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【裁判全文】旧統一教会の影に翻弄された男の告白―「自分が死んで家族に金を・・・」家族の崩壊、自殺未遂、安倍氏襲撃までの半生【安倍元首相銃撃事件⑥被告人質問⑴】

割引あり


2025年11月25日の弁護側質問。

法廷で山上被告が初めて語ったのは、旧統一教会による家庭崩壊、父の死、兄の自殺、自身の自殺未遂・・・そして「家族を救うために死ぬ」という自己犠牲的思考だった。

教会への直接襲撃を繰り返し躊躇・失敗した末、「安倍氏が最も影響力のあるシンパ」と認識し、2022年7月8日の「その日」に至るまでの彼の孤独な半生が、淡々とした口調で克明に明かされた。

「憎いのは統一教会だけ」「安倍氏個人への怒りはなかった」――それでも引き金を引いた彼の絶望が、静かな法廷に重く響いた。


※冒頭写真出典:FNNオンライン、日経新聞


■裁判情報


被告人: 山上徹也
傍聴人:一般傍聴用の傍聴席34席は満席。倍率約10倍。
日付:2025年11月25日(火)午後1時頃~午後5時30分頃
内容:①山上徹也被告の被告人質問⑴弁護側(本記事)
   ②山上徹也被告の被告人質問⑵検察側(別途アップ予定)


事案


2022年(令和4年)7月8日 午前11時31分ごろ、奈良県奈良市、近鉄「大和西大寺駅」北口付近で元内閣総理大臣であり、衆議院議員としても活動していた安倍晋三氏が、街頭演説中に背後から複数初の銃弾を胸・首付近に受けた。奈良県立医科大学附属病院に搬送され、かなりの出血状態で輸血・手術がなされたものの、17時03分に死亡が確認された。死因は、鎖骨下動脈付近の損傷等による大量出血。

山上徹也(当時41歳・奈良市在住)被告によるもので、手製の銃を使用しているとされている。動機については、山上被告の母親が、宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に深く関わっており、山上被告が安倍氏がその宗教団体に支持的・関係性があると認識していたところから恨みを抱いたとされる。


■被告人入廷


山上被告はうつむき加減で入廷。黒のトレーナーにベージュのパンツのシンプルな服装。

また、裁判員の1人が辞退されたことが裁判長より発表された。


■弁護側の被告人質問


誰かのために我が身を投げ打つ

弁護人(弁)「前回は自衛隊から帰ってきた所までお尋ねしました今日の公判では、事件当日までを伺います。中高時代、高校の同級生の供述書を読んだか」
山上被告(山)「はい」
弁「どんな関係ですか」
山「応援団、同級生、下級生、小中学校の友人」
弁「どんなことが書いてあったか覚えているか」
山「驚いたし、残念に思った。」
弁「『彼は事件を起こすということは何か理由があるはずだから捜査して欲しい』という内容でしたね」
山「はい」

※文字の上では「はい」との記載にはなるが、公判全体を通して、「まぁ・・・はい・・・」のような答え方が多かった印象。

弁「消防士になりたかったという夢について、何かのために自分の存在を投げ打つことの最たるものといっていたが、自衛隊もそう思っていたか」
山「共通する所があると思う」
弁「応援団、消防士、自衛隊はそういう発想であったか」
山「特に応援団はそういうことを追及する文化だったと思う」



自殺未遂 「自分が死んで父の役割を」

弁「2005年の12月、自殺を図りましたね、その時のことを」
山「その頃に、母から電話があった。(以前)無心を断った時に、実は破産していたと聞いた。2005年の保険に入っていたことを思い出して、金額などを調べていた」
弁「保険の免責期間について会社に問い合わせましたね。免責期間というのは」
山「自殺では(保険金が)下りないなど自分で調べるのでは限界があったので、会社に問い合わせた」
弁「一連の行動はお金を残すためのように感じられるが、何を思っていたのか」
山「父の役割を果たさなければと思っていたが、母や兄の自分勝手な行動による経済的な問題に対して、なぜ自分が最終的な責任をとらないといけないのかという気持ちがあった。」
弁「父親のような役割とは、支えないといけなかったということか」
山「はい」
弁「責任的な意味で自殺を図ったか」
山「自衛隊に入る前に兄の長期の浪人などで、いさかいがあり、兄を殴ったことがあって、責任を感じた」
弁「母の破産に関して、自分も関係あると思ったか」
山「度々2003年頃から、母からお金を送って欲しいと言われ、何度か送ったが、2004年秋からは断っていたために破産させてしまったと思った」


帰ってこなかった母に対して・・・



弁「自殺を図った後、家に帰りましたか」
山「はい。自殺未遂をした頃は母が長期韓国に行っていた。兄が暴れたり自殺を図ったりがあった。その期間に自分も自殺を図って、おじが生命保険を請求したりして、旧統一教会が返金をした」
弁「封筒で毎月30万円ずつ、母に返金することが始まったということですね」
山「はい」
弁「母が帰って来なかったことに関してどう思ったか」
山「特には。自分は会いたいと思っていたわけではないので。」


妹を大学に行かせてやりたい

弁「返金の使い道について。妹さんが、徹也が私を大学に行かせようと言ってくれたから大学に行けたということについて」
山「そうだと思います」
弁「自分より妹を優先したのはなぜ」
山「自分が母の金の無心を断って、***(メモが追い付かなかったが、妹に結果的に迷惑がかかってしまった的な趣旨の発言)。レベルの高い所に行こうとしていた兄より、幼くて、祖父を揉め事の時に、小学生だった妹に行かせてやりたいと思った」
弁「決断についてどう思うか」
山「今思うとその決断のせいで(自分が)行けると思っていた大学に行かなくなったのかなとは思う」
弁「自分が大学に行くのは考えなかったのか?」
山「その頃は、勉強していなかったし。先のことをあまり考えていないので大学に行こうとは思っていなかった」
弁「判断が妹のその先を繋いだと思うか」
山「今回の事件でこんなことに巻き込んでしまって申し訳ないと思う」

※この辺りは弁護人はもっと「家族思いの兄」を引き出したかったが山上被告はあんまり求められていない応答をしている感じ・・・?


母の嘘に気づき、明るい気持ちになった


弁「妹は優秀者で卒業しているが、徹也さんも色々資格を取られてますね?」
山「2007年4月に***、10月に宅建、2008年の春にFP2級。役に立つ資格、庭師とか食べてくためのを取ろうと思った」
弁「この時期にアルバイトもしてましたね」
山「事務所の補助、****」
弁「宅建もFPも難しいのでは?」
山「働きながらだと難しいと思うが、その当時は専業(受験生)で、(専業で)取るならそれほどではなかったと思う。」
弁「母が98年に土地を売ったことについて、資格勉強をする中で何か分かったことがあるということですね」
山「祖父の会社の役員に兄が登録されていた。勝手に登記されていたことに兄が母に怒った。自分が土地の登記を調べているのを見て、バレると思って観念したのか母は、母が土地を売ったのが負債のためではなく、教会への献金のためだと説明された」
弁「その時までは98年に土地を売って、アパートで4人暮らしを始めた理由はどう思っていた」
山「祖父の会社の負債のために売るしかなかったと説明されていた。兄や親せきもそう思っていたと思う。」
弁「真実を知った時にどう思ったか」
山「驚いた。どういう状況にいたのかが分かって、足場が定まった気がした」
弁「足場が定まったとは?」
山「振り返ると、おかしいなと思うことがあった。なんでこんなに貧乏なのに嬉しそうなのかとか、理由も分からずに。」
弁「理由が分かって、その時点では、強い怒りは感じなかったのか」
山「その時点では(貧しい環境が)自分が不甲斐ないせいだと思っていた。でも、その理由の一つが母のせいだったと分かって、明るい気持ちになった。母の嘘が根底にあったんだと分かった。」
弁「自殺未遂にも責任を感じていたか。」
山「決して失敗して良かったとは言えない」


「家を出よう」


弁「2005年9月頃、家を出ましたか」
山「はい」
弁「教会からの返金が徹也さんの手に渡りはじめたのは」
山「1人暮らしした2010年の9月はじめ頃」
弁「金額は?」
山「30万円~40万円」
弁「父の生命の*****」

 ※メモが追い付かなかったが、返金額が父の生命保険の半額の3000~4000万円という話で、半年か1年後に、定額でまとまった金が入るようになった等、教会からの返金の話があった。

弁「母の嘘についてどういう気持ちでしたか」
山「前向きな気持ちだったでしょう。」
弁「2012年に妹に家を出て一緒に暮らそうと言いましたね」
山「一緒とは言ってないが母と兄と暮らすようなら1人暮らしをしてはと思った」
弁「メールでは言ってましたね」
山「言ってません」
弁「妹が心配だった?」
山「まぁ」


「長男の死は自分の罪悪の象徴」

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