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【11月27日 KOREA WAVE】ソウル大学、延世(ヨンセ)大学、高麗(コリョ)大学など、韓国の主要大学において、人工知能(AI)を利用した集団カンニング行為が相次いで摘発され、大学界では「AI不正行為」への懸念が急速に広がっている。とりわけ、コロナ禍以降に拡大した大規模オンライン講義の試験中に発生している点から、現在は過渡期的な混乱であるとの指摘も出ている。

ソウル圏の主要大学では、こうした事態を受けて非対面式(オンライン)試験の運用基準を再点検し、不正防止のための専用ソフトウェアの導入に乗り出している。しかし、各講義における評価方法や防止ソフトの使用有無は依然として教授の裁量に任されており、大学全体としての統一的な対応には限界があるという批判も出ている。

例えば、高麗大学では「高齢社会に関する学際的理解」という科目で集団カンニングが摘発されたことを受け、試験中の画面共有や外部プログラムの起動を遮断する専用ブラウザ「トラストロック(TrustLock)」を導入した。同大学の関係者によると、現在、オンライン大講義でも非対面試験はほとんど実施されていないが、該当科目だけでなく、全体的な導入を検討しているという。

「トラストロック」は、試験中に他のブラウザやカカオトークなどの外部アプリを実行できないよう制御する機能を持つ。しかし、大学がソフトを導入しても、実際に使用するかどうかは教授の判断に任されており、実効性に疑問が残る。高麗大学の関係者も「年初からプログラムを案内していたが、告知が遅れたために教授が認知していなかったケースもある」と説明している。

同様に、慶熙(キョンヒ)大学も年初から同じプログラムを導入していたが、こちらも使用の有無は教授の裁量に委ねられているという。

一方、成均館(ソンギュングァン)大学では、不正防止のために「対面試験」を原則としている。同大学では2024年から一部の大講義で「履修人数無制限(TO無制限)」制度を導入していたことから、学生の間では「履修者数が多すぎて教室確保ができず、結局オンライン試験になるのでは」との懸念が出ていた。しかし大学側は大規模授業であっても可能な限り教室を確保し、全て対面試験で実施している。

成均館大学の関係者は「履修者が非常に多いため、オンライン試験では不正を防ぎきれない。だからこそ大講義であっても教室を確保し、対面試験をしている」と語っている。

教育界の専門家は、オンライン講義であっても「原則は対面試験」であり、やむを得ずオンライン試験を実施する場合でも、不正防止プログラムの使用を義務化すべきだと強調している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News