教団幹部から「安倍氏は我々の味方」 山上被告、公判で語った動機
毎日新聞
2025/11/25 21:45(最終更新 11/25 22:05)
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安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)は25日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で、事件の動機について証言した。安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が関わりを持つことで、教団が問題がない団体とされてしまうことを恐れたとし「非常に悔しく、絶望と危機感があった」と説明した。
被告は20日の被告人質問で、青年期までは母親の宗教活動に強く反発できなかったが、海上自衛隊に入って母親から金を無心されるようになり、無心を断って自殺を図ったと証言していた。弁護人の質問は「なぜ事件を起こしたのか」という核心部分に近づいていく。
被告は自殺未遂後の2005年に自衛隊を退職した。騒動を機に、弁護士である被告の親族が一家の問題に介入するようになり、母親による教団への献金の一部返金が実現。被告も毎月約10万円を受け取るようになった。
被告には大学進学を希望する兄と妹がいた。被告は返金分の資金を、より将来の可能性がある妹の進学費用に充てたという。
ただ、結果として希望を絶たれることになった兄はショックから自宅に引きこもり、15年に自殺した。亡くなる直前、兄から教団のことで相談の電話があったが、冷たく突き放していたという。
被告は兄との記憶をたどっているようで、ゆっくりと言葉を選んでいる。
弁護人「兄を見たか」
被告「服が…
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