50代になってこれまでの人生間違えたと思ったら
どーも、西村です。
気づけば50代。
人から見れば、ある程度のキャリアや家庭があるように映るかもしれない。
でも、心の奥ではふと、こう思ってしまう。
「この人生、本当にこれでよかったんだろうか…」
「もっと別の選択をしていたら、もっと幸せになれたんじゃないか…」
そんな後悔が、誰にも言えないまま、じわじわと胸に広がっていく。
朝の通勤電車の中で。
週末、静かな部屋にひとりでいるときに。
人の幸せそうな話を聞いたあとに。
もし、50代になってこれまでの人生間違えたと思ったら、どうすればいいのでしょうか。
先に結論をお伝えします。
「間違えた人生」なんて、実は存在しないのです。
あるのは、“その時の自分にとっての最善”を積み重ねてきた、あなただけの歩みだけです。
とはいえ、そう言われても簡単には納得できないことも、よくわかります。
・仕事の選び方を間違えた
・結婚や家族との関係に納得できていない
・もっと挑戦しておけばよかった
・誰かに合わせすぎた人生だった気がする
50年という時間の重みがあるからこそ、後戻りできないことの多さが、重たくのしかかる。
でも、どうか思い出してほしいのです。
「それが正解だったかどうか」は、いつだって“その後”にしかわからないということを。
たとえば、私の知人の話です。
彼は20代で一流企業に入り、順調なキャリアを築いていました。
結婚も早く、家を持ち、家族もいた。
いわゆる「成功した人生」を歩んでいるように見えました。
しかし、50代になったある日、こう話してくれたのです。
「振り返ってみたら、人生の大きな節目って、“選びたかった道”よりも、“選ばざるを得なかった道”ばかりだったんだよね」
“そのときにできる選択”しかできなかった自分。
“断られるのが怖くて挑戦しなかった”過去の自分。
“家族のため”を言い訳に、自分を後回しにしてきた年月。
そのどれもが、今になって重たくのしかかってきて、彼は「人生、間違えたのかもしれない」と、静かに苦しんでいたのです。
ですが、彼はそのあと、あるひとつの問いに出会って、人生が少しずつ変わっていきました。
その問いとは、
『今の自分が、これからどんな生き方をしたら納得できるか？』
でした。
過去の選択はもう変えられない。
だからこそ、「これからの選択をどう変えるか」に意識を向ける。
それだけで、人生はゆっくりと軌道を変えていくのです。
心理学には、「未来志向的思考（prospective thinking）」という言葉があります。
人は“過去の後悔”にとらわれているときよりも、“未来にどうなりたいか”を具体的にイメージできたときのほうが、幸福度も行動力も上がるといわれています。
つまり、「あのときこうしていれば…」という思考は、「じゃあこれからどうする？」という問いに変えることで、人生を再び動かす力に変わるのです。
50代という年齢は、確かに“折り返し地点”かもしれません。
でも、折り返しは“終わりに近づく”ということではなく、“これまでの人生を踏まえて、自分らしい選び直しができるタイミング”でもあるのです。
ここで、別の方のエピソードをご紹介します。
長年専業主婦として家庭を支えてきた女性が、50代を迎えてこう話してくれました。
「子育ても終わって、ふと立ち止まったとき、“私、誰のために生きてきたんだろう？”って思ったんです。自分の人生って、なんだったんだろうって」
しかしその後、ずっとやりたかった絵を描くことを始めて、地域のイベントで展示したところ、たくさんの人から「温かい絵ですね」と声をかけられた。
そのとき、
「あ、これが私の人生なんだ」
とようやく思えたそうです。
この変化は、“過去をなかったことにする”のではなく、“過去を含んだうえで、これからの時間に意味をつけ直していく”ことによって起きました。
そして、もうひとつ大切なのは、「今の自分の感情に、素直になること」です。
後悔があるなら、そのまま認めてあげてください。
悔しさがあるなら、否定せずに感じきってください。
感情を無理に上書きせず、「そうだったんだね」と言ってあげることが、人生をやり直すうえで、一番大切な“第一歩”になるのです。
なぜなら、人は“気づかれなかった悲しみ”を引きずり続けるからです。
その悲しみに自分自身が気づいてあげることが、ようやく“次に進む許可”になるのです。
あなたがこれまで積み重ねてきた時間には、たしかに後悔もあるかもしれません。
でも、それ以上に、「あのときなりに頑張ってきたあなた」もいるはずです。
そのことに、どうか目を向けてあげてください。
最後に。
50代になって、「人生を間違えたかもしれない」と感じるのは、“今こそ、自分の人生を自分のものにしたい”という願いの裏返しなのだと思います。
だから、それは“終わり”ではなく、“始まり”です。
これまでの選択も、後悔も、全部抱えたままでいい。
そのうえで、「これからの私」を、もう一度選び直していいのです。
時間は、思っているよりも残されています。
人生は、いつだって書き直せます。
だから今日から、少しずつ。
これまで我慢してきたことを、ひとつずつ“やってあげる”ことから始めてみてください。
それがきっと、「間違えた」と思っていた人生を、「ようやく自分のものになった」と思える未来へ、静かにつながっていくはずです。
それでは、今回はこの辺で。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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