『ぼっち・ざ・ろっく!』8巻の発売を記念して、連載当初から本作を支えてきた担当編集・瀬古口さんにDMM限定特別インタビューを実施! 『ぼっち・ざ・ろっく!』誕生の裏側やヒットの手応えを感じた瞬間、はまじあき先生との制作秘話までたっぷりお聞きしました。ここでしか読めない貴重なエピソードをぜひお楽しみください!
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ヒットの手応えはいつあった?――『ぼっち・ざ・ろっく!』誕生秘話
――単行本8巻の発売おめでとうございます。瀬古口さんは本作の連載開始からご担当されているとのことですが、『ぼっち・ざ・ろっく!』の連載が始まるまでの経緯を教えていただけますか?
担当編集・瀬古口さん(以下、瀬古口):はまじあき先生は元々芳文社に持ち込みで来られた作家さんで、その当時から私が担当していました。連載第1作目の『きらりブックス迷走中!』はきららオタクの書店員を主人公としたコメディ作品で、これもまたギャグ漫画として非常に優れていたのですが、商業的な成功は収められませんでした。先生の実力は十分に分かっていたので次回作をお願いしたところ、ちょうど先生が邦ロックにハマっていた時期だったようで、主人公がインディーズバンドをやる作品を描いてみたいという提案をいただいた……というのが始まりです。
――本作はタイトルも非常に印象的ですが、『ぼっち・ざ・ろっく!』というタイトルはどのように決まったのでしょうか?
瀬古口:はまじあき先生の場合、作品の立案はまず主要キャラクターデザイン案から始まります。そこで最初に出てきたのが後藤ひとりで、そのときからいわゆる「ぼっち」キャラであることは決まっていました。それを見た瞬間、「ぼっちがロックをやるんだね」「じゃあぼっちざろっくだね」と、私が脊髄反射で思いついたタイトルが『ぼっち・ざ・ろっく!』でした。カタカナにする案もあったのですが、編集部内で意見を募ったところ平仮名の方が良いという意見が多かったので、ひらがなになりました。
――「この作品は売れる!」という手応えはいつ頃感じましたか?
瀬古口:ゲスト扱いの第1話を乗せた時点ですでに雑誌の読者アンケートは非常に良かったのですが、明確に手応えを感じたのは正式連載開始の第4話のとき、X(旧Twitter)で投稿した「いいいいイキってすみません…」のコマがバズったときでしょうか。その後、バズリそうなコマをまとめた「ぼっちちゃんよくばりセット」という投稿も伸びたことから、ヒットの確信を得ました。あとは第1巻のメロンブックス限定版が予約ランキングで1位を取ったときなどでしょうか。
ゼロベースからの共同作業――はまじあき先生との作品制作過程
――担当編集の目線から、はまじあき先生の作風の魅力はどのようなところにあると思いますか?
瀬古口:登場するどのキャラクターも綺麗すぎないというか、ギャグをやれるだけの「汚さ」を持っている点でしょうか。もちろん良い意味で。それがキャラクターを読者から遠い存在、つまり高嶺の花にしすぎず、読者が「自分だけのキャラクター」と感じられる塩梅にしているのだと思います。そんなキャラクターたちが変顔やら時事ネタやらをぶっこんでくれば、そりゃあもう面白いですよね。
――各キャラに愛着を持って世界観にのめり込める作品ですよね。また、ストーリー展開についてもお伺いします。物語が進む「本編」的なパートと、日常シーンが描かれた「サイドストーリー」的なパートのバランスが絶妙で、テンポ良く読み進められるのも本作の魅力だと思います。はまじあき先生とは、ストーリー展開についてどのような打ち合わせをされているのでしょうか?
瀬古口:基本的に各巻で結束バンドとしての活動がある程度どこまで進むかを最初に決めて、そこに向かうまでの過程を各話に分割して今月はこの回、次の月はこの回……みたいなものを大まかに決めてあります。なので本編を進めなくてはいけない回と、そこに至るまでのさまざまなサイドストーリーを進める回のバランスが取れているのだと思います。どういうサイドストーリーを描くかについて、インディーズバンドのことをいろいろと調べて、例えばライブの前にはこういう出来事がある、というのを結束バンドに置き換えて考えています。
瀬古口:各エピソードの具体的なストーリーラインについては、掲載前月にほぼゼロベースで打ち合わせをして、先生と私の知恵を合わせて何とかひねり出している……という感じですね。
――物語が進むにつれ、登場キャラクターも増えてきました。それぞれに魅力があって目が離せない子ばかりですが、キャラクター設計については、はまじあき先生とどのような打ち合わせをされることが多いでしょうか?
瀬古口:先ほどの回答と重複しますが、基本的にはほぼ毎月ゼロベースから打ち合わせの中でお話を考えています。なので新キャラが必要そうという話が出るのもそのときですね。大まかにどういう役割のキャラクターかというのはそこで決まり、また話をしていく中でこういうキャラクターだったら面白いよねという案がいくつも出てきて、最終的にはそれを先生がキャラクターに落とし込んでネームになってくる……という感じです。あ、その前にデザインがありますが、それはもうほぼ先生のセンスにお任せしている感じです。
『ぼっち・ざ・ろっく!』今後の展開は?
――今後の『ぼっち・ざ・ろっく!』の展開について、ファンの皆様へ一言お願いいたします。
瀬古口:最新第8巻時点での結束バンドは初の東名阪ツアーが決まるなど、インディーズバンドとして着々と前に歩みを進めています。また、後藤ひとりの物語としても、いよいよ高校3年生になり、本当に中退してしまうのか、このままずるずる卒業するのか……など、いろいろな点に注目して見守っていただきたいです。
また本編以外の展開に目を向ければ、くみちょう先生によるスピンオフ『ぼっち・ざ・ろっく!外伝 廣井きくりの深酒日記』が好評連載中ですし、アニメ第2期の制作も順調に進んでいます。
瀬古口:原作・スピンオフ・アニメと、もう追うのが大変なくらいのコンテンツ量をこれからも読者の皆様に届け続けてまいりますので、『ぼっち・ざ・ろっく!』ワールドにどうかこれからもお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。
終わりに
今回は最新単行本8巻の発売を記念して、担当編集・瀬古口さんに『ぼっち・ざ・ろっく!』誕生の裏側や、はまじあき先生との制作秘話をたっぷり語っていただきました。スピンオフやアニメも含めて、今後もさらなる盛り上がりを見せること間違いなしの本作。DMMブックスでは今なら『ぼっち・ざ・ろっく!』関連書籍がお得に読めるキャンペーンを実施中です! この機会をお見逃しなく♪
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