今年10月の自民党総裁選で敗れた候補者は、高市早苗首相によって閣僚や党幹部に起用された。小林鷹之政調会長、茂木敏充外相、林芳正総務相、小泉進次郎防衛相の評価はどうか。
まず、決選投票で高市側についたとされる小林政調会長はどうか。
いま話題といえば、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事の発言に起因する対中関係だ。
同総領事に対し、小林政務調査会長は「自民党として看過できない。中国の適切な努力がなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物として国外退去を求めること)を含めた対応を政府に求める」と、事態の深刻さを強調した。
ただし、ペルソナ・ノン・グラータは総領事クラスには不釣り合いでもったいなく、やや感情的で戦略がない。
もう一つの話題は、経済対策・補正予算だが、11月13日に政調全体会議に原案を示し、「必要な歳入・歳出はできる限り当初予算の段階で計上すべき」という意見表明にとどまり、補正予算規模などには言及していない。
その後、移動政調会として地方回りをし、クマ対策などの地域の意見を聞いている。今回の経済対策では最後の段階で各党調整し、一定の存在感があった。
次に、小林氏と同じく高市氏に投票したと思われる茂木外相はどうか。中国問題について、記者会見でも高市首相の発言を取り消す必要はないなどとなかなか毅然(きぜん)たる態度をとっている。茂木外相は旧田中派なので中国と融和的と思われていたが、イメージをやや変えたかもしれない。
ただし、中国が訪日自粛をしたのは、高市政権にラッキーであるが、定期的な会合で外務省局長クラスを中国に派遣したのに、卑屈な写真を撮られたのはまずかった。
次は、小泉氏に投票しただろう林総務相である。特に目立った動きはない。総務省は高市首相の得意分野であり、林総務相は「座敷牢(ろう)」に置かれた状態のようだ。
最後に、小泉防衛相である。防衛相は比較的間口が狭く、米軍と自衛隊が混在している横須賀出身の小泉氏にははまり役だった。国会答弁もそつなく、小泉氏のいい意味での突破力がうまく発揮されている。今回の高市政権人事のヒットで小泉氏は覚醒したかのようだ。小泉氏といえば、同義反復を繰り返す「小泉構文」が有名だが今のところ影を潜めている。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)