転職したけど、人生の選択として間違えだったと気づいたら
どーも、西村です。
この記事に辿り着いた人は、
「今回の転職は失敗だった」
「仕事を(会社を)選び間違えた」
という苦しさの渦中にいるのではないでしょうか。
朝、職場に向かう電車の中。
前職の同僚が投稿しているSNSを、つい見てしまい、
「あのまま続けていた方が、よかったのかもしれない」
なんて思いが、じわじわと胸を占領していっていたとしたら。
それはちょっと苦しいですよね。
じゃあ、「転職を間違えた…」と感じたらどうすればいいのか?
最初にお伝えしておきたいことがあります。
それは、転職の“後悔”は、「選択ミス」ではなく、「理想とのギャップ」に気づいた証だということです。
そして、その気づきこそが、本当の意味での“キャリアのスタート地点”になります。
多くの人は転職をするとき、「今の不満」から逃れることにばかり意識が向いてしまいがちです。
たとえば、上司が合わない、仕事量が多い、評価されない、人間関係が疲れる、などなど。
もちろん、それらは決して軽視できない要素です。
しかしその裏で、「新しい環境に行けば、すべてが好転するかもしれない」などという『(気づかぬうちに)理想への期待値が大きく膨らんでしまう傾向』があることも、忘れてはいけません。
私たちは、「この選択が正しかった」と思いたいがために、新しい職場に過剰な期待を寄せてしまうのです。
そして現実がそれに追いつかないとき、「この選択は間違いだった」と一気に反転して自己否定に走ってしまう。
結果として、転職の失敗で苦しむ多くの人が、“間違えた自分”を責めるのではなく、“期待していた自分”に裏切られたような気持ちを抱えているのだと、私は感じています。
あるクライアントの話をご紹介します。
30代半ばで、広告代理店から事業会社へと転職された方の話です。
「もっと裁量があって、自分のアイデアを活かせると思った」
そう語っていた彼女は、半年後にこうこぼしました。
「蓋を開けてみたら、全体の調整役ばかりで、やりたかった“創る仕事”ができない。今思えば、前の会社の方がよっぽど自由でした。どうしてあんな大きな決断をしてしまったんだろうって、毎日後悔ばかりです…」
私は彼女に、こんな問いを返しました。
「じゃあ、“戻れる”としたら、戻りたいですか?」
少し黙ってから、彼女は言いました。
「……それも違う気がしていて。前の会社に戻っても、“あのとき辞めようと思った自分”がまた現れる気がするんです」
これが、まさに「転職の後悔」が生む、二重の罠です。
今の場所は失敗だった。
でも、前の場所にも戻りたくない。
じゃあ私は、一体どこにいけばいいんだろう…。
この“居場所の喪失感”が、何よりも人を追い詰めるのです。
ですが、ここで視点を変えてみてほしいのです。
“今いる場所を間違えた”のではなく、“自分がどんな場所でどんなふうに働きたいかが、まだ明確になっていなかった”だけなのではないか?
転職は、ゴールではありません。
人生の正解探しでもありません。
むしろ、“自分が何を大切にして働きたいのか”を知っていくためのプロセスです。
つまり、今回の転職がたとえ「失敗だった」と感じたとしても、それは「この方向では、自分は満たされない」と知る大事な経験だったのです。
知人に、3回転職を重ねて、ようやく今の職場に落ち着いた人がいます。
彼はこう言っていました。
「転職って、“見極め力”が育っていくんです。最初の転職は逃げ。次の転職は理想の追求。でも今は、“自分に合う働き方とは何か”を軸に考えられるようになった。だからようやく、落ち着けた気がします」
これはまさに、キャリアにおける“自己理解の深まり”です。
私たちは、職場環境に求めることが日々変わっていきます。
体力、価値観、ライフステージ、人間関係。
それらが変わるごとに、「働く理想」も更新されていく。
だからこそ、“一度の転職で理想をすべて満たすこと”を期待しすぎる必要はないのです。
では、もし今の職場で苦しんでいる場合に、これからできることは何でしょうか?
私はこう提案します。
「今の職場を“間違いだった”と切り捨てずに、“この職場で気づいた自分の大切な価値”を洗い出してみること」です。
たとえば、
・チームで話すより、ひとりで集中できる時間が欲しい
・人の顔色を気にしないで済む環境が心地いい
・柔軟な働き方ができるかどうかが、案外いちばん重要だった
・誰かに評価されるより、自分で手応えを感じられる仕事が合っていた
こういった自分の価値観や適性がわかる情報を拾い集めること。
それが、次の転職先や仕事を選ぶときの“基準”になります。
最後に。
転職が間違いだったと気づいたことは、人生において失敗ではありません。
それはむしろ、“生き方を丁寧に選び直そうとしている証”です。
どんな選択であっても、それを意味あるものにするかどうかは、選んだ“あと”の自分にかかっています。
どうか、今日ここから。
「間違えた」と思ってしまう自分を責めずに、「ここから何を学べるか」に目を向けてみてください。
その視点の転換が、あなたのこれからのキャリアに、静かで確かな光を灯してくれるはずです。
それでは、今回はこの辺で。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
P.S.
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