100年経っても変わらない味 こびてへん黄金糖が突然バズったわけ

有料記事

岩本修弥
[PR]

 季節の変わり目で、のどが痛い。そんな時は、透き通った琥珀(こはく)色のアメちゃんを一粒ぱくり。口いっぱいに甘みが広がる。まろやかで、どこか気品も感じる昔ながらの飴(あめ)「黄金糖」が、今年10月、突然SNSでバズった。一体何が……。

 きっかけはX(旧ツイッター)に投稿された、あるユーザーの一言。

 「黄金糖めっちゃ久しぶりに食べたけど、小さくなった気がするな」

 投稿を見かけた株式会社黄金糖(大阪市住吉区)のSNS担当・穂坂貴人さんは、公式Xでこう返信した。「久しぶりにご試食いただき感謝。でも、小さくなっていません。製法も機械も、何十年も変わっていないのだから」

 このやりとりが2800万回以上表示され、11月17日時点で23.7万の「いいね」がついた。「君が大きくなったんや」など心温まる言葉や、幼き日の黄金糖の思い出を語る人たちでコメント欄はあふれた。

 同社によると、大正時代の1919年、創業者の瀬戸口伊勢松が、砂糖と水飴だけでつくった金色の飴を「金銀糖」として宮崎県で売り出したのが始まり。その4年後に堺市で会社を起こし、黄金糖に改めた。型から取り出すときに使う「離型油」を塗らなくてすむよう試行錯誤し、四角柱のような形にしたのもこの時という。

 それ以来、ずっと変わらないというが、本当はちょっとくらい小さくなっているのでは。奈良県大和郡山市にある工場を訪ねた。

 「30歳の時にこの会社に入…

この記事は有料記事です。残り1114文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません