年10月24日

またまたスクラッチ・ビルディング論議

 最近の記事を巡って多くの連絡を受けた。どれも「正論だ。もっと書け。」というものだった。
鉄道模型の死という言葉はかなり刺激的だが、その通りだ。金属工作が出来なければプラレールを買い集めるのと同じだ。」という意見も戴いている。

soldering on deck さて、コメントでキット・ビルディングをしている方から、「評価」を求められた。趣味だから評価などできるわけはないのだが、筆者の姿勢を伝えた。筆者はキットを組むのに費やす比率が非常に大きい。たくさん並べて同時にやっている。最低5輌は同時に組む。そうしないと無駄が多いからだ。
 それらは長編成を連結するときの軽衝突に耐える丈夫さ、手で持った時の剛性、ある程度の見栄え、滑らかな走行性能を持てば十分である。ひっくり返してブレーキ装置が完全に付いているとか、配管が必要という意見は完全に無視する。線路上で横から見ても見えないものは一切付けない。

 最近の雑誌を見ると、妙な細かさを追求した模型の写真が掲載されている。普通の人の視力では見えない細かさ(のつもり)である。ご本人は得意なのであろうが、それを拡大した写真を見るとその粗さに驚く。その部分は細かいがそれ以外が粗いままなのである。結局のところ、普通の視力を持つ人が 30 cm程度の距離から見て、良く出来ていると感じれば良い筈であろう。それ以上のことを望むのなら、全てをその細密度で揃えなければならない。事実上、それは無理である。


2025年10月22日

剛性のある車体を作る

 カヴァドホッパの車体の下側をめくり取ると側板は支持を失い、単にぶら下がっているだけになった。肋骨を入れねばならない。t 1.0の板を所定の長さに切り、左右を結び付ける。その時、太い背骨とハンダ付けすると強度が確保される。

filled wth solder 肋骨に相当する板を背骨と直交させ、クランプで密着させる。200 Wのコテを用い、1.5 mm角の角線を当ててハンダを流す。一瞬でハンダがきらりと光り固着する。広い面積で付くので丈夫である。
 両側が付いたら、太い背骨と肋骨とを結合させる。背骨は断面が 3 x10 mmもある上に長いので熱容量が大きい。塩化亜鉛飽和溶液を沁み込ませ、ハンダの粒を置く。矢印の方向からコテを押し当てるとこちら側は融けても反対側にはハンダが出て来ない。待つこと4秒、向こう側にハンダがきらりと筋になって見える。ハンダ付け完了である。

補強工事 熱が計 4 mmの板の10 mm先まで伝わってハンダの融点以上にならねばならないのだ。熱は前方のみならず左右にも大量に逃げるから、この仕事は小さなコテでは出来ない。熱い大きなコテが必要だ。しかもそのコテの先は平らで広い面積でワークに当たらねばならない。コテに溜まった熱が迅速にワークに伝わるようにするのだ。

 3本の肋骨を付けた。真ん中を最初に付け、左右は一度水冷してから付ける。こうしないと背骨の熱膨張で、出来上がりが反ってしまうことがある。大きな熱いコテは局所的な加熱を可能にするから、伸びを限定的にすることができる。

ハンダを向こう側に出せ」というのは祖父江氏の教えだ。大きなコテで力を入れて押すと良く熱が伝わって、大きな部品でも熱がよく沁み込む。
「部品の向こう側までハンダが廻らないようじゃぁ、失格だよぉ。」

 ハンダが向こう側から浸み出して銀色に光る瞬間は何度見ても気分が良い。これこそが完全なハンダ付けなのだ。最近は拙ブログの記事の影響か、ハンダが見えない方が良いという人は減って来た。良いことではあるが、さらに、向こう側までハンダを廻す必要があることを強調しておきたい。こうしてできた車体は、握ると”ガツン”という剛性を感じる。その堅さが気持ち良い。

 持つと側板がぐわぐわとする模型がある。数回持つとハンダが疲労して剥がれ、悲惨な状況になるのがは目に見えている。先日OJの車体を見せて貰ったが、ハンダ付けの箇所が少なく、妙に柔らかい。怖くなって手を離した。
「これでは駄目ですよ。」と教えて差し上げたが、聞く耳持たずであった。

 塗装済みではさらに悲惨なことになる。市販の模型はそういうものが多い。模型は握られる可能性があるということを考えておかねばならない。 

2025年10月20日

金属工作はできても…

 ある方からメイルを受け取った。ウェブ上の記事を切り抜いたもので出所は分からなくしてある。「これ、どう思われます?」とのことだ。
 写真が添付されていた。蒸気機関車のモータをテンダに載せて機関車にドライヴ・シャフトで結んである。ユニヴァーサル・ジョイントの位相は合っていず、直交している。それを指摘するととんでもない返答が来た。下記はその要約である。

1(工作者は)角度は考えていない。
2 ピンの角度には意味があるのだろうか。回転しているから問題ないのでは。
3 調べてみたら、同じ位相にしないと等速にならないとある。模型は90度のものが普通だ。もし等速にしようと思えば、二つの継手が等角でなければならない。模型のレべルで等速など意味がないから作り直さない。

 

 結局、せっかくの忠告は無視され、ゴムチューブを使った怪しいメカニズムが搭載されている。等速の条件は返答の通りだが、不等角でも不等速はかなり軽減される。トラックの推進軸を見れば多少不等角ではあるが大いに貢献していることは分かる。直交していては全くだめである。 
 1/80の模型で実際に調子が悪かったものが、等速に近付けただけで劇的に改善された例は多い。

 吉岡精一氏はこの種の人たちに対し、このような警告を述べた。
「メカニズムを研究、応用しようとしない人たちは、結局中学生レベルで終わりなのです。ガリガリ、ギャーという音を立てても『よく走る』というのですから。大人であれば、優れた模型とは何かと考えるべきです。そうしないと次の世代が育ちません。」

 この作例の方は外見の工作の腕は良い方らしいので、これがいずれ雑誌に載るのではないかと危惧する。間違いの再生産が続くわけだ。雑誌の編集者の程度が知れることになってしまう。

2025年10月18日

困ったcovered hopper

この 4-bay のカヴァドホッパは以前紹介している。一輌は何とか形になったのだが、こちらはどうしたものかと工事が止まったままであった。
 前後端のホッパが車輪に当たって台車が回転しないのである。36インチの車輪だからというわけでもない。33インチでも当たる。その部分のホッパを凹ませてごまかそうとした形跡もある。
 これはアメリカ人のキットの設計者が組んだはずだが、走らないとは一体どうしたものだろう。

PS-2 4-bay covered hopper side view 真横から見てみると、その原因が判明した。4つのhopper bayが低いのだ。ホッパの上の方から引いた線よりも下にある。すなわち、取付け位置が 5 mmほど低いのだ。このハンダを外して上に移動させてやれば良いが、このホッパは出来が良いとも思えないから捨ててしまうことにした。

PS-2 4-bay covered hopper 背骨は 3 x 10 の角材である。これだけでもかなり重いが、これで補強しなければアコーディオンのように潰れる可能性が高かった。
 ホッパを3Dプリントで作って貼り付ければ形が良くなるだろう。もう少しマシな形にしたい。この写真で左端のホッパは凹んでいるのが見える。凹ませれば台車が回ると思ったのだろうが考えが甘い。

 removing bays (1)removing bays (2) ドレメルのカッティング・ディスクで切れ目を入れてむしり取った。アメリカ製のブラス板はかなり堅いので、むしっても t 0.6の側板は曲がらなかった。ただし、重いので持つと歪む。すぐに補強を入れることにした。


2025年10月16日

金属工作

 最近、旋盤加工、ハンダ付けとか曲げ加工、プレスなどの話題を出した。いわゆる金属加工だ。その記事へのアクセス数は多くない。よそから見に来る方のアクセスも見ているが低調である。この種の分野は人気が無いということになる。
 逆に友人達からは、「面白い。もっと書いた方が良い。」という激励がかなりあった。

 40年ほど前、吉岡精一氏は「金属工作をしない人が大半になった時は、鉄道模型の死です。」とおっしゃった。まさにその通りで、金属板を糸鋸で切り、穴をあけ、ヤスリ掛けしてハンダ付けするということをしないで鉄道模型が成立するわけがないのだ。

 3Dプリンタ、レーザ・カットと接着剤で作るものは見かけを重視したもので、決して鉄道模型のメカニズムまでは到達できない筈だ。 

 時は流れ、段々と吉岡氏のおっしゃった死が近づいてきたような気がする。我々の仲間は金属工作を手掛ける。工作機械を買って、炭素棒ハンダ付けに興味を示し、より高効率な駆動方式を求める。
 友人たちは若い会員に金属工作のテクニックを教え、技能の伝承を試みている。素晴らしいことだ。ただし、菅原氏の本だけを参考にしているようでは駄目だろう。工学的、理学的により正しい知識を身に付ける必要がある。
 工作機械も買ったままの状態で使う人が多いが、感心しない。工作機械は素材なのである。使う人が手を加えて使うべきである。筆者の工作室を見るとたいていの人は驚く。工作機械が原型からかなり変化しているからだ。目的を果たすためには改造が最も早道なのだ。

 祖父江氏の工房を見学した時に気が付いたのは、「プロは工具を自分で作る」ということであった。 

2025年10月14日

Lionel の タンク車

Lionel x scratch-built (1)Lionel x scratch-built (2) Lionelのタンク車はとても重いダイキャスト鋳物で出来ている。タンクは左右二方に分かれる型に、前後と上からプランジャを押し込んだ一体鋳造である。よく出来た型である。前後のタンク・エンドはプラスティック部品を押し込んである。台枠は上下二型であるがよく出来ている。
 余りにも重過ぎてどうするべきか考えた。

 上下分離して、軽いタンク、軽い台枠をスクラッチから作り、互いにそれぞれと組合わせれば標準質量に近いタンク車が2輌できる筈だと思い付いた。右の写真は交換後の様子である。

 これは1950年頃の製品である。材質が極めて良い。粘りのある素材で今後も割れることはないだろう。アメリカ製でも時期によっては怪しい合金を使ったものがあり、粉々になったものがあるが、これは素晴らしい。しかし肉が厚く、重いのには参った。

 ライオネルは急カーヴを曲がらねばならないのでフランジが高いそれを装着した台車が無理なく廻るように取り付けねばならないので、かなり工夫している。台枠の中の部材を避けてキングピン位置を少し外側にずらしてあるのだ。これは筆者が最も嫌うことであるが、その理由が分かって少々驚いたと同時に感心した。
 写真の灰色の台車はナイロン製3DプリントのNational台車で、内部のバネも作られている。 

 キングピン位置を元に戻し、スケールの台車を付けた状態で高さを揃えねばならないので、ブラスの角材をフライスで削り出した。ネジ留めすると同時にエポキシ接着剤で固着した。台車を取付けて高さを確認した。

 他のスケールの模型群と並べてみても遜色がない。玩具とは言えない品の良さがある。40年ほど前ジャンクで手に入れたものが再生された。  
 塗装が剥がれにくいのも大したものである。それは鉄道玩具としての機能の一つである。

2025年10月12日

tank cars

tank dome plan タンク車は形が出来ているが、タンク・エンド、ドームを3Dプリントでお願いしているので、 その到着待ちである。今まで大きなブラス丸棒から作っていたが、その必要がなくなった。
 ドームはリヴェットも打たれた状態で出来る。成型時の細かい段を削り落として、タンクボディにスーパーXで接着する。 


 旋盤で大きな材料から削り出すのには利点があった。タンク車というものは質量予測が難しい。ほぼ完成の状態で補重の工夫をせねばならないこともあった。そいうときにエンドを重く作れば補重の必要がない場合が多い。今回は錘を作って内部に留める必要がある。振動でズレないようにするのは意外と面倒だ。

 このタンク車にはタンクボディにリヴェットが打ってある。それをディカールで表そうというのが今回の目標である。フィルムの端が目立ちそうだが、完全な艶消しにすれば見えない筈だ。  

2025年10月10日

boxcar の製作 

 かねてより工事中の boxcar群が完成に近づいて来た。ハンダの使用量が尋常でなく多い。オリジナルは木製の箱を作ってその上に金属板を貼る方法であったので、外被の金属板は飾りに過ぎなかった。全金属製にしたからにはそれ自身で強度を保つようにせねばならない。
 側板の厚さが無いので内部に細かくリブを入れて強度を確保した。また屋根を押すと簡単に凹むから、レイルを切った骨を2本付けて丈夫にした。塗装してから潰れると悲惨なので、それを回避するためである。
 さらに床板も薄いと連結時に潰れそうなので、ジャンクの 1 mm板を使った。 
 車重の標準の 355 gを100 gも上回った。材料がふんだんにあるとこうなる。走りは重厚である。こういう車輌群を20輌ほどつないで、連結作業をすると、質量が大きいので衝撃で台枠が弱いとめり込んでしまう。連結器はKadeeの金属製以外の製品は耐えられない。
 5輌の作りが全て異なるので共通部品はほとんどない。全て現物合わせで作るので効率が悪い。ボルスタ高さをジグに合わせて調整し、ハンダ付けする。穴をあけネジを切って台車を付ける。連結器を付けると生地完成だ。ブラスの色が美しい。
 他の貨車とあわせて15輌ほど同時に作っているので、台車が足らなくなってきた。3Dプリントで増産せねばらない。


 最近は廃品回収業の店にあまり行っていない。銅、ブラスの価格が今まで聞いたこともないような水準で推移している。比較的綺麗な板をよく世話して貰っていたが、品薄のようだ。
 1.5 x 4、2.5x2.5、1x2.5 などの角線を大量に持っている。ご希望の方には廉価でお譲りする。最近はこの種の材料が手に入りにくいそうで、クラブの会員にお分けしている。  

2025年10月08日

質量

 加速度測定による牽引力測定のためには大きな質量を持つ貨車が必要であった。前回は約 3 kgで最初の1 mほどで加速は終了し、測定誤差が極端に大きかった。

大物車 測定線路は 6 m以上あるので、質量を10倍にするとほどほどの条件となる筈だ。そうなると 30 kg の貨車が必要で、それを支える台車も高性能なものが必要となる。Low-D車輪を付け、ボールベアリングを装荷している必要があり、軸重 2 kgに耐えねばならない。頑丈なブラス製台車を探し出し、荷重を掛けてもボルスタが持つことを確かめた。そういう点では Lobaugh の製品はずば抜けて優秀だ。ボルスタは加工硬化させてあり、へたらない。完成した車輌から一時拝借したものもある。 

 台車を結ぶスパン・ボルスタはブラス製では持たない。鉄工所の友人に頼んで、鋼の角材を切ってもらった。鉛を積み込む部分は熔接で製作中である。大きな変圧器を積む貨車に似ている。
 鉛は水道屋の倉庫から、残材を買ってくる。20 kgほど必要だ。機関車に牽かせると停車できずに潰されるという話があったが、押せば済むというヒントも戴いた。そうすれば難しい連結器も要らない訳だ。

 この貨車が走る部分が平面であることは、非常に大きなファクタだ。木製のレイアウト台枠では到底作れない剛性のある台枠だからこそできる。この種の実験をする人は少ないが、人が上に載って工作する状態を考えれば、必要なことである。
 繰返すが、木製のレイアウト台枠で10年以上経ったもので、平面が出ているものは稀である。まず見ることがない。


2025年10月06日

続々 3Dプリント

UV-curing resin  3D printing (3) この部品はトレーラの台車である。上下逆に置いてある。それを作り出す時には左の形で作られるのだ。
 分厚い台枠と言えども、それは薄膜を積層して作られる。UV-curing resin 紫外光硬化樹脂に紫外光を当てて作る薄膜は最初はヘロヘロなので、それを支えるものが必要なのだ。太い車軸部分も最初は線であって垂れてしまうので支えを入れている。
 支えの位置や設定密度などは機械が勝手に判断して作り出すのだそうだ。うまく行った例に従ってプログラムしているのだろう。 

UV-curing resin  3D printing (1) これはトレーラを引っ掛けるhitchヒッチだ。単純な形だが、斜めの部分にはこれほど支えを入れないと作れないようだ。一箇所、支えを取り忘れている。

UV-curing resin  3D printing (2) 最後にこれは landing gear である。着陸装置ではなく、トレーラの補助輪である。これにも支えがあちこちにある。

40', 24' trailer parts 1回試作しただけで、6台分が用意できた。
 3Dのお絵描きが出来れば、あとは機械が勝手にやってくれるようだ。試作をして補正すればすぐ作れるという。消耗品は紫外光硬化樹脂の液体と、作業後の槽内をきれいにする液体との二つらしい。 

 機関車のような重い物を作るとあとで泣きを見る可能性があるが、形だけを目的としているならばこれは便利だ。屋根上に付けるベンチレータなどはこれで作ると極めて楽である。以前はロストワックスで作ったので重くて仕方が無かった。

 経年変化は光によっても起こる可能性があるから、確実な塗装が必要だろう。これらの模型が20年後どうなっているか、楽しみである。 

2025年10月04日

続 3Dプリント

 今回の3Dプリントの材料は、寿命がどの程度あるものなのか不明である。クリープして垂れてしまうということが起こるのかどうかも分からない。しかし貨車の積荷程度なら何の問題もない。形がおかしくなったら捨てて作り直せばよいだけだ。形しか目的としないから、それで良いのだ。そういう意味では今回のトレーラの部品を作ったのは良い作例だったようだ。
 この種の材料で荷重の掛かる機関車台枠などを作る人が居るが、その後の報告を待ちたい。耐油性も重要なファクタだ。


 筆者が心配するのは、劣化してひびが入ったり、重さで垂れたりすることである。小ゲージの機関車全体をこの方法で作る人も居て、ある程度の成功を収めているように見える。問題は、それが50年後100年後にどうなっているかである。
「そのころには我々は生きていないから関係ないですよ。」と簡単に言う人も居る。しかし「その程度のものを作っているわけではない」と思う人は、やはりブラスで作りたいはずだ。

 最近ハンダ付けに関することをたくさん書いたが、あまり反応が無いように見える。もうブラス工作をしている人は少ないということなのだろうか。今野氏のブログに、当ブログで「ハンダ付けの理屈を解説してくれます。」と予告があったのだが、アクセス解析ではそちらからいらした方は少ない。すなわち読者が金属工作に興味を持っていない時代がやって来たということである。

2025年10月02日

3Dプリント

 今まで筆者は機械部品として精度が高く耐久性のあるナイロン製の成型品しか必要としていなかった。3Dの師であるS氏にお願いしてギヤボックス等を作って貰っていたのだ。これは頑丈で長寿命であることが身上で、細かい造形が目的であれば別の方法が必要となる。

trucks, hitch & landng gear 最近、所属クラブのO氏が3Dプリントでいろいろなものを作って見せてくれる。液体から光を当てて固体を造形する方式である。トレーラのタイヤ、その他の部品が必要だったので話を聞いたら、「作ってあげますよ。」とのことであった。半信半疑でお願いしたところ、たちまち素晴らしいものを見本として見せてくれた。

 液体表面に薄膜を作り出して積み重ねるので、それが垂れ下がらないように支えを入れるということが分かった。機械が判断して支えてくれるようで、かなり不思議な形であるが歪みもなく作ってあった。
 この細い支えを先の薄いニッパで切り取って台座から外すと表面は多少粘るような気がする。爪で跡が付く程度の軟らかさだ。
 それを日光に10分ほど当てると完全に固まる。太陽光の紫外線を利用するわけだ。硬化するとカリカリした感じになり、爪がひっかからなくなる。軽くヤスリを掛けるとつるりとして、塗装が出来る。

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