鉄骨むき出しのホーム跡、まるで“残骸”のような痕跡も…福岡の中心部から40年前に消えた“ナゾの廃線”勝田線の跡には何がある?
遊歩道沿いを歩いて痕跡をたどる
この柚須駅前から、本格的な勝田線廃線跡の旅がはじまる。 といっても、廃線跡は多くが遊歩道になっているから容易く辿ることができる。柚須駅の近くは遊歩道というよりは駐輪場として活用されているようだ。 駅周辺は工場などが目立つが、少し離れれば住宅地。自転車で駅までやってきて、そこから電車で博多方面に通勤・通学という人が多いのだろう。 そんな場所を走っていた路線が、お客の少なさで廃止された……など、やっぱりまだ信じがたいモノがある。 遊歩道はすぐにいったん途切れるが、そこから先もパチンコ店前の歩道が不自然に広くなっていたりするものだから、勝田線がどのように続いていたのかはすぐわかる。 しばらくはロードサイド系のパチンコ店やホームセンター、また工場や倉庫などが並ぶ中を進んでゆく。
駅跡らしきものが見えてきた
再び歩道の脇に遊歩道が現れると、ちょうどそのあたりが御手洗駅という小駅の跡だ。 とりたてて何か駅の痕跡が残っているわけでもない。1面1線、線路に面してひとつホームがあるだけの小駅だったからなのか。 さらに南東に進み、ニトリの脇を抜けたあたりで廃線跡の遊歩道は緩やかに左へカーブ。 南には宇美川を挟んで小高い丘が見えるこの場所に、上亀山という駅があった。 ホームの跡などはないけれど、御手洗駅とは違って駅跡がいくらか広がっているからひと目でわかる。 かつて、宇美川の南の小高い丘には亀山炭鉱があった。上亀山駅は石炭の積み出し駅でもあり、そこそこの規模の構内を持っていたようだ。 それまでは倉庫や工場といった風景の中を歩いてきたが、上亀山駅周辺は小さな戸建て住宅がひしめく。勝田線現役時代の名残、といったところだろうか。 上亀山の町からは左手に田んぼを見ながら東へ抜けてゆく。そして進路を南東に変えると、見えてくるのは巨大なショッピングモール・イオンモール福岡だ。
イオンモールの周りに往年の面影が
2004年にオープンして以来、規模を拡大しつつ福岡都市圏から広くお客を集めている国内有数の商業施設。巨大な駐車場も設えて、やってくる人のほとんどがマイカーを使っているようだ。 勝田線の廃線跡は、そんなマンモスイオンモールの目の前を通っている。といっても、もちろんイオンモールは勝田線が消えてからできたもので、両者は共存していない。 勝田線現役時代、この一帯は一面の田園地帯。田んぼの中に一筋の線路が、といった風景が広がっていた。いまでもイオンモールの向かいには田んぼが残り、往年の面影を伝えている。
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