28日の金曜ロードショー(後9時)は、4週連続細田守監督作品の”最終回”。「時をかける少女」(2006年)が、枠を15分拡大して放送される。「金ロー」での放送は22年6月以来で、3年ちょっとぶりの登場となる。
主人公・真琴は、どこにでもいる普通の高校2年生。幼なじみの功介、転校してきた千昭との3人で、いつも野球をして日々を楽しく過ごしていた。ある日、真琴は交通事故に遭った瞬間、タイムリープ(時間移動)の体験をする。
いつの間にか手に入れた能力を、真琴は日常生活を少しだけ有意義に使ったり、自らのささいな欲望をかなえたりして使っていた。そんな時、ふとしたことをきっかけに功介、千昭との関係性がぎくしゃくする出来事が起きる。さらに真琴は、時間を超えることが正しいことなのか疑問を持ち始め、やがてタイムリープができる回数には制限があることを知る。自分にとって、何が一番大切なのかを知った時に真琴が取った行動は―。
1972年にNHKが「タイム・トラベラー」のタイトルでドラマ化して以降、何度も映像化されている筒井康隆さんのSF小説は、大林宣彦監督がメガホンを取り、原田知世の初主演作としても知られる1983年公開の映画が、あまりにも有名。本作も筒井さんの小説を「原作」としているが、あらすじを見ても全く異なるように、「原案」といった方がより正確だ。
ただ、前回の放送時に書いた当コラムでも紹介したように、真琴がタイムリープの能力を手に入れた場所が理科準備室であること、能力を得た後に相談にいく叔母「魔女おばさん」の名前が、小説のヒロインである「芳山和子」であることなどで、筒井さんの作品が元となっていることが分かる。加えて、大林監督作品へのリスペクトも感じさせる点もある。
それは、タイムリープのきっかけとなる事故が起きる商店街「倉野瀬商友会」の描き方。モデルになったのはアーチの形などから東京・新宿区の「中井商友会」とされている(もっとも中井のアーチには、からくり時計の仕組みはないが)。ただ、現地に行ってみると雰囲気はそっくりだが、肝心の坂道はなく、平坦な道路の脇に商店が並んでいるのみだ。
ここを坂道としたのは、もちろん「事故が起きなければ物語が始まらない」という理由はあっただろう。ただ、それよりも記者は大林監督の「時かけ」の風景をオマージュしていたのでは…と考えている。同作が撮影されたのは、大林監督の故郷である広島・尾道。「坂の街」として知られる同所の面影を作品の中に漂わせたかったのではないか。
ところで、本作のメインビジュアルは、真琴が空に向かって勢いよくジャンプしている姿。バックに描かれている入道雲は、細田監督作品の「お約束」とされるが、両手を後ろに向けて広げている真琴の格好を、勝手に記者は「細田ポーズ」と呼んでいる。
公開されたばかりの「果てしなきスカーレット」でも、物語の終盤に向かう場面でヒロインのスカーレットが空にかけられた階段を昇っていく時に、なぜか手を広げて歩を進めていく。「普通、階段を昇る時にそんな格好をしないだろ?」と思うのだが、「そこは細田監督作品だから…」と勝手に納得していた。細田監督の製作会社「スタジオ地図」のロゴも真琴のシルエットを使っているように、間違いなく監督お気に入りのポーズだと思うのだが、皆さんはどう感じますか?(高柳 哲人)

















































