【関鉄グリーンバス】鹿行北浦ライン/延方駅

鹿行北浦ライン
 潮来・行方広域バス「鹿行北浦ライン」は、道の駅いたこ~水郷潮来バスターミナル~潮来駅~延方駅~レイクエコー・白浜少年自然の家・なめがたファーマーズヴィレッジ中央~麻生庁舎~あそう温泉「白帆の湯」を結ぶ、全長67.4kmの路線だ。1日6往復で、朝夕は潮来駅発着、麻生庁舎発着、レイクエコー止まりの区間便が設定されている。鹿行地方では複数の自治体が連携した自治体バスが運行されている。一部を除いて交通系ICカードが利用できる。全区間200円均一運賃で。交通系ICカードが利用できる。所要時間は約1時間15分で、200円で乗り甲斐がある。定期券・回数券は発売していない。
 路線の大部分は、かつて関鉄グリーンバスが運行していた鉾田駅~北浦庁舎~繁昌~麻生庁舎~牛堀支所~潮来駅~潮来車庫線などの廃止区間を運行している。北浦湖畔沿いを走るとともに、北浦と霞ヶ浦を結ぶ路線形態となっている。地域住民、レイクエコーや「白帆の湯」利用者、麻生高校の通学生など様々な層をターゲットとしているようだ。水郷潮来バスターミナルでは高速バス、潮来駅と延方駅では鹿行広域バス「神宮やめ白帆ライン」(麻生庁舎~ショッピングプラザ ラ・ラ・ルー~潮来駅~水郷潮来バスターミナル~道の駅いたこ~延方駅~鹿島神宮駅から小山記念病院~チェリオ・イオン)との乗り継ぎ接続を図っている。
 平成28年5月21日に試験運行を開始した当初は、「潮来・行方・鹿嶋地域連携バス」として、潮来駅~水郷潮来バスターミナル~道の駅いたこ~延方駅~レイクエコー~北浦大橋東~鹿島大野駅を結んでいたが、レイクエコー~鹿島大野駅間は利用者が少なく、平成31年3月31日をもって運行を終了し、翌4月1日から「白帆の湯」乗り入れに再編された。これにより、鹿嶋市への乗り入れはなくなった。
 途中の「レイクエコー・白浜少年自然の家・なめがたファーマーズヴィレッジ中央」の停留所名が長いので、行先表示器などは「レイクエコー」と表記している。このうち、「らぽっぽ なめがたアーマーズヴィレッジ」は、平成25年3月で廃校となった行方市立大和第三小学校のリノベーションを行い、平成27年にオープンした体験型農業テーマパークだ。
 終点のあそう温泉「白帆の湯」は、日帰り温泉と併設して、地場野菜や名産物などを販売するコーナーとカフェスペースが併設された「コテラスマルシェ&カフェ」がある。「白帆の湯」は国民宿舎白帆荘の隣に、平成15年4月にオープンした。麻生町営の国民宿舎白帆荘は昭和32年7月31日に開業し、平成19年3月31日に閉鎖された。施設は解体され、跡地には平成25年4月に「コテラス」が開館した。霞ヶ浦に面しており、近接する「風の塔」(1階は公衆トイレ)からは湖岸が一望でき、筑波山も見ることができる。天王崎は、霞ケ浦の水質汚染が問題となる昭和40年代まで、海水浴場として賑わっていたという。
 「白帆の湯」の裏には八坂神社が建っている。八坂神社の通りを挟んで、三松タクシーの本社営業所がある。ここにタクシー会社が所在しているのは意外だ。なお、同社は日産セドリックに統一されている。麻生地区はもとより、行方市は鉄道がなく、バスも充実しているわけではないので、通院や買い物にタクシーが欠かせない存在だ。なお、同社では市内の貸切バス事業者や他のタクシー事業者とともに、行方市営路線バスの運行を受託している。
 麻生庁舎~あそう温泉「白帆の湯」(天王崎)間は、「神宮やめ白帆ライン」と並行しており、麻生庁舎停留所については稿を改めたい。
 関鉄グリーンバスの鉾田営業所が担当している。関東鉄道潮来営業所でなく、関鉄グリーンバスが担当しているのは、「白帆の湯」への送り込みを行う鉾田営業所が近いからであろう。正面行先表示にアヒルのイラストが入るなど、LEDならではのユニークなデザインを採用している。
 「鹿行北浦ライン」は2運用あり、現在はいすゞPDG-LR234J2がメインとなっているものの、大型車のいすゞKL-LV280N1などが入ることもある。かつては三菱KK-MJ26HFをメインに使用していた。
 写真のいすゞPDG-LR234J2は関東鉄道導入車で、つくば北営業所へ配置され、「つくバス」用としてオリジナル色を採用していた。社番は「2019TK」、登録番号は「土浦200 か 330」だった。令和3年に一般色へ変更のうえ、関鉄グリーンバスに移籍し、社番は「2019G」、「水戸200 か 22-31」に変更されている。「2020TK」(土浦200 か 331)も同時に移籍し、「2020G」(水戸200 か 22-32)となっている。
DSC_0484.JPG↑あそう温泉「白帆の湯」で発車待ち
DSC_0476.JPG↑「白帆の湯」のポール。左が「鹿行北浦ライン」。複数の路線が乗り入れる
DSC_0608.JPG↑北浦湖畔
DSC_0475.JPG↑風の塔
DSC_0458.JPG↑八坂神社
DSC_0600.JPG↑八坂神社前にある三松タクシー。全車が日産セドリックに統一
DSC_0646.JPG↑潮来駅で待機中のいすゞPDG-LR234J2
CSC_0563.JPG↑正面の行先表示はアヒル入り
乗車証明書.jpg↑降車時に運転手からいただいた「乗車証明書」。乗車した車両は、イラストと同じいすゞエルガだった
延方駅
 「鹿行北浦ライン」の帰路、途中の延方駅で降車した。JR鹿島線で延方駅を利用したのは初めてで、このような機会でもなければ利用することもない。
 駅前広場には「鹿行北浦ライン」と、先述した鹿行広域バス「神宮あやめ白帆ライン」が乗り入れる。タクシープールはなく、高架下に乗り場が設けられている。いまなき、関東鉄道の鹿島線(香取神宮~佐原駅~潮来車庫~鹿島バスターミナル)の延方停留所は国道51号線で、駅前広場に乗り入れていなかった。整然とした駅前は人通りがほとんどないものの、延方郵便局、佐原信用金庫延方支店がある。
 延方駅は昭和45年8月20日の鹿島線開業以来、変化はない。当初から無人駅で、高架下に駅舎はなく、簡易Suica改札機、乗車証明書発行機、待合室、トイレが設置されている。プレハブの出札窓口兼事務所があるものの、もっぱらシャッターが閉まっており、使われる機会は少ないと思われる。菅理駅である鹿島神宮駅の社員も、駅常備の軽ワゴン(スズキエブリィ)で巡回に来るのであろう。階段は両方向にあるものの、待合室・トイレがある鹿島神宮側の階段は柵があって通行できない。開業前から利用者が少ないと見込んでいたようだ。出入口もホームも、自動販売機やごみ箱は設置されていない。自動販売機は売れることが見込めないし、ゴミ箱は不法投棄される恐れがある。
 高架駅ならではのコンクリートむき出しの無機質で、温かみはない(数少ない利用者は、そのようなものを求めていないであろう)。乗降客が少ないこともある。取材当日に乗車した12:34発の鹿島神宮行は、降車客が4人、乗車したのは小生を含めて2人だった。もっとも、鹿島線の利用者自体も減少傾向で、JR東日本の「路線別ご利用状況」によると、昭和62年度の2,549人に対して、平成28年度は1,171人、令和2年度は962人となっている。最近は鹿島サッカースタジアム駅利用者が多く占めているであろう。東京方面へは、水郷潮来バスターミナルの駐車場まで車で行って、高速バス「かしま号」に乗り換える人が多いようだ。あるいは、家人などに車で潮来駅まで送ってもらい、高速バス「さわら・いたこ・あそう号」に乗車する方法もある。
 構内は1面2線の島式ホームで、1番線側が直線となっており、列車交換がない場合は1番線を使用する。定期列車で列車交換を行うのは、朝と夜間のみ。貨物列車は1番線を通過する。安全側線もある。ホームの有効長は6両だが、貨物列車が通過することから有効長が長く、11両編成まで入線できる。鹿島サッカースタジアムでの試合開催日の臨時列車の運行も想定している。日本鉄道建設公団がAB線(地方における開発等のための鉄道)として建設を進めてきただけに、高架橋をはじめ、駅施設も立派である。ただし、線路は木枕木となっている。成田空港燃料輸送の使命を担っていた。
 現在、普通列車は2両編成(E131系)または4両編成(E217系及びE235系)だが、かつての特急「あやめ号」が乗り入れていた名残りで(末期は佐原~鹿島神宮間普通列車)、ホームに6両の停止目標がある。両方向に出発信号機があり、異常時は折り返すことができる。東日本大震災で北浦橋りょう(全長1,236m)が損傷した際も、佐原~延方間で折り返し運転を行った。北浦橋梁で風量規制となった場合は、延方で折り返すことなく、全区間運休してしまう。
DSC_0489.JPG↑延方駅と「鹿行北浦ライン」
DSC_0498.JPG↑駅の出入口
DSC_0497.JPG↑待合室と使用されていない階段
CSC_0615.JPG↑潮来方面を望む。「駅長」はもとより、駅員もいない。11両の停車目標と貨物列車の停止目標が設置

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