参政党の演説に足止めた人々の「好感度」 追跡して見えた複雑な心境

堅島敢太郎 杉山あかり
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 20日投開票された参院選で「日本人ファースト」などを訴えた参政党が躍進した。朝日新聞社が実施した出口調査によると、無党派層を多く取り込んだ格好だ。参政党への「好感度」はどう変化したのか。選挙序盤で参政党の街頭演説に足を止めた無党派層の有権者に声をかけ、継続的に考えを聞くと、複雑な心境が垣間見えた。

 話を聞いたのは、公示日かその翌日、参政党の街頭演説を後方で聞いていた「支持政党なし」の5人。その後、投開票日1週間前の週末、投開票日直前、投票後の4回に分けて、参政党への好感度を1~10の10段階で尋ね、その理由や最終的な投票先を聞いた(取材した5人の実際の名前をカタカナで表記します)。

写真・図版
参政党候補の街頭演説の様子。後方で演説を聞いていた有権者に記者が声をかけた=2025年7月3日午後6時8分、東京都港区新橋2丁目、堅島敢太郎撮影

好感度が高まった理由は

 公示日の翌日、千葉県浦安市の栄養士リナさん(28)は仕事帰りの最寄り駅で、千葉選挙区に立候補した参政党候補者の街頭演説に足を止めた。

 東京都内へ電車で通勤中、「マナーが悪い外国人を見ることがある」。根拠は不明だが、SNS上で「外国人によって治安が悪くなっている」と出回る投稿を見た矢先、参政党の主張に触れた。

 X(旧ツイッター)で流れてきた「#参政党旋風」「#参政党いいよね」のハッシュタグをたどって党の政策を学んだ。「外国人の移民問題に向き合っていて、日本人を大切にしてくれると思った」

写真・図版
参院選期間を通じて聞いた参政党への「好感度」は?

 選挙最終日に参政党が開いた…

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この記事を書いた人
堅島敢太郎
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
地方の課題、災害、戦争体験の継承
杉山あかり
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
民主主義、ジェンダー、地方自治、防災、医療
  • commentatorHeader
    津田正太郎
    (慶応義塾大学教授・メディアコム研究所)
    2025年7月21日5時0分 投稿
    【視点】

    私は選挙戦最終日に参政党の演説会場である芝公園に行き、その支持者と思われる人たち同士が話しているのを耳にしました。私が聞いた会話では、外国人が劣っているとか、そういう話がされていたわけではなく、自分の子どもたちに良い社会を残したいという真摯

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院教授=米国政治外交)
    2025年7月21日11時22分 投稿
    【視点】

    参政党の躍進を伝えたNYタイムズ紙は、神谷氏を「トランプからアイディアを得た政治家」と紹介し、神谷氏の次のような言葉を紹介している。「型破りな言葉遣いの多くはトランプから学びました…自分は、アメリカ大統領の日本版です」(https://ww

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