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天ぷら業態に「第三の波」 2026年に流行るかもしれない3つの根拠 #エキスパートトピ

三輪大輔フードジャーナリスト
写真:アフロ

天ぷら業態が静かに広がりつつあります。これまでも天ぷらには二つの拡大期がありました。

第一は1990年前後、「てんや」に象徴されるチェーン店による大衆化の時期です。第二は2010年代、揚げたてのライブ感を強みにした専門店が台頭した時期です。そして今、第三の波が訪れようとしており、2026年に本格的な広がりを見せる予感もあります。

では、なぜ今あらためて天ぷらなのでしょうか。背景には、業態の特性と調理技術の進化によって市場が動き始めている構造変化があります。その理由を探っていきます。

ココがポイント

油ハネや油の劣化を抑えて油を新鮮に保ち、美味しさと油の使用量の大幅削減を両立する
出典:流通ニュース 2023/12/8(金)

異なる原価率のメニューを組み合わせて、トータルで原価率を調整する方法を、「メニューミックス」と言います
出典:起業・創業・資金調達の創業手帳 2020/9/11(金)

「天ぷら定食 あおぞら」は、F&LCグループの仕入れ力や商品開発力などの強みを生かした「こだわりの天ぷら」
出典:流通ニュース 2025/4/11(金)

エキスパートの補足・見解

現在、天ぷら業態には第三の波が生まれつつあります。その背景には二つの大きな変化があります。

第一はフライヤーの進化です。油温管理や揚げ時間の自動制御が高度化し、誰が調理しても安定した品質を保てるようになりました。従来は職人の経験に依存していた工程が、アルバイトや外国人材でも補えるようになり、参入障壁が大きく下がっています。

第二は、天ぷらが原価コントロールしやすい業態であることです。野菜と魚介の組み合わせによって原価率を調整しやすく、食材価格の変動に対応できます。さらに最新フライヤーの導入によって油の劣化が抑えられ、交換頻度や使用量を減らすことができるため、油コストの負担も軽くなります。物価高が続く中で、運営会社にとっては大きなメリットです。

参入障壁が下がり、原価管理がしやすいとなれば、新規参入が増え、メニューや業態のバリエーションも広がります。新しい天ぷらメニューを提案する店など、多様なスタイルが登場する可能性があります。

こうした動きが重なることで、市場全体が活性化し、天ぷらは新たな成長期に入ろうとしています。2026年には“手軽で質の高い天ぷら”が外食の新潮流として広がる可能性があります。

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フードジャーナリスト

1982年生まれ、神奈川県出身。2007年法政大学卒業。大学卒業後、専門誌の出版社などを経て、2014年に独立。現在、外食業界を中心に編集・ライティングを行う。2019年7月からは「月刊飲食店経営」の副編集長を務める。2021年12月には「外食業DX」を出版するなど、外食ジャーナリストとしての活動の幅を広げている。これまでインタビューした経営者の数は500名以上、外食だけでも200名近くに及ぶ。「ガイアの夜明け」「情報7days」などの番組出演やセミナー講師も多数経験。外食DXの知見を活かし、サービス導入事例の作成なども手掛ける。

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