神秘探求したいミレニアムモブ生徒とゲマトリアがガッチャンコ   作:ハイパームテキミレニアム

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バグル・アップ!

 

 

 

 

 

 ゴルコンダさんから頂いた『ヘイロー破壊爆弾』なる代物。

 

 同時に貰った資料を読み進めていく度、名前の通り物騒で厄介な作品であると判明したので戦々恐々としている。

 

 

 完璧に解明できている訳ではないけど……

 内部にあるのは、ヘイローに干渉する物質と、ヘイローに過負荷を与える物質……物質というより、そういう『概念』じみたものと呼んだ方が適切かもしれない。

 それ等が封入されたヘイロー破壊爆弾を対象に向けて投擲、炸裂する事でヘイローに接続、干渉。

 そして対象のヘイローに耐えられない程の神秘を流し込み許容不可能な過負荷を与える事で、ヘイローを木っ端微塵に破砕。

 結果として、ヘイローを破壊された対象は死に至る……という代物。

 

 

「……ん?」

 

 

 というか……この構造、なんか見覚えがあるような……ヘイローに過負荷を与える、というのもされた事があるような……頭の中にぼんやりと既視感が過ぎる。

 

 ……過負荷をかける。ヘイローに干渉……

 

 ……あっ。

 

 

「確か、黒服さんに貰ったやつにも似たようなのが……」

 

 

 以前、私がヘイローを識別出来るようになった切っ掛けとなったあの実験。

 その際に、S.Fアーマー展開の為の装置達に組み込んだ機材。あれは黒服さんに提供頂いたもので、確か私の神秘への接続を深く強くする為の補助装置……だと認識してたけど。

 

 その装置の資料を仕舞い込んでた場所から引っ張り出して、改めてその概要、構造に設計を確かめる。

 

 

「ははぁ、なるほどなるほど……」

 

 

 黒服さんから頂いた機材。名を『神秘干渉機器』として……

 コレは対象の神秘に接続を行い、神秘という経路を通じてヘイローに干渉、そして過負荷を引き起こしていく……といった作用の物。

 

 加えてゴルコンダさんのヘイロー破壊爆弾は、対象のヘイローに直接干渉し、多大な過負荷を一瞬で掛けて、文字通り爆散させる……といった作用の物。

 

 干渉するのはヘイロー。それが間接的か、直接的かの違いなのだ、この2つは。

 

 

 ……いやしかし、改めて振り返るとよくあの時の負荷に耐えられたな、私。

 黒服さんも賭けとか言ってたっけなー……

 

 

 

 

 

 ヘイロー破壊爆弾……ヘイローに直接干渉するといったその原理を上手く活用すれば、破壊だけではない使い道もできるだろう。

 例えばヘイローを破壊ではなく逆に活性化させたり。出力を絞って、対象のヘイローに壊れない程度の高負荷を掛けてから強化を引き起こしたりも……

 極まれば砕けたヘイローを修復させる作用も引き起こす事も可能なんじゃないかな? 

 

 

 ……とはいえ、未知の分野に飛び込むのだから、成果は思う通りにはいかないだろう。

 

 一先ず習作を作ってみるとしよう。

 先人の偉大な研究を真似てみて、今の自分の実力を認識しつつ改善と改良を試みてみよう。

 

 ……ヘイローを直接破壊するって兵器を作るのは気が進まないけども……まぁ、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「できちゃったなぁ」

 

 

 作れちゃった。

 

 

 名付けて『神秘破損爆弾』。

 

 

 通常の手榴弾と運用は変わらず。

 ピンを抜くと内部に圧縮されていた神秘とヘイローに干渉する物質が混ざり合う。

 炸裂すれば周囲5m内の対象のヘイローに膨張した神秘が流れ込み、一時的に動けなくなる程の衝撃を与える……といった具合の爆弾。

 

 試射してみたが、神秘で強化された私でもめちゃくちゃに痛かった。多分普通の子なら一発で昏倒する。

 

 

 

 ヘイローに干渉して負荷を与える……といった、元のヘイロー破壊爆弾の特徴をなぞった位の物だけれど、一応作れはした。

 流石に威力そのものを真似て再現する事は叶わなかった。一発でヘイロー破壊する程の過負荷と過干渉を起こすとか何さ、本当に。

 ……というよりも。私は神秘を研究、探究したいのであって、積極的に害して破壊したい訳ではない。そんな思いが根底にあるからこそ、ヘイロー破壊爆弾その物を再現する事はできないのではなかろうか。

 ……技術力が足りないと言われたらそれまでだけども! 

 

 

「うーん……これを積極的に使うかと言われればなぁ……」

 

 

 まぁ……作っちゃった物は仕方ない。

 間違い無く神秘に関連する私が作り出した物だし、今後の研究に活かせるかもしれないし、仕舞っておこう。

 

 次はヘイローを傷付けるのではなく活性化させる方面で開発していこう。頑張るぞ私。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、14度目。

 

 私とスミレさんの神秘を合成したものを使用。

 

 合成神秘の抽出、取り込みに成功。

 

 

 劇的な感覚の変化は発生せず、また体表に変化も無し。テクスチャが剥がれる様子も無く、既にあるひび割れが拡大する様子も無い。

 

 テクスチャの剥離の要因は未だ不明。一定量の神秘を取り込む事か、特定個人の神秘を取り込む事なのか、はたまた異なる要因によって引き起こされる現象であるのか、引き続き実験と調査を行っていく。

 

 

 また、合成神秘の取り込み後に身体能力に微かな向上が見受けられた。

 スミレさんと同等の身体能力とはならず。

 

 

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、15度目。

 

 私とカリンさんの神秘を合成したものを使用。

 

 合成神秘の取り込みに成功。

 

 体表の変化及びテクスチャの剥離の様子は無し。依然、臍下の小さな箇所のみに留まっている。

 

 

 

 

 ……しかし、神秘の合成後に抽出を行おうと神名のカケラを手に取った所、猛烈な飢餓感に等しい欲求に襲われた。

 その神秘を私のものにしたくてたまらなくなってしまった。

 

 それに従うとどうなるのか気になって、そのままカケラを口に含んだ。

 そして流れるようにごくりと呑み込んだ。

 

 違和感も突っかかりも無く喉を通り、お腹の中へ入っていって……欲求は収まっていった。

 

 

 その際に判明したのだが、神名のカケラに封入した神秘は、抽出せずとも直接摂取をする事で神秘を取り込める事が判明した。

 

 体感ではあるけど、抽出したものよりも、神秘が体の中により深く溶け込んでいくのが分かった。

 

 

 また、後ほど検査をした所、胃に神名のカケラが存在していなかった。

 消化活動が起こった様子も無い。

 

 私の神秘を封入した神名のカケラを用いて、再度呑み込む。……この際、先程のような飢餓感は起こらなかった。

 

 

 神秘の取り込みに成功。

 

 消化が行われた様子は無い。

 

 呑み込んだ時点で、体内に取り込まれて私の体と神秘に溶け込んでいくらしい。

 

 謎が増えた。楽しい。要検証とする。

 

 

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、21度目。

 

 

 今回から他生徒同士の神秘合成に着手する。

 

 今回はモモイちゃんとミドリちゃんの神秘を合成したものを使用。

 

 

 ……神秘の合成の際に今までに無い強い反応が検知された。合成装置から炎が舞い上がるように神秘の光の奔流が吹き荒れ、青白い火花が飛び散り……時間と共に収まっていった。

 

 そうして完成した合成神秘の輝きは、えもいえぬ程の眩さ。

 

 私とモモイちゃん、私とミドリちゃんの神秘を掛け合わせた時にはこのような反応は起こらなかった。

 偶発的な現象であるのか、それとも神秘にも相性というものが存在しているのか……

 

 

 

 合成神秘の取り込みに成功。

 カケラを呑み下すと、頭の中からパチパチと弾けるような刺激と、酩酊にも似た高揚感が沸き上がる。

 

 

 とても、とても気分が良い。

 思考が透き通る。

 透明だ。

 暖かな湯に浸かっている時のような、全身が心地良さに包まれる。

 

 

「ぁがっ」

 

 

 不意に薄れていた思考が浮き上がり、視界が定まっていく。

 ぱりん、とガラスの割れるような音と同時に、全身を包む感覚が失せていく。

 

 

 これは、間違いない。

 この感覚を忘れもしない。

 

 

「……今度は……こっち!」

 

 

 違和感を感じて、右腕の裾を捲り上げる。

 

 

 二の腕に横一線に亀裂が生じている。

 間もなく裂けるようにひび割れて、中身が露出する。

 

 

 

 あぁ、やっぱり、そうだ。

 

 覗くのは、変わらない神秘の色。

 私の神秘。

 きらきらと吸い込まれそうな、青白い私の色。

 

 

 テクスチャが剥がれていく。

 少しずつ、少しずつ。

 脳を灼くような多幸感が、私を満たしていく。

 

 

「もっと、もっと……剥がしていかなくちゃ、ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 □■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神秘についての進捗。

 

 他者の神秘を体内に取り込む事で、自身を覆うテクスチャとテクストに歪みを生じさせ、破損、剥離を引き起こせる事が判明。

 その現象を発生させるには、一定数の神秘を取り込むか、またはより強力な神秘を取り込むか……もしくは両方の条件を満たすべきなのか。

 引き続き神秘を取り込む事で、条件を見定めていこう。

 

 また、この方法でテクスチャを剥離させていくにつれ、ヘイローにひび割れが生じる事も確定した。

 

 今回、二の腕近辺のテクスチャが剥がれた事により、ヘイローのひび割れが少しだけだが増加していた。以前よりも目立つ形だ、ホログラムでしっかりと隠すようにしなくてはならない。

 

 

 

 

 合成神秘に関しては面白い発見があった。

 

 先のモモイちゃんとミドリちゃんの神秘を合成させた時の反応を参照に、色々と組み合わせを変え、他生徒同士の神秘を合成させた。

 現時点で入手しているミレニアム所属の生徒達の神秘合成を片っ端から試してみた所、同じ部活動に所属している生徒の組み合わせはより強い神秘を生み出す事が判明した。

 

 エンジニア部ならエンジニア部同士、ヴェリタスならヴェリタス同士……掛け合わせれば、神秘の輝きも密度も濃い、強力な合成神秘が誕生する。

 そしてどれも例外無しに、合成する際に強力な神秘の余波を発生させる。

 

 

 神秘の共鳴ともいうべき現象だ。

 

 傍に居て、共に在り、一緒に過ごした時間が長ければ長いほどに、両者の関わりが深ければ深いほど、合成された神秘はより強く美しく輝きを増していくのだ。

 

 以前、掛け合わせる神秘に相性というべきものがあるのかもしれないと予想を立てていたが、こういう事だったのか。

 

 

 ……とすると、ヒナさんとホシノさんの組み合わせでは、思ったよりも強い神秘が生まれないかもしれない。

 お互いに離れて活動している……というかアビドスとゲヘナではどうあっても活動圏は被りやしない。関わりも無いだろうし。

 

 

 しかし……現時点ではどの合成神秘でもヒナさんやホシノさんの神秘を超えるような強い神秘を宿していない。それ程までに2人の神秘は規格外なのだ。

 

 いや、この先組み合わせ次第で2人を超えるものも出てくるかもしれない。

 ミレニアム生徒の組み合わせを試し終わったら、次はゲヘナ生徒のものを。

 それが一通り終わったら……次はどうしよう。

 

 

「ミレニアム、ゲヘナ……と来たら、やっぱりトリニティかな」

 

 

 

 トリニティ生徒のものを試すのも良いかもしれない。あそこの生徒の輝きも中々のものだし。近い内に収集しないとね。

 

 

 

 

 

 

 培養した神秘による他生徒のミメシス製造については、遅々として進まずにいる。

 

 

 とりあえず、ミレニアムに所属している生徒の培養神秘を用いて幾度か試してはいるが、そもそも実体を得られない、ミメシスとして実体を保てずにすぐさまに消滅してしまう、といったような具合で、成功例は未だゼロ。

 核とする神秘の数を増やそうとも、成功の予兆は見えず。

 

 培養神秘だからダメなのかと思い、自分の培養神秘で試すと、こちらは成功。性能的にも既存のミメシスと変わりは無い。

 

 

 製造の際に使用される感情の為か、それとも私ではない者をミメシスとしようとした為か……疑問は尽きず、進捗は無く。私の方法ではダメなのか。

 

 

 コレが成功すれば、生徒の合成神秘でもミメシスを作れるのか……といった事も試してみたかったのだけど。この様子だと上手く行かなそう。

 他生徒のミメシスに関しては他の方法を模索する事としよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 □■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、33度目。

 

 使用する合成神秘はユウカさんとノアさんの組み合わせ。

 

 雨の様な青色に、消えゆくような儚げな白が混じり合い、マーブル模様のような、複雑で定まらない神秘の輝き。

 

 合成神秘を口に入れると、甘く蕩けるような味わいが広がっていく。

 

 

 

 合成神秘の取り込みに成功。

 飲み込んでから約10秒程、内外から緩く圧迫されるような感覚に包まれた後、霧散。

 ガラスの割れる音と共に、右膝裏に弾痕のような小さな剥離痕が発生。

 ヘイローのひび割れも、ほんの少しだけ進行していった。

 

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、39度目。

 

 使用する合成神秘はコタマさんとハレさんの組み合わせ。

 

 ミルク色の白が主体の、ほんのりとベージュが混じった合成神秘。

 輝きは他と比べて控えめだけれど、これもとても素敵で美しい。

 

 口に含めば、優しい苦味と甘味が入り混じり、目を覚ましてくれるかのよう。

 

 

 

 合成神秘の取り込みに成功。

 自分の神秘がより強固になった実感はあれど、テクスチャの剥離やヘイローのひび割れが進行する様子は無し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 合成神秘取り込み実験、54度目。

 

 

 今回は、合成神秘同士を更に合成する事によって、より純度と密度の高い神秘を取り込む事に挑戦する。

 

 

 使用する合成神秘はカリンさんとアスナさん、ネルさんとアカネさんの組み合わせ。

 C&Cの4人組、共に居る時間も多いこの方々なら、より良い反応を示してくれるだろうと思ったからだ。

 

 

 

 予感は的中。

 合成する際の神秘の余波は過去最高潮。

 ミクスウェルを壊さんばかりのスパークとエネルギーの奔流が部屋を包み込む。

 過去に見ない、素晴らしい反応だ。

 

 

 

 合成神秘の更なる合成は、成功に終わる。

 ……しかし合成の余波の影響で、装置の各部が破損してしまった。早々に修理と改良をしないといけない。

 

 

「わぁ……」

 

 

 装置から取り出した合成神秘。

 C&Cの神秘を詰め込んだそれは、夜空に眩く瞬く星空を思わせるような、果てしなく吸い込まれそうな輝きを宿していた。

 

 

 我慢できない。

 早く取り込みたい。

 早く。早く。

 

 肉を前にした獣のように、胸の奥からの衝動が私の理性を灼いていく。

 

 手に握ったそれを壊してしまわないように、慎重に、迅速に口元へと運んで、頬張る。

 口内に広がる濃密な味に酔いしれながら、嚥下する。

 

 

 

「ぉ、ごっ」

 

 

 

 

 飲み込んだ瞬間、意識が弾け飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 □■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、が、ぁ、は」

 

 

 

 意識が混濁する。

 

 思考が定まらない。

 

 体の内から弾けそうな衝撃が、激しく脈打つ鼓動と同時に押し寄せてくる。

 

 何かが零れ落ちていく喪失感が、だんだんと大きくなっていく。

 

 ぐちゃぐちゃになりそうな視界の中で、辿る。

 

 

「ぐ、ぅ、う゛」

 

 

 神秘。

 

 私の神秘。

 

 溢れちゃう。

 

 零れちゃう。

 

 もっと入れなくちゃ。

 

 神秘を。

 

 もっと、もっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が付くと、何かの箱の中に体を突っ込んで、突っ伏していた。

 

 直前の記憶が曖昧……何をしていたんだっけ。

 

 ……ぼやけていた視界が次第に定まってくる。

 何だかやけに体から神秘が漲る感覚もする……

 

 

「ん、んん……」

 

 

 とりあえず体を箱から引っ張り出す。

 貼られていたラベルを見ると……合成材料として保管していた、私の神名のカケラを納めてた箱だ。

 それが見事に空っぽになって……

 ……周りを見渡すと、同じように空になった箱が2つ。どちらも私の神名のカケラを入れていた物だ。

 

 

「……まさか、この中身全部取り込んだ?」

 

 

 妙に元気で、力が満ち満ちているような、充足されているような体を見つめる。

 何時にも増して体が軽い……充実感、一種の万能感に近いものを感じている。

 言い表すならば、私という存在その物が強く補強されたような、そんな実感。

 

 

 ……似たような現象が以前にもあった。

 

 初めてミメシスの私を誕生させて、抱き潰し、霧散させてしまった時。

 ミメシスの核にした大量の神名のカケラが、私の体に吸収された時。

 

 一つ壁を乗り越えたかのような、超越感。

 それが私の体を支配していた。

 

 それに先程のような思考の混濁も無い。以前よりも頭がすっきりと軽いし、意識も明瞭。私自身の神秘が漏れ出ていくような喪失感も失せている。

 

 

 ……自身の神秘を大量に外部から取り込む事によって、私という神秘の受け皿を改良したのか。

 

 箱の数からして……おおよそ240個程度の神名のカケラを取り込んだみたい。

 

 ……結構な量だ。後で補填しておかなくっちゃ。今の状態のポテンシャルの把握もしておかないと。何か新しく出来るようになった事があるかも。というか最初にまずこの方法を試しておくべきだったなぁ……合成神秘の事にばかり気がいってしまっていたし……

 あと何か確認すべき事は……

 

 

 そうだ、テクスチャはどうなっているだろう。今回で少しでも剥がれただろうか。

 

 

 

 

 

 自分の姿を確認しようと鏡を探している最中、ふと、視線が近くのデスクに留まる。

 

 

 デスクに散乱した資料の傍に置いてある物を見る。

 

 

 

 ハンドガンだ。

 私の愛銃。

 

 

 神秘の研究を始めてからというものの、サブマシンガンやアサルトライフル、マグナム……色々と武器種を乗り換えつつも、手放した事は一切無い。懐に忍ばせておくにもぴったりなのがちょうど良い。それに一番手に馴染むのは、この子なのだ。

 

 ……それに、長く私の神秘と共にあったこの子は、私が選んだ武器の中で一番神秘を篭める事が容易く、大量に注ぎ込める。

 愛着が湧いた、肌身離さずに持っていた物程、そういった傾向があるみたい。

 

 

 

 見た目はミレニアムらしく白く塗装された外装以外に飾り気は無い。

 しかし、シンプルイズベストという言葉の体現としてはまずまずなのではないかと思う。言い訳じみてるけども。

 

 ……けど、洒落っ気具合で遊んでも良いかな、流石に。今度、暇な時にでもアクセ作って取り付けて……いや、この際だからもっと凝ってみよう。S.Fアーマーと同じ素材でデコってみちゃうのも良いかも。どうせなら頑丈に。

 

 何せ『先生から貰った大切な銃』なんだし───

 

 

 

 

 

 

 ……いや。

 違う。

 待って。

 

 

 先生からは貰ってない。

 その筈は無い。コレは先生が着任するずっと前から持っていて……

 

 

 いいや、何言ってんの私。先生に色々とお世話になって、その時に贈り物として受け取ったのがこの銃で……

 

 

 

 違う。

 違う。

 違わない。

 違う。

 ちがう。

 ちがわない。

 

 頭の中が、押し潰されるような、圧迫感。

 

 何だ、これ。

 何なの。

 

 体の内側が、違和感に捻れて、裏返るよう。

 

 知らない、何、知ってる。分からない。

 

 

 何だろう、何なんだ、頭が痛い、思考がぐるぐると渦巻く。

 

 あは、なにこれ。初めて、こんな感覚。

 

 もっと知らないと、調べないと、これは、いい、はじめて、すごい、たのしい。

 

 まだしらないことが、あったんだ。

 

 

 

 

 先生、先生、先生、先生、先■、■■……

 

 

 

 

 

 

 





Wow Wow 神秘食え!
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