【日本支社に突撃】特殊詐欺で75兆円を荒稼ぎ! プリンス・グループ(太子集団)の禍々しい正体
加えて、実は太子集団は日本国内でも複数の拠点を展開していた。彼らは何者で、日本で何を行なっていたのか。現場取材から追った。 【表の顔は大財閥】 本題に移る前に、特殊詐欺と太子集団について解説をしたい。 コロナ禍の前後から、中国系のマフィア組織がミャンマーやカンボジアなどの中華系の工業団地を拠点に「園区(ユェンチュイ)詐欺パーク」と呼ばれる施設を運営するようになった。 そして全世界を対象に、国際ロマンス詐欺や投資詐欺、オンラインカジノ詐欺などを大々的に展開し始めた。詐欺の対象国は主に中国語圏だが、英語圏や日本、韓国が標的となる場合もある。 実際にカンボジア西部ポイペトの園区で約3年働いた経験がある日本人の坂崎氏(仮名、30代)はこう証言する。 「園区の出口は封鎖され、銃を持つ警備員が出入りを厳重に管理。労働者らは内部の寮に寝泊まりして特殊詐欺に従事し続けます。敷地内には商店や食堂、風俗店まである。大きな園区だと数十の詐欺集団が入居していて、数百人以上が働いています」 調べた限り、東南アジアだけで100以上の拠点があるのは確実だ。園区の経営者は現地の有力者と結びつき、その利益はカンボジアだけでも年間約130億ドル(約2兆30億円)と莫大。同国のGDP(国内総生産)の3割に達するとの推計もある。 坂崎氏が続ける。 「売り上げ(詐欺被害額)が上がらなければ電気棒や殴打で暴行され、ほかの園区に売られることもある。僕自身、目の前で中国人の男が銃で殺されるのを何度も見ました」 太子集団は、こうした園区の運営元のひとつなのだ。 米国財務省の発表によると、同社は少なくとも園区を10施設運営。さらに傘下の金貝(ジンペイ)集団によって、米国人259人が合計で約1800万ドル(約22億6000万円)をダマし取られたとされる。同発表では、太子集団の園区内での強制労働、拷問、殺人なども告発されている。 一方、彼らの表の顔はカンボジア国内で5本の指に入る大財閥だ。事業内容は不動産開発のほか、銀行、スーパー、ビール酒造、商業航空、配車アプリ、プロサッカースタジアム運営など多岐にわたる。ただ、その資金源や背景は長らく謎とされてきた。