2025-11-25

風俗契約が「違法」(実際には、法律違反しているというより「公序良俗(こうじょりょうぞく)違反により無効」と判断される)であるにもかかわらず、写真とあまりに違う女性が来た場合裁判で勝てるのは、「契約有効性」と「詐欺行為違法性」は別の問題からです。

裁判所は、営業者の「騙す行為」を決して許容しません。

理由は以下の通りです。

1. 契約無効でも「不当利得」の返還は認められる

日本裁判所は、売買春目的とする契約自体民法90条の「公序良俗に反するため無効」と判断します。これは、国が性的サービス提供を前提とした契約関係を法的に保護しないというスタンスです。

しかし、「契約無効」だからといって、営業者が客を騙して得た金銭をそのまま保持して良いわけではありません。

裁判所の判断: 営業者が、虚偽の情報(偽の写真)に基づいて客から得た金銭は、「法律上の原因なく得た利益」として不当利得(民法703条)に当たります

勝てる理由: 裁判所は、公序良俗違反契約無効としながらも、「騙された被害者」が「騙した加害者から金銭を取り戻すための請求(不当利得返還請求)は、不正な原因がないと認めます。そのため、客は返金を求める権利があり、裁判で勝てるのです。

2. 「詐欺」という明確な違法行為がある

今回のケースは、単に「写真と少し違う」というレベルではなく、「警察官が見ても明らかに別人(妖怪のようにかけ離れている)」という客観的詐欺行為が絡んでいます

裁判所の判断: 詐欺による意思表示は、取り消すことができます民法96条)。たとえ風俗契約であっても、騙された側が「騙されたか契約を取り消す、金を返せ」という主張は法的に認められます

勝てる理由: 裁判所は、公序良俗違反の「契約」そのもの無効しますが、それとは別に「騙した事実」は違法行為不法行為責任民法709条)として認めます。したがって、客は営業者に対して損害賠償請求することも可能です。

結論

まとめると、裁判所は「風俗契約内容」を相手にしないのではなく、「風俗店の詐欺行為」を相手します。

契約自体無効であっても、営業者が客を騙して得た利益を不当に保持することは許されないため、客は裁判を起こせば勝つことができます

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