みんなで大家さんに続き「ヤマワケ」も 「平均利回り13%超」、相次ぐ償還遅延
不動産クラウドファンディングで、償還遅延などの運用トラブルが相次いで顕在化している。「みんなで大家さん」では1557億円を集めた主力商品、シリーズ成田で7月末に分配金の停止が発生しており、現行ファンド39本のうち実に34本で分配金が止まったことが日経不動産マーケット情報の取材で明らかになった。さらに東証スタンダード上場の不動産会社、REVOLUTION(旧・原弘産)が運営する「ヤマワケエステート」でも21本のファンドで償還トラブルが発生している。 【関連画像】●償還が滞っているファンドの一覧 【注】REVOLUTIONの25年11月19日付発表に基づく。「運用期間の延長」は予定の運用期間を過ぎても売却活動を継続した状態。償還延期は売却成立を見込んで運用終了を発表したものの、代金未払などで元本償還が滞った状態を示す REVOLUTIONは11月19日、総額50億円あまりの第三者割当増資を発表した。実施予定は12月22日。主力の不動産クラファン「ヤマワケエステート」で元本償還の遅延などが生じたほか、過去の企業買収の影響などで資金繰りへの対応が急務となっている。 REVOLUTIONは2024年10月にWeCapitalを買収し、不動産特定共同事業法(不特法)に基づくクラファン事業に参入。買収以前の案件も含めて、25年9月までに234本のファンドを組成した。平均利回り13%強で、約4万人の会員から累計593億円を調達。上記時点で運用中のファンドは80本、投資残高は249億円となっている。 しかし上記の買収後、物件売却を前提に運用していたファンドで相次ぎトラブルが発生。これまでに21本のファンドで、運用期間を過ぎても売却が未了、あるいは契約通りに売却代金が振り込まれていない事実が明らかになった。対象ファンドの募集総額は約110億円だ。 25年3月には、株主優待を取り消した混乱の責任を取り、当時のREVOLUTION代表の新藤弘章氏が辞任する事態に。後を継いだ経営陣は新藤氏と、WeCapitalの代表だった松田悠介氏を相次いで提訴している。
自己資本比率は3%台まで低下
混乱する経営の下、REVOLUTIONの自己資本比率は25年7月末時点で3%台まで低下した。同社は発表で「仮に今回の資金調達が実現しない場合(中略)債務超過に陥る可能性も否定できない」「取引金融機関からは、財務体質改善のための増資等の対応を早期実現するように強く要請されている」などと説明。既存の投資家に対する違約金支払いや訴訟のリスクを踏まえても、増資を強行することに決めた。 新株予約権の割当先はEthan Willammarkets11号投資事業有限責任組合。発行価格は発表前日の終値から70%のディスカウントで、予約権行使後の株式数は現在の3倍となる。REVOLUTIONは調達予定の資金を預金として保管し、将来は不動産取得や宣伝広告に充てるとしている。
本間 純