【日本支社に突撃】特殊詐欺で75兆円を荒稼ぎ! プリンス・グループ(太子集団)の禍々しい正体
同国の政府筋に詳しい関係者は、太子集団の背景をこう証言する。同社の主要拠点のひとつであるシアヌークビル付近には、中国資本で拡張工事が進められ中国軍の艦船が寄港する、カンボジア海軍のリアム基地もある。一笑に付せない情報だ。 カンボジア在住の中国人記者の張敏(ヂャンミン)氏(仮名、30代)は、同国内での太子集団の専横の理由をこう説明する。 「代表の陳志はカンボジアのフン・セン上院議長やマネット首相の顧問に収まり、国家上層部との関係が密接。国際制裁が発動されるまで、同国内で彼らの問題に言及することはタブーでした。園区運営が摘発されなかったのも、中国パワーと詐欺マネーで現地の政府中枢に食い込んでいた事情ゆえなのです」 陳志は、サメをペットにしたりプライベートジェットを保有したりと、極度に豪奢な暮らしで知られてきた。28歳で起業した青年が、なぜ詐欺集団と不動産コングロマリットのトップに君臨し、そんな生活ができたのか。 背景は諸説ある。例えばカナダ在住の中国系ジャーナリストの盛雪(シェンシュエ)氏はこう話す。 「中国国内の確度の高い情報源から聞いた話では、習近平国家主席の腹心で、広東省のトップを務める黄坤明(ホワンクンミン)の妻の姉の息子が陳志です。習近平の姉の齊橋橋(サイチャオチャオ)や、出身地である福建系の習派幹部の財産管理とマネロンを海外で請け負っていたのが彼とされます」 一方、前出の張敏氏はこう言う。 「陳志はただのチンピラで、彼のバックは習近平ファミリーほど高いレベルではない。ただ、中国の紅二代(ホンアルダイ/革命幹部子弟)の海外マネロンを担っていたのは間違いない」 いずれにせよ、中国の軍部や特権層とのパイプがあった可能性は高いだろう。 ちなみに、太子集団と日本の関係ではほかにも剣呑な情報がある。張敏氏が言う。 「国際圧力を受けたカンボジア当局が太子集団傘下のカジノ4ヵ所を捜査した翌日(11月3日)、同国上層部の意向を受ける形で、同社の幹部らが日本に多数脱出したとされます」 国際的な包囲網が敷かれる中で、主要関係国では唯一、同社を捜査していない日本。逃亡先には最適だろう。 世界を揺るがす特殊詐欺スキャンダル。日本だけが蚊帳の外では決していられない。 取材・文・撮影/安田峰俊