2025年11月26日(水)
×

外国人「帰化」厳格化へ 「居住5年以上」延長検討

[ 2025年11月26日 05:30 ]

 帰化と永住許可
Photo By 共同

 外国人が日本国籍を取得する「帰化」の要件を、政府が厳格化する方向で調整していることが25日、分かった。居住期間が原則10年以上の「永住許可」より短い「5年以上」との要件を、審査の運用を見直して実質的に延長する案がある。税や社会保険料の滞納歴などについて、判断の際に厳しく見ることも検討。来年1月に予定している外国人政策の総合的対応策の取りまとめに向け、具体化を進める。

 厳格化を巡っては、高市早苗首相が4日の関係閣僚会議で、平口洋法相に検討を指示。8月には、前任の鈴木馨祐法相による外国人政策に関する私的勉強会が、中間報告書で「帰化の要件が永住許可に比して緩やかとの指摘がなされている」と記述した。

 帰化を定めた国籍法は、日本に住所が5年以上あることや、「素行が善良」「本人や配偶者らの資産や技能によって生計を営める」などを要件とする。この要件は「最低ライン」で、最終的な判断は裁量による部分が大きいとされる。

 永住許可は入管難民法が規定するが、詳細な要件はガイドラインで定められている。「原則として引き続き10年以上在留」とし、税や社会保険料の納付といった公的義務の履行も明記。政府は、帰化の審査でもこうした点を考慮する運用への変更を検討している。

 法務省によると、2024年の帰化申請者は1万2248人。同年中の許可は8863人で、不許可は639人だった。

「大谷翔平」特集記事

「騒動特集」特集記事

社会の2025年11月26日のニュース