人の気持ちに共感できない人が、人間関係を築く方法 | POT Magazine | 変革人材&組織改革研究所 読み込まれました

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人の気持ちに共感できない人が、人間関係を築く方法

2024.3.21

  • コラム

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職場の人の話に共感できず、冷たい人だと思われる……。そんな悩みを持つ人はいないでしょうか。人の気持ちに寄り添い、共感するためにはどうしたら良いのか、心理学者の小塩真司氏が解説します。

心理学のキーワードを簡単に解説する「小塩先生の3分心理学解説」、今回のテーマは「共感力」。他人への共感に悩む人、必見です。

プロフィール

小塩 真司 Atsushi Oshio

小塩 真司 Atsushi Oshio

早稲田大学文学学術院文化構想学部教授
名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程修了、博士(教育心理学)。中部大学人文学部准教授を経て、2012年、早稲田大学文学学術院文化構想学部准教授。2014年より現職。パーソナリティ心理学、発達心理学が専門。『性格がいい人、悪い人の科学』『SPSSとAmosによる心理・調査データ解析』『大学生ミライの因果関係の探究』など、著書多数。

【今回のお悩み】
部下や同僚から悩みを相談されることがたまにあります。彼らは、おそらく話を聞き共感してほしいと思っているかもしれないのですが、ついつい同意する前に具体的なアドバイスをしてしまいます。そのためか、部内で「冷たい人」と思われているようです。人の心に寄り添うためにはどうすればいいでしょうか。

人間関係の構築に、心からの共感は必要ない?

共感を求められるシーンでもなかなか共感することができずに、具体的なアドバイスをしてしまうというお悩みですね。

私は具体的なアドバイスが悪いとも思えませんが、共感を求められているという相手の要求に応えるならば、「わかるよ」「自分もそんな経験がある」などと言葉をかけてあげるのが良いでしょう。

━━心から共感しなければいけない、とプレッシャーに感じる必要はないということでしょうか。

テクニックで共感した風に見せることができれば十分だと思います。心理カウンセリングも、共感するテクニックを用いて話を聞いているのですよ。

大事なのはその人の感情を読み取り、それに合わせて共感しているように聞こえる言葉を伝えればいいのです。例えば、辛そうにしている人には「辛そうですが、大丈夫ですか?」と、声をかけるのが良いでしょう。

“共感できる人”と“できない人”がいる?

━━そもそも、他人に心から共感することは可能なのでしょうか?

共感は大きく2つの種類に分けられます。1つ目は認知的な共感。相手の立場に立って、相手の気持ちを想像するというものです。そして2つ目は情動的な共感です。これは相手の立場を想像するのではなく、本当に相手の気持ちに入り込んで、その感情を自分のことのように感じる共感です。

これらは、生まれながらにしてできる人もいれば、できない人もいます。特に情動的な共感をあとからできるようにするのは至難の業です。

ですので、無理に共感しようとするのではなく、テクニックで共感している風に見せることで、円滑に人間関係を築くことができるのではないかと思います。

━━認知的な共感力を高めるには、どうすれば良いのでしょうか。

認知的な共感力は、トレーニングをすることで多少は高めることが可能です。自分が相手の立場だったらどうなるか、何を見て何を感じ、どのような気持ちになるかをできるだけ具体的に想像するというトレーニングです。

例えば、友達や家族に相談されて、自分がその人だったら辛い気持ちだろう、と想像したとしましょう。「辛そうだけど、大丈夫?」と声をかけ、相手が安心した表情になれば、その対応が適切だったと考えられます。これを何度も繰り返すことで、どんなときに、どんな言葉をかけるべきかがわかってくるはずです。

こうしたトレーニングを積むことで、「冷たい」という印象を和らげることができるかもしれませんね。

━━逆に、共感力が高すぎて他人の気持ちに飲み込まれ、疲れてしまう人もいます。

そのような人は、どこかで感情を吐き出す場を設ける必要がありますね。信頼できる友人や家族に感情を伝えるのも良いかもしれません。自分の感情にどう対処するか、という話になってきますので、別の機会に話すことができればと思います。


【小塩先生のアドバイス】

共感が苦手な人は、無理に共感しようとする必要はありません。人間関係を築く上では、共感している風の言葉だけで十分です。それでも共感力を高めたい場合には、相手の立場を想像するトレーニングをしてみると良いでしょう。

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