◆第67回競輪祭・G1・最終日(24日、小倉競輪場)
小倉競輪場で24日、G1「第67回競輪祭」決勝が、9選手により第12Rで行われた。阿部拓真(35)=宮城・107期=が3番手から仕掛けた吉田拓矢に乗って抜け出す荒井崇博をゴール前で差し切ってV。G1初の決勝ながらうれしいG1初優勝を飾り、優勝賞金5090万円(副賞含む)と、「KEIRINグランプリ2025」(12月30日・平塚競輪場)の出場権を獲得した。先行した松本貴治追走から番手発進に出た荒井が2着、後方から追い上げた松井宏佑が3着に入った。3連単は35万円超えの高配当決着となった。
これぞビッグサプライズだ。一年間の激しいグランプリシート争いのクライマックスで、最後の最後に飛び込んできたのは、5日目までの賞金ランクが133位だった緑の6番車・阿部だった。「マジ? マジ? 実感ないです。夢みたい」と、大仕事をやり遂げて放心状態。無理もない。G1は決勝どころか、準決勝も初めてだったのだから。3連単35万990円は、G1決勝での史上最高配当。本人も、ファンもびっくりの結末だった。
確かに、ツキも味方した。二次予選B、準決勝と単騎で戦いながら、ぬかりなく先手ラインを追走。抜群の嗅覚で2、2着でしのぎ、ファイナルは同期のダービー王・吉田拓の番手を得た。「とにかくレースの流れに付いていくことだけ考えて。吉田君が言うことない走りをしてくれた。正直、最終バックくらいで脚はいっぱいだったが、荒井さんにうまくスイッチできた。内から来られたところもしのげた」。松本貴後位から抜け出した荒井をゴール前で差し切ると、思わず右拳を振り上げてガッツポーズが飛び出した。
落車が多いのは、ファイトを前面に押し出す自在型の宿命。今年も「高松宮記念杯」初日を含め、6度の落車(再乗、失格含む)に苦しんだ。それでも腐ることなく戦い続け、勝利の女神を振り向かせた。昭和の時代には「王国」とまで称された宮城勢だが、1983年「オールスター」の菅田順和(36期・引退)以来42年ぶりのG1勝利。さらに同県から初のS班の座も手に入れた。「S班になる準備はできていないが、気負わず頑張りたい」。これから北の一番星として重圧もかかっていくだろうが、その前に平塚「KEIRINグランプリ」が待っている。阿部の位置取り、立ち回りがカギを握る。最終決戦が楽しみになった。
◆阿部 拓真(あべ・たくま)1990年11月3日、仙台市生まれ。35歳。法政大卒。日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)107期生として、2015年7月にデビュー(静岡〈3〉〈7〉〈1〉着)。G1の決勝に初進出で初制覇。通算829戦224勝。通算獲得賞金2億3848万9000円。173センチ、72キロ、太もも60センチ。血液型A。









