東京高裁が逆転勝訴、332万支払い命令と不正の実態

東京高裁が逆転勝訴

開催日:6月26日

東京高裁が逆転勝訴
今回の裁判で何が決まったの?
東京高裁は2025年6月26日に地裁判決を取り消し、蝶屋に対し332万2,966円と延滞金の支払いを命じる逆転勝訴を言い渡しました。公表は11月14日です。
寄付金の不正はどれくらいの規模だったの?
再監査で寄付金口座から理事会承認なしに少なくとも3,700万円が複数回出金されていたことが判明。併せて襦袢240枚の不正仕入れも認定されました。

東京高裁が認定した逆転勝訴の要旨と公表の時期

一般社団法人イマジンワンワールド(以下「当法人」)は、前代表理事である髙倉慶応氏(以下「高倉」)が経営する蝶屋株式会社(福岡県久留米市、呉服店「きもの蝶屋」)に対して立替金の返還を求めた訴訟で、令和7年(2025年)6月26日に東京高等裁判所で逆転勝訴の判決を得たと、2025年11月14日22時10分に公表した。東京高裁は地裁判決を取り消し、蝶屋に対して332万2,966円および延滞金の支払いを命じた。

本件の公表は判決内容の精査および内部手続の整理を経て行われており、11月15日の「きものの日」を控えた時期に合わせて発表された。報道資料では、当法人代表理事は手嶋信道氏、代理人弁護士は篠田貴和氏であることが明示されている。

公表日
2025年11月14日 22:10
判決日
令和7年6月26日(2025年6月26日)
原告
一般社団法人イマジンワンワールド(代表理事:手嶋信道)
被告
蝶屋株式会社(代表取締役:髙倉慶応)
命じられた支払金
332万2,966円および延滞金
11月15日〈きものの日〉に寄せて【東京高裁判決】前代表・高倉慶応による不正取引をめぐる裁判でイマジンワンワールドが勝訴 画像 2

取引の実態と不正と判断された点

当法人の再監査および調査によって明らかになった取引の実態が、訴訟の中心事実である。高倉が代表理事を務めていた期間(2014年8月〜2019年8月)に、理事会の決議を経ることなく蝶屋から多数の襦袢を仕入れ、当法人の資金が流出したとされる。

東京高裁はこれらの取引の一部を違法な利益相反取引として認定した。以下に、プレスリリースが列挙する具体的事実を整理する。

仕入れ取引の詳細

高倉は当法人と蝶屋との間で、名義上「長襦袢」とされた商品のうち240枚を仕入れる契約を締結し、代金を支払ったとされる。しかし、実際に納品されたものは以下の点で問題があるとされた。

  • 身丈が背中までしかなく、長襦袢とは呼べない「半襦袢」であった。
  • 納品書や取引書類では正絹(100%絹)製とされていたが、実際には絹が一部にしか使用されていなかった。
  • 240枚の大口仕入れに際し、相見積もりを取らず、当初から蝶屋との取引を前提に選定されたことが確認された。

当法人の組織運営に関しては、関係するメンバーが全員ボランティアであることが明記されているが、そうした組織体制であることにもかかわらず高倉は理事会の正式決議を得ずに自己の経営する蝶屋を用い、利益をあげていた点が問題視された。

寄付金からの出金(横領の発覚)

さらに2019年に当法人の寄付金口座から、理事会の承認を得ないまま複数回にわたり少なくとも3,700万円が出金されていたことが明らかとなった。これらは寄付金口座からの不正出金として認識され、高倉はその行為を認めたため代表理事を解任・退社した。

これらの事実は、取引の形式的な書類や名義だけではなく、実態が乖離していた点、取引相手の排除や相見積もりの欠如、寄付金の着服といった複数の問題が重なり合うものであった。

組織再建の過程と法的手続き

高倉の退任後、当法人は総会・理事会で手嶋信道を満場一致で新代表理事に選任した。新体制は組織の健全化に向けて複数の措置を講じ、再監査を含む内部手続の整理を実施した。

内部での対立や不正登記の企ても発生した。高倉の意向を受けたとされる自称理事・八子由理子(やこ ゆりこ)が当法人の乗っ取りを図ったが、手嶋は八子を代表理事と認めない仮処分命令を取得し(高等裁判所も支持)、法務局への不正登記を防止する申立てを行った。社員有志による社員総会の結果、八子は解任されて退社した。

  1. 2019年:寄付金口座からの不正出金が発覚。高倉が行為を認め、代表理事を解任。
  2. 退任後:手嶋信道が代表理事に選任。
  3. 八子による不正登記企図に対し、仮処分等の法的手続きを行い、不正登記を阻止。
  4. 再監査により設立時まで遡る監査を実施し、蝶屋との利益相反取引の実態を把握。
  5. 不足分の取り戻しと信頼回復を目的に、裁判手続きを選択。

組織は透明性と説明責任を重視し、法令に則した対応を続ける姿勢を示している。また、高倉・八子らが関与したその他の不正行為についても、引き続き必要な調査と適正な対応を行う旨が表明されている。

KIMONO PROJECTの理念と今回の訴訟の位置づけ

イマジンワンワールドは「KIMONO PROJECT」を通じて、世界の国・地域と難民選手団をモチーフにした213着のKIMONOを制作し、相互理解と平和のメッセージを発信してきた。製作費は1カ国につき200万円、総額4億円以上が寄付で賄われ、その全額が制作者に支払われる方式で運営されている。

今回の訴訟は、プロジェクトの資金が適正に使われ、寄付の趣旨が守られることを確保するための法的手続きという位置づけになる。プロジェクトの概要は以下の通りである。

  • 制作内容:世界すべての国・地域と難民選手団をモチーフにした213着のKIMONO(振袖・帯)を制作。
  • デザイン:各国の大使館にヒアリングを行い、その国が大切にする自然・文化・歴史をデザインに反映。
  • 制作:日本各地の著名な着物作家や職人に制作を依頼。
  • 制作資金:1カ国につき200万円、総額4億円以上を寄付で集め、その全額を制作者に支払う。メンバーは全てボランティア。
  • 相互理解:KIMONOを通じて文化理解を深め、平和のメッセージを発信。東京オリンピック、パリオリンピック関連イベント、ラグビーワールドカップ、G7、G20、TICAD7、国連75周年などの場で披露。

公式情報や各国の着物一覧については、当法人の公式サイトおよびプロジェクトページが参照可能である。公式サイト:https://iow.or.jp、着物一覧:https://kimono.piow.jp/kimonolist.html

関連する事件の記載

プレスリリースは、今回判決の個別認定部分以外にも、髙倉が関与したとされる複数の問題点を列挙している。具体的には、着物隠匿やコピー品製作・売却の自白、謝罪文の公表・退任の経緯、八子由理子による文書隠蔽・改ざんおよび不正登記申請の企図などが挙げられている。

当法人はこれらについても必要な調査と対応を続ける旨を示しており、今回の東京高裁判決はその一歩として位置づけられている。

要点整理(表)と締めの説明

以下の表は、本件に関する主要な事実、日付、当事者、金額、主要な組織対応およびプロジェクト概要を整理したものである。これにより本文で示した情報を俯瞰できるようにしている。

項目 内容
公表日 2025年11月14日 22:10
判決日 令和7年6月26日(2025年6月26日)
原告 一般社団法人イマジンワンワールド(代表理事:手嶋信道)
被告 蝶屋株式会社(代表取締役:髙倉慶応)
裁判結果 東京高裁が地裁判決を取り消し、蝶屋に332万2,966円および延滞金の支払いを命じる逆転勝訴
争点の要旨 代表理事の立場を利用した理事会決議のない取引(240枚の襦袢仕入れ)および寄付金口座からの不正出金(少なくとも3,700万円)など
組織対応 代表交代(手嶋信道選任)、再監査、仮処分による不正登記阻止、社員総会での八子解任
KIMONO PROJECT 213着のKIMONO制作、1国当たり200万円、総額4億円以上を寄付で調達し制作費を支払うプロジェクト
公式情報 https://www.iow.or.jp/post/20251115、公式サイト: https://iow.or.jp
問い合わせ先 info@iow.or.jp

本件は、当法人が過去の不正を是正し、寄付金の適正な運用と組織の信頼回復を図るために司法判断を求めた事案である。東京高裁の判決は、不正の一部を法的に認定したものであり、当法人は引き続きその他の疑義に対しても調査と対応を進めるとしている。公式情報や詳細は当法人の公開資料および上記のウェブリンクで確認できる。

参考リンク: