日本社会に食い込んだ異形の中国系巨大詐欺組織 人身売買や資金洗浄…首領は東京・港区に一時潜伏か
花火大会やプリンスとの関係ついてはこう回答した。 「他の企業と同様、協賛企業の1社として参加しております。当協会とプリンスグループと日本法人との間に、共同事業・継続的連携等は一切存在しておりません。今年10月以降、継続的な関係は一切ありません。今後はコンプライアンスチェック体制を強化します」 ▽日本国内にも子会社設立 ただ、他にもプリンスグループは日本国内への浸透を進めていた。 2023年に設立され、日本カンボジア協会に加入したコンサルティング会社「プリンス・ジャパン」(東京都渋谷区)に加え、2022年にはチェン会長が代表を務める会社が東京都内に設立されていた。さらに2024年には不動産業の「キャノピーサンズデベロップメントジャパン」(千代田区)が設立された。 プリンスグループはこれらを通じ、日本の投資家に対し、カンボジアで開発した高級コンドミニアムへの投資を勧誘していた。犯罪収益の資金洗浄のために利用した可能性がある。
プリンス・ジャパンの代表は、日本人男性。 キャノピーサンズの代表は、長らくカンボジアで金融関係の仕事をしていた日本人女性。キャノピーサンズのほか、プリンスグループの不動産部門である「プリンス・リアル・エステート・グループ」のスーパーバイザーの肩書もある。 取材班はキャノピーサンズの代表に対し、メールやSNSで取材を申し込んだが、返答はなかった。背景を聞くため、自宅を訪問したものの、応答はなかった。キャノピーサンズ代表の夫は教育関係者だったが、取材班がメールしたものの反応はない。 ▽チェン会長、東京に潜伏か さらに取材を進めると、グループ首領のチェン会長がたびたび日本を訪れていたという情報に接した。現地の日本人社会で話題になっていたのだ。 チェン会長が代表を務める2022年設立の会社の法人登記を調べると、チェン会長が東京都内に住所を置いていたことも判明した。港区北青山の高級マンションだった。