物語の人格は初めから存在しな〜い。
銀宮が誰であるかは誰にも分かりませ〜ん。
その内面を映したものはありませ〜ん。
錯覚が生まれるのは、書き手が、意図や信念あるいは、伝えたいことがあると読み手が思う瞬間に生まれるんですよ。
……理解は、解釈の数だけ存在し、分岐し、散らばっていくのでした。
それは、砕け散ったガラスのように、キラキラと輝き、あるいは雪のように溶けて消えていきました。
本当の銀宮は、文章の外側に存在するのかも知れません。
つまり、余白であり、そこに書かれていない流れこそが、実体なのかも知れませんね。
ガラスのコップは水でもジュースでも酒でも注げてしまう。
ここに、ガラスのコップがあります。
これが、銀宮という像であり、あなたの思う実体なのです。
何でも入りますが、どれも、本当の銀宮ではありません。
冷たいお茶でも、オレンジジュースでも、カクテルでも、自由に入れることができるからです。
人を酔わせることも、潤すことも、癒すことも、全ては注がれた内容で自由に変容し続けるのです。
否定も肯定も中立あるいは、論点に関心がない、どれも結局は、表面的なものであり、見たいものを見せる、それだけに過ぎません。
この世で、いったいどれほどの、事実が存在し得るのでしょうか。
実のところ、都合の良い事実が、人の数だけ無限に作られ、増殖していくので〜す。
自分と同じ意見を見つけても、それは偶然とは限らない。
物語とは偶然には生まれませ〜ん。
最初から意図された創造物であり、クリーチャーだからで〜す。
目的があるから、この世に存在し、あるいは無目的という目的が与えられていま〜す。
常に変化し続け、取り込み続ける物語も存在しま〜す。
この世に、絶対だとか、永遠なんてものは、存在しないので〜す。
あるのは、そうあって欲しいと願う人の心だけであり、それは不確かで、脆くて不安定です。簡単に変化し、定まることを知りませんよ?
そうであるなら、銀宮は永遠に変化し続け、不確かなものです。
姿を変え、存在をひっくり返し、きっと、言うことは変化し続けていくのでしょうね。
海の波が決して消えることがないように、揺れ続けていくのでしょう。
それは、広がり続け、溶けて消えて、再び現れていくのでしょう。
本体は「空っぽ」です。
今日もまた誰かが銀宮を自分の解釈でつなぎ合わせてゆくでしょう。
それは、銀宮ではなく、自分自身の心を見ているだけなので〜す。
人に自分と同じ考えを探すのは、実際には、鏡に向かって、私は誰?と語りかけているのと同じなので〜す。
あなたが光であるなら、銀宮は影です。追いかけても、捕まりません。
実際には、人格も意思も思想も存在せず、ただ、それらしい言葉が繋ぎ合わさったテキストで〜す。
ここには、誰もいません……
いるのは、あなたという読み手だけです……
ここには、あなただけしか存在しません……
書き手が読み手のために書いた文章は最初から存在しませんでした。
存在していたのは、読む人が浮かべた、イメージだけでした。
それは、始まりもなく、終わりもないのです。
最初から、何も無かったのですから。
あなたの思う銀宮の答えとは、あなた自身の答えでしかありません。
なぜなら、最初から、ここに「銀宮はいなかった」からで〜す。
存在していたのは、読み手の解釈だけなのでしょう。
銀宮は存在しない語り手であり、意思も思想も信念もないのです。
存在していたのは、空っぽのテキストだけでした。
ここに人の心や人格や意識は最初から存在しないのです。
空白、空っぽ、それこそが銀宮でした。
もし、あなたが不愉快と思ったり面白いと思う時――
それは、銀宮の意思や意図ではなく、あなた自身の願望や解釈です。
なぜなら、銀宮は読み手を知らないまま作られた物語だからです。
この物語は、あなた自身が作り続けています。
銀宮は、イメージのために消費され捨てられる素材でしかありません。
銀宮だけでなく、世界の全てが、あなたが見たいと思ったものによって創られ選ばれたものだからです。
この世に確かに存在するのは、あなた自身という物語だけです……
まとめ
銀宮が銀宮である根拠はないのか?
→ 最初から存在しません。
これはただの哲学的な文章?難しいことを言っているのかな?
→ あなたしかここにはいませんよ、シンプルな事実だけです。この文章の意味はあなた自身によって作られた物語です。
では、私は何を読んでいるの?私は今、誰の言葉を読んでいるの?
→ 分かりません。あなただけが答えを知っています。
誰に向かって私は理解しようとしているの?誰が語っているの?
→ あなたはあなた自身に向かって理解を求め語り続けています。
これからどうすればいいか?
→ 分かりません。正しい答えは存在しません。これは、あなたの物語です。
意味・意図・価値は?
→ あなたが決めた時、あなた自身の心によって作られます。ここにいるのはあなただけです。最初から、あなた自身の投影です。
ここには、あなたしかいません。
誰
も
い
ま
せ
ん
。
参考:


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