研究活動を続けるうえで、外部資金の確保は避けて通れないテーマです。特に民間助成金は、科研費よりも門戸が広く、文量も少ないため、初めての研究費獲得に挑戦しやすいという利点があります。
一方で、その数は膨大であり、目的や応募資格、採択方針も助成元によって大きく異なります。そのため、「なぜこの助成金に自分が応募するのか」という根拠を明確にして、適した助成元を選ぶことが採択率を高めるうえで極めて重要になります。
本記事では、民間助成金の「選び方」に焦点を当て、信頼できる情報源の活用方法、公募要領を読む際の着眼点、助成元の意図を読み解くポイントを、豊富な助成金獲得経験と審査員経験を有する筆者が具体的に解説します。
「どこを探せばよいか」「何を基準に選べばよいか」が明確になり、初めての助成金申請にも自信を持って臨めるようになるはずです。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書かれているのか
- 採択者が語る研究助成金獲得のコツ シリーズ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- 1.研究者に求められる、民間助成金を「選ぶ力」
- 2.民間助成金を探すための情報源を体系的に押さえる
- 民間助成金には多様な提供主体がある
- 複数の情報源を併用すべき理由
- 3.適した助成元を選ぶための「公募要領の読み方」
- 公募要領は“助成元の意図を読み解く資料”
- 3 - 1.目的
- 3 - 2.対象
- 3 - 3.応募方法
- 3 - 4.助成金の使途
- 3 - 5.報告義務
- 3 - 6.助成金の交付
- 4.助成金を“逃さない”ために:今日からできる情報整理のすすめ
- 研究費獲得から、医療統計・英語論文執筆までトータルサポートならmJOHNSNOW!
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- 【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】
- 採択者が語る研究助成金獲得のコツ シリーズ
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
研究助成金の情報を漏れなく収集するための効果的な探し方
公募要領のどこをどう読むべきかという審査の本質を踏まえた視点
応募後に後悔しないためのリスク管理
この記事は誰に向けて書かれているのか
これから研究を始める大学院生や若手研究者の方
科研費や研究助成金の申請に初めて挑戦しようとしている方
何度か申請したものの、なかなか研究助成を獲得できていない方
採択者が語る研究助成金獲得のコツ シリーズ
はじめての研究助成金 Part1: 助成金の基本を徹底解説 ― 教科書には載らない研究費のリアル
はじめての研究助成金 Part2:本当に知りたかった 「助成金選びのコツ」を徹底解説(本記事)
執筆者の紹介
氏 名:山本 直史
所 属:愛媛大学社会共創学部
専門性:博士(体育学)。身体活動と健康に関するエビデンスを蓄積することを目的に、地域住民を対象としたコホート研究を軸に研究を進めている。「現場から課題を見つけ、研究する」というスタンスを大切にし、健康づくりの現場における実践活動の評価といった実践的研究にも取り組んでいる。また、こうした現場志向の研究を通して、研究、教育、地域貢献がつながるような関わり方を模索している。競争的外部資金の獲得は代表者として6件、分担者として11件。学内や学会で助成金等の審査委員も務める。
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
1.研究者に求められる、民間助成金を「選ぶ力」
「はじめての研究助成金Part1:助成金の基本を徹底解説 ― 教科書には載らない研究費のリアル」で述べた通り、研究にはお金がかかります。
学内などから自動的に配分されるベーシックインカム的な研究費は年々減少しており、現在の研究活動は「外部から予算を獲得すること」が前提となっています。
科研費は、一定規模の金額を複数年にわたって受け取れるという大きな利点がありますが、一方で、その申請は「研究機関に所属し、研究活動を職務に含む者」に限られています。
加えて、申請書作成のハードルも決して低くはありません。
これに対して、民間助成金(本記事では科研費以外の研究助成金を指します)は、比較的広い層に門戸が開かれているものが多く見られます。さらに、単年度の研究助成金などは申請書に求められる分量が少なく、初めての申請でも取り組みやすいというメリットがあります。
一方で、民間助成金は助成元ごとに応募条件が異なるため、自身の研究テーマにマッチした制度を見極めるには、各助成元が示す「目的」や「対象領域」「申請資格」の微妙な差異を丁寧に読み解くことが欠かせません。
例えば、同じ“研究支援”を掲げていても、若手育成を主眼とするもの、社会課題の解決を重視するもの、基礎研究を推奨するもの、実践的な活動を評価するものなど、助成金の性格は大きく異なります。
こうした前提条件を理解せずに申請してしまうと、研究内容そのものが魅力的でも「助成元が支援したい方向性」と噛み合わず、不採択につながることも少なくありません。
そのため、助成元の理念や過去の採択実績を含めて多角的に確認し、「なぜこの助成金に自分が応募するのか」という根拠を明確にすることが、採択率を高める上で重要になります。
さらに、申請書に求められる書式・分量・提出方法も助成元ごとに大きく異なるため、形式面の要件を正確に把握し、早めに準備を進めることが不可欠です。
とくに所属長の承認が必要な助成金や、独自のオンラインシステムでの提出を求める助成では、締切直前の対応では間に合わない場合もあります。
このように、民間助成金の申請では、「どの助成元を選ぶか」という段階からすでに評価は始まっていると言っても過言ではありません。助成元の意図と自分の研究の方向性を丁寧に擦り合わせることが、初めての助成金獲得に向けた確かな第一歩となります。
今回は、このような民間助成金の「選び方」に焦点を当て、そのポイントを紹介していきたいと思います。
2.民間助成金を探すための情報源を体系的に押さえる
民間助成金には多様な提供主体がある
科研費などの公的機関以外にも、研究助成を行っている団体は数多く存在します。
たとえば、公益財団、企業系財団、地方自治体、学会などが挙げられます。
こうした民間の研究助成に関する情報は、公益財団法人助成財団センターが運営する以下のウェブサイトで検索できます。
助成・奨学金情報navi
https://jyosei-navi.jfc.or.jp/
※2025年7月18日現在、1,940団体による3,884件の助成情報を掲載
キーワードや条件を指定して検索できる、使いやすいデータベースです。
また、医療・臨床研究に関する助成情報は、大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN)のウェブサイトからも検索可能です。
UMIN FIND(各種助成公募情報)
https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/josei/select/index.cgi?serv=jsearch
※2025年度の掲載機関数は623
「助成・奨学金情報navi」は分野を問わずに多くの助成情報を掲載しており、きわめて充実した情報源です。
一方で、UMINは医療・臨床研究に特化したデータベースです。「助成・奨学金情報navi」には掲載されていなかった助成金がUMINで案内されていたケースもありました。
これらのサイトに掲載されている情報は、原則として助成元が掲載を依頼または承諾したものに限られるため、すべての助成制度が網羅されているわけではありません。
そのため、特定のデータベースに頼るのではなく、複数の情報源を併用して助成情報を収集することが重要です。
複数の情報源を併用すべき理由
研究機関にご所属の方であれば、学内向けに助成金の公募情報がメールで随時通知されていることが多いと思います。
こうした情報の多くは学内限定とされている一方で、大学によっては学外にも公開している場合があります。筆者の所属先では助成情報は学内限定となっていますが、例えば岡山大学では学外にも公開されています。
岡山大学|科研費・特別研究員・各種助成事業
https://websv.okayama-u.ac.jp/kenkyo/?/
地方自治体や学会による研究助成は、助成・奨学金情報naviやUMINといったデータベースには載っていないことも多いですが、各団体のホームページでは、たいてい分かりやすく公開されています。
こうした情報は自分でアクセスして取りに行く必要があります。ここでは、助成金情報を広くキャッチするために役立つ「3つの実践的な情報源」を紹介します。
一つ目は、Researchmap(リサーチマップ)を参考にして、誰がどのような助成を受けているのかを調べる方法です。特にResearchmapは、科研費審査の参考資料としても活用されているため、多くの研究者が助成の獲得実績を丁寧に入力しています。
こうした既存の情報を手がかりにすることで、自分がいつ・どこに申請すればよいかのイメージがつかめることもあります。個人的にはかなり実用的な情報収集手段だと感じています。
二つ目は、論文の資金情報欄の確認です。論文では原則として、すべての資金源や研究助成を開示する必要があり、助成元の情報収集において見逃せない情報源となります。論文を読む際に資金情報欄にも目を通すことで、どの団体がどのような研究を支援しているのかを知る手がかりになるでしょう。
三つ目は、学会発表、特にポスター発表で掲載されている助成金情報です。発表者が「○○財団の助成を受けて実施した研究です」と記載していることも多く、有益な情報源となります。興味があればその場で直接質問して詳細を聞くことができ、助成の選び方や申請時の工夫など、公式の資料には載らない“生の情報”を得られるのは、学会ならではのメリットです。
「論文を読むついでに資金源もチェックする」——そんな習慣に加え、「学会で助成の情報を聞いたらメモしておく」ことも、情報探索の一助になるかもしれません。
3.適した助成元を選ぶための「公募要領の読み方」
公募要領は“助成元の意図を読み解く資料”
公募要領には、「目的」「対象」「申請資格」「応募方法」「助成額・助成期間」「助成金の使途」「選考方法」「報告義務」「助成金の交付」など、申請に必要な情報が詳しく記載されています。
まず「申請資格」を確認する方が多いと思いますが、それ以外の項目にも重要な意味があります。例えば、助成の目的や対象、報告の義務の有無などには、助成元の理念や支援方針が色濃く反映されており、内容を丁寧に読み取ることで、どのような研究が歓迎されるのかが見えてきます。
したがって、公募要領は単なる「募集案内」として形式的に読むのではなく、一つひとつの記述の意図を考えながら確認することが大切です。
ここでは、「目的」「対象」「応募方法」「助成金の使途」「報告義務」「助成金の交付」に焦点を当てて、ポイントを整理したいと思います。
3 - 1.目的
「目的」には、「その団体が、なぜその助成を設けているのか」「助成元が成し遂げたいこと」が集約されています。
ここに書かれている理念や社会的背景を理解することで「どんな研究が歓迎されるか」が見えてきます。助成金は研究内容だけで評価されるわけではなく、助成元が大切にしている価値観との整合性も見られている点を忘れてはいけません。
例えば、学会による研究助成の多くは、若手研究者の育成による学会の活性化を目的としています。審査員の立場からすれば、同程度の評価点の申請書が並んだ場合、「学会への参加度」や「コミュニティへの貢献姿勢」といった、どちらを推すかを判断するための“後押し材料”が欲しくなるものです。
そうした時に、「学会で積極的に発表している」「質疑応答でも主体的に参加している」といった姿勢は、研究者としての意欲を示すだけでなく、助成の理念に沿った申請者であることをアピールする重要な要素になります。
私自身、かつて“とある学会”に、ほとんど顔を出さない状態にも関わらずその学会の助成に応募していた時期がありました。今振り返ると、それは助成の目的(若手研究者の育成やコミュニティの形成)とは合致していなかったと思います(結果はもちろん不採択でした)。
助成金には、その背景にある理念に共鳴できるかどうかが問われているのだと、今では感じています。
このように、公募要領に記された「目的」を丁寧に読み解き、助成元の理念と自分自身の研究活動や取り組みが本当に合致しているかを見極めることが、助成元選びの出発点となることを理解しておきましょう。
3 - 2.対象
「対象」は、助成元が「どのような研究を想定し、支援したいと考えているか」を示す大切な項目です。単に対象となるテーマを列挙しているわけではなく、助成元が重点を置いて支援したい分野や、どのような成果を社会にもたらしたいと考えているのかといった“支援の方向性”が端的に表れるともいえるでしょう。
したがって、対象を丁寧に読み解くことで、助成元の問題意識を把握でき、自身の研究がどこに位置づけられるのかをより明確にできます。
また、同一の助成であっても、対象(研究テーマや分野)が年度によって変更されることがあります。前年の記憶に頼ってしまうと、本来は応募可能だった助成を見落としたり、逆に対象外のテーマで申請してしまったりするリスクがあります。最新版を早めに確認し、変更点を正確に把握することが欠かせません。
助成の中には、既存研究の発展を支援するもの、新しいテーマへの挑戦を促すもの、成果の社会実装を重視するもの、若手研究者の育成を目的とするものなど、性格が異なります。
助成元がどのような成果を期待しているのかを見極め、自身の研究段階やキャリアの方向性と合っているかを吟味することが重要です。
また、「研究」と「実践活動」の両方を対象にしている場合もあります。例えば、実践的な内容を伴う研究テーマの場合、必ずしも「研究」としてではなく「実践活動」という枠で申請できることがあるため、申請できる可能性が広がる可能性があります。そのチャンスを逃さないためにも、過去の採択実績から「どのようなテーマが採択されているか」を入念にチェックし、自分自身の研究テーマが助成対象となり得るかどうかについて、対象の内容を柔軟に読み替える視点が大切です。
3 - 3.応募方法
「応募方法」は、独自のオンラインシステムを通じて提出するもの、メールで提出するもの、郵送で提出するものなど様々です。書式が変更されることも多く、様式の改変は審査対象外とすると明記している助成もあります。
必ず最新の様式をダウンロードし、記載要領も含めて丁寧に確認しておきましょう。
また、所属長の押印・サイン・承認が必要なものも少なくありません。こういった手続きには一定の時間がかかることがあり、「思わぬ落とし穴」となることがあります。
早めに応募方法をチェックし、提出期限ぎりぎりではなく余裕をもって準備を進めることが大切です。
3 - 4.助成金の使途
「助成金の使途」は、民間助成金は科研費と比較して助成金の使用用途の条件が厳しい傾向にあるため、助成元選びの際に見落とせない項目です。
例えば、科研費では研究計画の変更に関して、以下のように記載されています(科研費ハンドブックより)。
科研費では、交付申請書に記載の研究目的の範囲内であれば、振興会への申請などを行うことなく、既に実施中の研究計画を一部変更することを想定しています。ただし、あくまで当初の研究目的を達成するために効果的に研究を行う観点から適切に判断してください。
また、直接経費の使用内訳の変更についても、次のように柔軟な対応が認められています。
各項目(物品費、旅費、人件費・謝金、その他)のそれぞれについて直接経費の総額の50%(直接経費の総額50%が300万円以下の場合は、300万円まで)の範囲内で、自由に変更できます。
これに対して、民間の研究助成は「当初の計画通りにやりきること」が前提とされているため、計画の変更には高いハードルがあります。
加えて、助成金の使用用途にも比較的厳しい制限が設けられていることが多く、たとえばパソコンや統計解析ソフトなど、所属機関で整備すべき備品には使用できないと明記されているケースもあります。
申請者が本当に達成したい目的(研究の推進や環境整備など)と、助成金の趣旨や条件が一致しているかを、公募書類を丁寧に読み込みながら慎重に検討することが大切です。
そうしなければ、申請書に書いた研究内容に縛られてしまい、本来進めたかったメインの研究に十分な時間やリソースを割くことができないという状況になりかねません。
3 - 5.報告義務
「報告義務」は、助成金の受給後に求められる成果報告の方法等を示す重要な項目です。
科研費では、統一フォーマットによる報告書の提出が定められていますが、民間の研究助成では、助成元によって報告書の形式が様々です。成果報告会が開催される場合もあれば、書面による報告のみで済む場合もあります。
学会が実施する助成では、学会誌への投稿を義務付けているケースがあり、その他の団体でも、論文に準じた内容の報告書を求めることがあります。
投稿先が限定されることへの懸念や、助成額に比して報告の負担が大きいと感じることもありますが、一方で、論文執筆を後回しにしがちな(私のような)研究者にとっては、締切効果が働くというメリットもあります。
また、このように論文や論文形式の報告書を求める助成元では、優秀賞や奨励賞の選考を行っている場合もあります。Part1で述べたように、外部資金の獲得は研究者評価の一要素であり、受賞の有無もまた評価指標の一つです。
キャリア形成という観点から見れば、こうした仕組みを戦略的に活用することも決して悪くない選択だと思います。
ただし、研究時間が限られている若手研究者や実務者にとっては、報告負担の重さ次第で、その助成を選ぶべきかどうかが大きく変わるかもしれません。
このように、報告義務は助成金ごとに性質が異なり、研究者にとって負担にも追い風にもなり得ます。申請前に内容を正確に確認し、自身の研究状況や時間的リソースと照らし合わせて判断することが、後悔しない助成金選びのためには不可欠です。
3 - 6.助成金の交付
助成が決まった場合、助成金がどこに振り込まれるのかは事前に確認しておくことをお勧めします。助成元によって、個人口座に振り込まれるもの、所属機関の口座を通すもの、要相談とされているものなど、扱いはさまざまです。
大学に所属している教員の場合は、研究費の不正使用防止の観点から、個人での管理は認められていません。たとえ個人口座に振り込まれたとしても、所属先の規程に従って大学経由で管理する必要があります。
また、所属機関によっては、外部資金の受入れに際して独自の手続きや経費の取り扱いを定めている場合もあります。
そのため、交付が決まった段階で、研究支援や経理の担当部署に早めに相談しておくことが重要です。
あらかじめ確認しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
特にはじめての助成金の場合は、交付決定後に慌てないよう、申請時点で所属機関の規程を確認しておくと安心です。
ここまで「目的」「対象」「応募方法」「助成金の使途」「報告義務」「助成金の交付」について説明してきたように、助成金は金額の多寡だけでなく、目的・対象・使途・報告義務などの条件を踏まえて検討することが大切です。
それらの観点から、自身の研究の目的やスタイルに合う助成金を丁寧に探し、見極めることが、助成金選びの核心になります。
4.助成金を“逃さない”ために:今日からできる情報整理のすすめ
本記事では、民間助成金の「選び方」のポイントを、筆者自身の経験も交えながら紹介してきました。
最後に一つおすすめしたいのは、助成情報を一覧表(Excelなど)で整理しておくことです。項目は「助成名称」「目的」「金額」「締切日」「WebサイトURL」など、簡単なもので構いません。
「応募しようと思ったら締切が過ぎていた」という経験は、私自身も一度や二度ではありません。助成金に関しては、メールで情報が流れてくることもありますが、それだけに頼っていると見逃したり、時期を逸したりすることがあります。
気になる助成をこまめに検索したり、一覧にまとめておいたりするだけでも、翌年度の応募や類似助成の発見といった次のチャンスにつながります。
“自分から助成金を探し、選ぶ姿勢”こそが、継続的に研究を進めるための第一歩です。
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