「中露朝に戦略的不一致」 台湾有事でロシア軍事協力も 防衛研・中国安保リポート
防衛省のシンクタンク、防衛研究所は20日付で、中国の安全保障政策の動向などを分析した年次報告書「中国安全保障レポート2026」を公表した。ロシアのウクライナ侵略から一定の距離を置く中国と、軍事的に接近する露朝の3国関係には戦略的な不一致があると分析。中国が統一を目指す台湾を巡り、米国に対抗する形で、ロシアが限定的に軍事協力する可能性も指摘した。 報告書のテーマは「不均衡なパートナーシップ-中国、ロシア、北朝鮮」。今年9月には、北京で行われた抗日戦勝80年の記念行事にロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が出席し、中国の習近平国家主席とそろい踏みするなど、近年、協力関係を深める中露朝間の戦略的な意図を分析した。 中国はロシアとの合同演習を通じて軍事協力を進展させ、ロシアはウクライナ侵略を契機に北朝鮮との関係を緊密化。米国や同盟国との戦略バランスから、「『日米韓VS中露朝』という陣営化対立の構図が北東アジアで強まるかもしれない」と警鐘を鳴らした。 ただ、3国間には、核兵器開発などを巡り外交や軍事面での立場に違いがあり、「2国間関係を基礎に展開され、3者関係が形成されているわけではない」との見方も示した。 中国は、新たな国際秩序形成のため、中東やアフリカのグローバルサウス(GS、南半球を中心とする新興・途上国)との連携を深める。ウクライナ侵略で国際秩序を乱すロシアとの関係には慎重で、台湾や南シナ海など中国周辺の軍事協力は重視するが、「欧州正面での直接的協力や、露朝接近から距離を置こうとしている」とした。 北朝鮮は経済的に中国に依存する構造は変わらないものの、核開発を進めることで外交上の自主性を高めている。このため「今や中国が果たす役割は限定的。(北朝鮮が)核保有国の立場で米国と対峙すれば、中国の利益に反する可能性がある」と指摘した。