【ヨハネスブルク=田中一世】高市早苗首相は23日午前(日本時間同日午後)、南アフリカ最大の都市ヨハネスブルクで開催されている20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の討議で「重要鉱物の安定的な供給は世界経済の発展に不可欠だ」と強調した。
中国が世界生産の約7割を占めるレアアース(希土類)の禁輸措置を外交カードに使っていることを念頭に「重要鉱物の輸出管理について国際社会での懸念が高まっている」と指摘。重要鉱物サプライチェーン(供給網)の過度な集中を避けるべきだと語り、「強靱(きょうじん)で信頼できるサプライチェーンの構築に向け、各国が連携して取り組む必要がある」を訴えた。
中国がレアアースの対日禁輸措置に踏み切る可能性も念頭に、G20サミットに参加したアフリカなどの資源国と協力関係を強化したい考えだ。
米国は今回のG20サミット出席を拒否し、G20に亀裂が生じている。首相は「分断と対立ではなく、共通点と一致点を見いだし、全てのメンバーが責任を共有した形で課題解決を進めていこう」と呼びかけた。来年の米国開催の成功に向けて積極的に協力すると述べた。