漫画『桃源暗鬼』作者を取材 美容師から漫画家へ 漆原侑来が描く “ビジュアル”へのこだわり
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テレビアニメ化もされた人気漫画『桃源暗鬼』。意外なキャリアを持つ作者・漆原侑来さん(35)を取材しました。 【画像】『桃源暗鬼』皇后崎迅役・西山宏太朗「迅が見える世界を変えてくれた」 『桃源暗鬼』は、昔話『桃太郎』を題材に鬼と桃太郎、それぞれの血を引く者の争いを描いた物語。2020年から週刊少年チャンピオンで連載がスタートし、単行本の発行部数は500万部(出版社発表)を記録しています。 POPUPイベントも開催され、『TOUGEN ANKI SPECIAL POPUP at baseyard tokyo』(2026年1月28日まで開催)では、たくさんのグッズが並べられています。
■キャラクターのビジュアル こだわりは“目”
『桃源暗鬼』の作者は、長野・松本市在住の漆原侑来さん。人気の理由の一つでもあるキャラクターの“ビジュアル”について、漆原さんは「とにかく一番 “目” に視線がいってほしいと思っている」と明かし、「目が鋭いっていうのもそうですし、瞳の中をあんまり描き込まない。桃源暗鬼ってちっちゃいコマでも目は結構わかりやすくしっかり描くようにしている」と“目”へのこだわりを教えてくれました。
■作者は元美容師 髪の“束感”にも注目
漫画家になる前は美容師をしていたという漆原さん。当時仕事で追い込まれる日々を送るなか、スタッフルームにあった漫画に目がとまり、「(漫画を)読んで、“あ、自分もなれるんじゃないかな”ってなんか思っちゃって。次の日から仕事を行かずに漫画を描きだした」と漫画家になるきっかけを明かしました。 また、髪の描き方については「髪の毛に関しては束感をしっかり描きたい。ベタでざっと塗っちゃえば一番簡単なんですけど、束感を描くのが好きっていうのもあって」と話し、「線も入れすぎると、それはそれでやぼったくなっちゃうので、ちょうどいい“あんばい”を見つけつつ」と話す漆原さん。髪の毛が層になって生まれる立体感にこだわっているそうです。
■昔話『桃太郎』が題材 よく知られている物語とは違い、主人公は“鬼”
物語は昔話『桃太郎』が題材となっていますが、よく知られている物語とは違い主人公は桃太郎ではなく“鬼”。桃太郎との戦いを鬼の視点から描いています。漆原さんに、なぜ鬼を主人公にしたのかを聞いてみると「最初は桃太郎側が主人公で描いていたんですけど、鬼を倒しに行く漫画になっちゃうので、あんまり自分が描く意味はないかなとやめました」と明かし、「基本的に追い込まれてる側が主人公の方が物語が作りやすい」と話していました。