まじむりもうやだがっこうやめる   作:ピピス。

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……ども。

長らくお持たせいたしました。





二度と戻らないもの

風紀委員長ちゃんが先生と共に救急車によって運ばれて行った。

 

 

「まあ良い。妨害されたが銃弾は当たっている。」

 

『掠っただけなんじゃないか…___な!』

 

サオリに向かって銃を振り下ろすが簡単に銃で受け止められてしまう。

 

 

『かかったね。』

 

 

「__ッ!」

 

なんとか動く翼に力を入れて胴体を殴りつける。

 

 

「なぜ一緒に逃げなかった。」

 

『私が乗ったら救急車が走れなくなっちゃうからね。』

 

 

「…無様だな。」

 

 


 

 

「Vanitas Vanitautum et omnia Vanitas.」

 

 

ボロボロの私に銃口を向けながらサオリが問いかけてくる。

 

 

「全ては虚しい…。 坂浦エミ、貴様も既に知っているのだろう?」

 

「トリニティの人間には珍しくゲヘナに肩入れしていたそうじゃないか。」

 

 

至る所から血を流し、背中の真っ白だった翼は血と灰で汚れてしまっている。

 

血が滲んで見えないが反対の目でサオリを睨みつけている。

 

 

『……それが…どうしたの。』

 

「ゲヘナの万魔殿もこの襲撃に加担してくれたさ、最初からトリニティを裏切るつもりでな。」

 

「ゲヘナもトリニティも両方同じような奴らだったってことだ。」

 

 

 


 

自分と同じようなものを見る目でサオリが見てくる。

 

 

そんなこと……

 

 

『そんな事、最初からわかってたさ。』

 

俯き、怒りを堪えるように自身の拳を握りしめる。

 

『相対的にゲヘナのほうがマシだって思ってただけで……』

 

 

『どっちも大嫌いだ。』

 

『どいつもこいつも、やれ角付きだの、羽付きだの…』

 

 

『期待してた自分が浅はかだったよ。』

 

 

「だったら…」

 

『だから。』

 

 

もういい。

 

どうでもいい。

 

心底うんざりした。

 

『自分がどう頑張ったって何もできないことぐらいわかった。』

 

友達を救えずに。

 

幼馴染に八つ当たりして。

 

 

『だから独りで今ここにいる。』

 

自分が。

 

みんなを突き放したから。

 

 


 

 

 

『___はぁ〜……。』

 

 

『まあ、いっか。』

 

『私のことをスパイだの裏切り者だの言うやつがいるんだもんな。』

 

 

遠くの方の火が消えたらしき大聖堂の方向を見て呟く。

 

 

「それで、いい加減諦める気になったか?」

 

 

『いや、全然、全く。』

 

さっきとは打って変わってあっさりとした反応を見せるエミにサオリは困惑した。

 

「(どういうことだ…? 先程まで絶望していた人間には見えない。)」

 

 

本人はそんなこと知らないかのように大げさにリアクションを取っている。

 

『私帰っていいかな。いい加減疲れたよ。』

 

『こんなことに巻き込まれると思ってなかったし。』

 

最後に笑うのを止め、光の無い目でサオリに向き直る。

 

『それに…、お前の思い通りになるのはごめんだね。

 

 

眼の前でスモークグレネードのピンを引き抜きながらそう答えた。

 

 

グレネードが地面に落ち、辺りに煙が立ち込める。

 

 

「くっ…、逃がすか…!」

 

 

『あとこれプレゼントね。』

 

背後から急に呟かれたかと思うと、導火線に火がついたダイナマイトが地面に刺してあった。

 

 

 

「まずっ…!!」

 

周りのスモークが吹き飛ぶほどの衝撃と光が辺りを包みこんだ。

 

 

 

 


 

 

 

爆煙が晴れたそこには

 

「はぁ、はぁ、はぁ……。」

 

走ってきて息を切らしたアズサと

 

 

「くっ…、お前も来たのかアズサ。」

 

 

思ったよりでかい反撃を食らってしまったがまだ立っているサオリが残された。

 

 




作者が一時間で書いてくれました。

気が乗ったので書きましたが次がいつになるか分かりません(無責任)

どれが良い?選ばれなかったやつはIFで書こうと思ってます。とりま正史を決めたい。

  • 幸せに!なるんだよ!(ハッピーエンド真)
  • 曇らせ?晴らさなきゃ…(ハッピーエンド)
  • 曇らせ?もっとやれ…(バットエンド)
  • お前の所為だ。(どうしようもない終わり)
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