消えミュ3Dは失敗だったと感じた話
先に書いておくが、これを書いている人間は年に数回ミュージカルを観に行く程度のただのミュージカル好きである。過去に十数年程度自身もミュージカルに携わっていたこともあるが、地方の小さな劇団でやっていた程度なので大した経歴でも何でもない。ただの趣味程度にミュージカルが好きな人間が書いていると思ってもらったらいい。
昨夜、にじさんじのライバーが行う、消える3Dミュージカル歌枠を見た。
前述の通りミュージカルは好きで、Vtuberも好きなので以前から消えミュは積極的に見ていた。なんなら今季の公演のために有休も使ったし、なんといっても今回は3Dということで告知があった日から指折り数えてこの日を待っていたと言っても、まあ、過言ではない。
結論的に言えば、3Dでやったのは間違いだった、という感想だった。
3Dカラオケという表現で想像されるカラオケセットで、出演者たちが合いの手やなんやかんや入れながら騒いでるだけのカラオケ配信ならまだよかったんだと思う。
ただ、今回彼女らが立ったのはそれなりの規模の劇場を模したステージで、なんとスモークや雪やなんやかんやの演出もあり、歌うタレント以外は袖にはけ、まるで本当のミュージカルのような見せ方をした。
これが、よくなかった。観客は相応のものを期待するからだ。
2Dの時でさえ同接4万人を超える人気の配信なのだから、3Dの盛り上がりは事前に想像できただろうし期待値だって高かっただろう。
だけど、期待を超えるクオリティではなかった。そう思った。
包み隠さず書く。
ミュージカル部の発起人であるはずの東堂コハクさんの歌が、本当にひどかった。
ピッチは安定せず、高音のロングトーンはぶるぶると震え、聴けたものではなかった。ソロでさえ聴くに堪えないのに、デュエットや4人での歌唱なんて悪目立ちがすぎる。美しいハーモニーになるはずの歌声が不協和音としてこちらに届いた。
もちろん見ていて彼女が本当にミュージカルが好きなのは伝わってきたし、ステージに立つことを楽しんでいることも伝わってきた。ダンス部もやっている彼女はふとした動きにそれなりの意図を含ませるのが上手いなと感じさせられたし、なるほどやりたいことはわかると受け取れることができた部分もあった。
でも、好きならはき違えないで欲しい。ミュージカルは成長コンテンツではない。
完成品を求め、中途半端なものは要らないとされる業界である。複数公演通い詰める熱心なファンもいるが、それは毎公演の味付けの差を楽しんでいるのであって、良し悪しを観に行っているわけでは決してない。
ピッチがあっていない歌は人を感動させることはできない。安定感のないロングトーンは心を不安にさせるだけだ。
それでも一人の俳優を追いかけ続けその花咲く姿を楽しみに観続けるファンだってもちろんいる。その認識はある。でも、東堂コハクさん、2年もやっているのに、2周年と銘打って3Dで演るのに、そのレベルなんですか。
厳しいことを承知で書くが、あのステージにあの歌声は相応しくない。せいぜい体育館の舞台レベルだ。部活動を名乗るのだからそちらのほうがよっぽど合っている。
そもそもLIVEを銘打てない時点で察するべきだったのだろうが、ここまで落胆させられるとは思わなかった。3Dとはいえ、所詮は歌枠か。そういう感想しか持てない。
こんなことなら広告も切って、スパチャだってオフにして欲しかった。本当はチケット代のつもりでスパチャだって送るつもりだったけれど、彼女にお金を払いたくなくてやめた。
演出は頑張ったんだと思う。グッズのデザインだってそう。ミュージカルを観に行ったときに売っているグッズをイメージしたデザインにした。わかる。自分も買ったことがある。
あんなに待ち望んだグッズも、今は出なければよかったと思っている。それぞれにファンのいる人たちのグッズだ、受注だしランダムもない。きっと売れるだろう。
だけど、こんなこと思いたくないけれど、売れなければいいのにと思っている。このクオリティのコンテンツに数字を出して欲しくない。
同接もそれなりの数字を記録し、グッズの売り上げが上がれば、今後さらに大きな舞台になっていく可能性だってある。ミュージカル組というユニット名を掲げてグッズまで出したのだからその未来は当然あるだろう。社長もミュージカルをやりたいと話していたらしいし。(出典は控える。)
だけどもしそうなったとき、またがっかりしなきゃいけないのかと思うと、苦しい。
努力を結果として見せて欲しい。ボイトレだって行って欲しいし、圧巻のパフォーマンスを見せて欲しい。恒例コンテンツにするなら、他の人も巻き込んでやるなら。
ミュージカルが好きで、歌いたいなら。
演出やステージや共演者に見合う自分になる努力をして、結果として見せて欲しい。
声質的な話をするなら、きちんと腹筋つけて体幹を鍛えればもっと伸びは出るだろうし、中音域の歌だって歌いこなせるようになると思う。高音のロングトーンを美しく儚く歌い上げることだってきっとできる。
好きになりたかった。感動したかったし、グッズだって喜びたかった。
だけど今、消える歌枠でよかった。アーカイブが残らなくてよかったと思っている。
本人が拭い去ってくれるまでこの虚無感は残る。かけられた呪いは重い。


以降は返信しません。 ここには書かなかったことも含め、意見は公式の問い合わせにもう送りましたのでこれ以上言いたいことはありません。
これって無料配信なんだよね?お金払っててその金額に見合わないとかならまだわかるけど、無料のものにわざわざ個人名出して批判するのはちょっとやりすぎなのでは…?
広告がありスーパーチャットも投げられる状態でグッズも出ました。無料で済まされる枠はとうに超えてますよ。