「報道特集」高市首相の台湾有事発言は「百害あって一利なし」小泉政権の元外務審議官が批判
元外務審議官の田中均氏が、22日放送のTBS系報道番組「報道特集」(土曜午後5時半)にVTR出演。高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言について、持論を述べた。 【写真】G20サミットで抱擁しようとする高市早苗首相 番組では、高市首相が国会で台湾有事について「存立危機事態になり得る」と答弁したことをめぐり、中国側が渡航自粛勧告や日本産水産物の輸入停止などの強硬な対応に出ていることを報道。総理官邸前で21日に行われた、高市首相に発言撤回を求めるデモの様子や、一方で、台湾では民進党の鍾佳濱幹事長から「高市総理の発言が歴代総理と異なるのは、日本の政策転換というより、中国の脅威に対応した結果と見るべき」と評価の声があがったことなども伝えた。 番組では田中氏が外務審議官時代の02年、小泉純一郎首相の政権下で、北朝鮮との拉致被害者帰国の交渉を担当したことを紹介。ナレーションでは、田中氏が今回の高市氏の発言について、「今回、総理が『台湾』と具体的にあげたのは、安全保障の鉄則から外れたものだと批判した」と伝えた。 田中氏はVTRで、高市首相の発言について「外交上何のプラスもないわけだから。百害あって一利なしですよ」と指摘。「地域のことを言った途端に、相手はまさに敵視する」と分析すると「こういう防衛の概念で相手を刺激する必要性は全くない。あえてそれ(具体名)を言わないというのが、安全保障の構想なんですね。それを高市首相はいとも簡単に言っちゃった」と批判した。