警察装う詐欺電話、197万件が同じ回線から 通信元に再発防止要請
今年2~3月、実在する警察署などの電話番号を相手方の電話に表示させる手口の詐欺電話が相次いだ。警察の捜査で、こういった偽装電話番号の通信元となった事業者が特定され、同一回線から偽装番号が約197万件発信されていたことがわかった。警察庁が21日発表した。
通信元になった事業者は「アイ・ピー・エス・プロ」(東京)。同庁によると、同社は海外の事業者と、IP電話の「050」からはじまる番号の回線の利用契約を締結。その後、詐欺組織に転売されるなどして、回線が悪用されたとみられる。
インターネット回線を使うIP電話は、システムの設定によって契約したものと違う番号を表示させることができる。業界団体は事業者に対して、偽装番号を非通知にするといった対策を求めてきたが、同社はシステムの設定が誤ったままになっていたという。
警視庁の捜査で、同社の提供した回線が詐欺に悪用されていることが判明し、同社は3月14日に設定を修正した。この回線で警視庁新宿署や総務省などの番号を装った電話が約197万件発信されており、少なくとも11件の被害が発生。被害額は計約2800万円にのぼった。
偽装電話なくならず
警察庁と総務省は11月21日、同社に再発防止策を講じるよう申し入れたという。
末尾に「0110」がついた警察署などの番号からの偽装電話はなくなっておらず、警察庁は注意を呼びかけている。国際電話に使われる「+」がついた番号による電話で、今年9月だけで3525件確認された。警察庁は国際電話の着信を規制できるアプリやサービスの利用を勧めている。