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AIのような人間か、人間らしいAIか?:医療への影響

最近、「友達がいない」という学生が増えているように感じます。そして、そんな彼らが「親友って何?」と尋ねてきたとき、私はこう答えました。

「夜中1時に困ってたら来てくれるのが親友ですよ。」

しかし、この答えに対して彼らは「それはちょっとありえない」「夜中1時なら無理だけど、12時ならいいの?」と、まるでAIのような機械的な思考で返してきます。まさに「AIのような人間」、つまり 本質ではなく、ルールや時間などの形式で物事を判断する人間 です。

「友達=共通の趣味がある人」?

彼らはまた、どうやったら友達ができるのかと尋ね、 「共通の趣味があると友達になれる」 と言います。でも、それは友達ではなく、ただの 知り合い です。
本当の友達とは、楽しいときだけではなく、困ったときにも支え合える関係 のこと。信頼がなければ、ただの共通点を持つ人でしかありません。

人間らしさを失うと、AIよりも劣る存在になる?

友達や親友の本質が「困っているときに助け合える関係」にあるのに、時間やルールを機械的に基準にして判断する—— これは、まさに 「人間らしさを失ったAI化した人間」 です。

一方で、「人間らしいAI」という概念もあります。鉄腕アトムやドラえもんのように、人間の本質的な優しさや絆を理解し、行動できる存在 です。人間性を失った人間よりも、人間らしい機械のほうがマシというのが、エンターテイメントが出した一つの結論でしょう。

友達の感覚は、医療や教育にもつながる

この「友達」という関係性は、実は 医療や教育の基盤 にもなっています。

例えば、医療者が患者のために尽くすこと
これは、ただ仕事だからやるのではなく、目の前の患者を「大切な人」として考え、支えようとする気持ちがあるからこそ成り立つものです。それは、「困っているときに助ける」友達の感覚と通じるものがあります。

同じように、先生が学生のために頑張ること もそうです。
先生が「生徒が合格できれば自分の評価が上がるから教える」という合理的な考えだけでは、学生にとって本当に価値のある指導にはなりません。
本気で学生の成長を願い、困ったときに手を差し伸べるからこそ、教育が成り立ちます。

また、先輩・後輩の関係 においても、単なる上下関係ではなく、「後輩が困っていたら助ける」「先輩が道を示してくれる」という 友達に近い感覚 があることで、良い関係が築かれていきます。

「友達がいない」子どもが、他者を助けられるのか?

今、「友達がいない」子どもが増えているという現実があります。
ここで考えなければならないのは、果たして「友達がいない」ままで、患者を助けられる医療者になれるのか? ということです。

もし、誰かのために本気で動いた経験がなく、困っている人を支えたこともなければ、医療の本質である「他者のために尽くす」ことができるのかどうか、極めて疑問です。医療は単なる技術ではなく、人を思いやる心がなければ成り立たない からです。

「相手のために頑張る」モチベーションが生まれるか?

医療の世界では、時に大変な仕事や理不尽なことにも向き合わなければなりません。
それでも頑張れるのは、「この患者さんを助けたい」「この人のために何かしたい」という思いがあるからです。

しかし、友達がいない=人のために頑張る経験が少ない となると、こうしたモチベーションが生まれにくくなります。

友達との関係では、

  • 誰かのために動いたら喜ばれた経験

  • 逆に、自分が助けられて「ありがたい」と思った経験

こうした体験が、「人のために動くと、自分も嬉しくなる」という感覚を育てます。もしそういった経験が乏しいまま医療の現場に入ると、「ただの仕事」として割り切ってしまい、患者に寄り添う姿勢が持ちにくくなる かもしれません。

「感情労働」が耐えられない可能性

医療は、「感情労働」 と呼ばれる仕事のひとつです。
つまり、患者の不安を和らげたり、安心感を与えるために、自分の感情を調整しながら働く 必要があります。

しかし、友達がいない=人間関係に慣れていない 人は、こうした「感情のコントロール」が苦手な場合が多いです。

  • 患者の不安や怒りを受け止めるのが苦しい

  • 適切なリアクションがわからない

  • 冷たい印象を与えてしまい、患者からの信頼を得られない

こうなると、患者とのコミュニケーションがうまくいかず、「この仕事、辛いな…」と感じる場面が増えてしまう でしょう。

「医療技術」だけでは、医療はできない

医療は、単なる技術や知識ではなく、「人のために動けること」が基盤になっています。友達関係を築いたことがない人は、どうしても「人のために頑張る」経験が不足しがちです。

もちろん、「友達がいない=医療ができない」とは言いません。
しかし、人の痛みや不安を理解し、相手のために頑張る姿勢がなければ、医療の仕事はただの「作業」になってしまいます。

だからこそ、医療を志すなら、技術と同じくらい、人間関係を築く力や共感力も育てていくことが大切 なのでしょう。医療者教育学としては感情の劣化を防がないといけませんね。



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