転生者達の新エリー都、二足のわらじ生活 作:フライパンソルジャー
感想ありがとうございます励みになります!
72:デンキウナギ ID:zzztensei02
はい、赤牙組さん遂に誘拐にまで手を染めたようです
それに監視カメラ、交通記録、ネットワーク、彼らに振り込まれた暗号通貨の動きから情報をまとめ、拝借したところ、どうやら研究所の襲撃を計画してるみたいだ
原作開始まで秒読みだな
73:カラスメイド ID:zzztensei04
うーん……、この
74:サソリ薬師 ID:zzztensei03
いつも通り、さらっとえげつない犯罪行為してて草
まあ毎度の情報提供には感謝してる
プライバシー?リーダーの前では都市伝説です^^
75:サイ男 ID:zzztensei01
ネット社会に強すぎるぞ、このデンキウナギ
いや、もうセキュリティ穴リークできるのはデンキウナギだからじゃ説明つかないだろ
76:軟体エンジニア ID:zzztensei05
まあまあ、リーダーがプライバシーの欠片もない奴なのは周知の事実だろ
いい加減慣れてあげようよ
77:デンキウナギ ID:zzztensei02
失礼な奴らだな
俺はちゃんと善良な人たちを食い物にする利潤主義の腐ったミカンたちや、反社会勢力みたいな悪人からしか情報を引き出してません~
78:カラスメイド ID:zzztensei04
治安官の前で言えるんかそれ?
79:サイ男 ID:zzztensei01
あんまやり過ぎんなよ
調査協会のデータ盗んだのがバレてニュースになるぐらい大騒ぎされたの忘れたんか?
80:サソリ薬師 ID:zzztensei03
あの後、馬鹿みたいにセキュリティが上がったからな
実行犯が特定されなかったのは奇跡だわ
81:軟体エンジニア ID:zzztensei05
未だに捜査されてるんでしょ
懸賞金までかけられてるし……
82:デンキウナギ ID:zzztensei02
あの頃はまだ勝手が分からんかったから……
まあ流石にお詫びとして調査協会にはホロウの拡大縮小傾向の情報やキャロットの作成についてのデータを匿名で送ってるから
今はもう慣れたし、バレるようなヘマはしないよ、安心してくれ
83:サソリ薬師 ID:zzztensei03
このあふれ出るフラグ、
マジで嫌な予感しかしないわ
84:軟体エンジニア ID:zzztensei05
まあでも結局Fairyの下位互換だし、もうそろそろお役御免じゃない?
85:デンキウナギ ID:zzztensei02
ごふぁあ!?
86:カラスメイド ID:zzztensei04
お前!?なんてこと言うんだ、リーダーを殺す気か!
正直劣化Fairyみたいだなって思ってたけど、そのまま口にする奴があるか
87:サイ男 ID:zzztensei01
出たよ、相手を切りつけるドクの容赦のない言葉
これで特に悪気のないのが怖いんだよな
後クロエ、お前さらっと追撃すんな
88:軟体エンジニア ID:zzztensei05
違う違う
そういう意味じゃなくて普段リーダーの管轄してる企業の仕事に専念できるんじゃないかと思って
ほら、ただでさえ忙しいって聞くし
89:サイ男 ID:zzztensei01
ああ、そういう意味ね
あんまリーダーいじめたんな
俺らの中で、一番頑張ってくれてるんだから
90:サソリ薬師 ID:zzztensei03
立場が立場だしね、たしか仕事量が相当やばいんだっけ?
91:カラスメイド ID:zzztensei04
実際何度か依頼で手伝いに行ったけどマジでやばい、某製薬会社のドクターさんくらい真っ黒
やっぱ偉い立場の人って大変なんやな
リーダーの指名依頼以外じゃあ、どいつも己を全力で誇示し、どれだけ傲慢不遜に振る舞うのか周りと競い合ってたから気づかんかったわ
92:サソリ薬師 ID:zzztensei03
ヴィクトリア家政を業務処理目的で利用するって……、いやまあいいんだろうけどさ
他に人手いないの?結構
秘書とか雇ったりせんのか
93:デンキウナギ ID:zzztensei02
うぅ……、基本的に一人で捌けないときは機密性の観点から、ダイさんとクロエにヘルプで入って貰ってる
今はダイさんに任せて、俺は重要クライアントとの打ち合わせに出席するため車で移動中
秘書は当然此方を敵視する企業が多いから、大抵産業スパイを雇用することになります
此方を裏切らないかつ業務を任せれる有能な人材がほんとにいないんですよ、泣きそう
94:軟体エンジニア ID:zzztensei05
可哀そう……
最近じゃあホロウレイダーとして活動できてないし、お労しやリーダー
95:サソリ薬師 ID:zzztensei03
てかヘルプの二人って何でもできんのな
クロエはまあ色々仕込まれてそうだから分かるけど、ダイさん何やってるんだっけ?
96:サイ男 ID:zzztensei01
一応リーダーの企業の幹部の肩書貰ってるが、主に企業傘下の民間軍人会社の指揮官を務めてる
今日みたいに手伝いに来れてるから、結構立場での拘束はないな
ノウハウはまあ、やって覚えたとしか……
97:カラスメイド ID:zzztensei04
ああ、やっぱダイさんは戦闘職ね
普段から色々やってるから分からんかった
98:軟体エンジニア ID:zzztensei05
ある程度フリーにさせとくと不測の事態に対応できるからね
99:デンキウナギ ID:zzztensei02
マジで邪兎屋並みに何でもしてくれてるんで本当に助かってます、頭が上がりませんわ
100:サソリ薬師 ID:zzztensei03
でも二人とも用事があった場合どうすんの?
たとえリスク込みでも、早いとこ正規に雇った方が良いだろ
101:カラスメイド ID:zzztensei04
確かに私とダイさんが無理な日って割と何回かあったと思うけど、あの仕事量を一人でこなしたんだとしたら、リーダーよくぶっ倒れなかったな
102:デンキウナギ ID:zzztensei02
それはもうあれよ、脳を活性化させてるために
電気でちょっと……脳に、ピリッと、刺激を与えて
103:カラスメイド ID:zzztensei04
ヤバすぎんだろ、何それ怖!?
104:サソリ薬師 ID:zzztensei03
早く人雇え、お前!
ーーーーーー
201:軟体エンジニア ID:zzztensei05
リーダーも何の気兼ねなく悪人から情報を引き出したりしてるけど、そもそも悪人には何してもいいって風潮良くないよほんと
ボクって優しいから兵器実験を人に向けて行うなんて非道なことしないもん
今回みたく、ちゃんとエーテリアスで留めてる
202:サソリ薬師 ID:zzztensei03
せめて自分でやろうな、あとお使い感覚で私とクロエに頼むなよ
今日アキラとホロウ調査してるんだから
203:軟体エンジニア ID:zzztensei05
ごめん、ごめん
今日はおじさんの所に仕事が大量に舞い込んできてさ、手が離せそうにないんだよね
まあ、作業しながらLIVEで結果が見れるし効率的かなと
あ、クロエもうちょい上からお願い
204:カラスメイド ID:zzztensei04
ハイハイ、なんか奢ってよマジで
えーあの前方にいるエーテリアスにこの球を投げればいいんか?
めんどいからさっさと終わらせるぞ
205:サイ男 ID:zzztensei01
結局今回は何作ったんだ?
爆弾か?
206:サソリ薬師 ID:zzztensei03
多分そう、見た目は完全にパンプキ〇ボム
207:カラスメイド ID:zzztensei04
なんかマオの毒と爆薬のコラボらしい
208:軟体エンジニア ID:zzztensei05
毒の効果で、エーテル爆薬は使えなかったけどね
人間が喰らえば無事では済まないけど致死性はないよ、エーテリアスに対しては強力な酸を浴びせられたみたいになるはず
209:サイ男 ID:zzztensei01
こわ、どこが優しいんだよ完全にマッドじゃねえか
210:軟体エンジニア ID:zzztensei05
まあまあこれが上手くいけば有用な兵器になるはず
ボンプや知的機械人にも優しいし、EMP以外のエーテリアスへの特攻なれば最高
211:カラスメイド ID:zzztensei04
うへえ、藻掻き苦しんでる
中々残酷な光景だけど確かに生産できれば革命が起こりそうではある
212:サソリ薬師 ID:zzztensei03
いや、正直かなりきついけどね
一個作るのに結構な量の毒を要求されたし
そう何個も作れるもんじゃない
213:軟体エンジニア ID:zzztensei05
そうなんだよね、まあ予想通りの結果が得られただけ良しとしよう
協力ありがとう二人とも
214:カラスメイド ID:zzztensei04
うい、じゃあ帰りますか
アキラ案内よろしく~
215:サソリ薬師 ID:zzztensei03
ん?どした
何をそんなに焦って……うわっ!?
216:サイ男 ID:zzztensei01
びっくりした!急に叫ぶなよ
217:カラスメイド ID:zzztensei04
やばい、その爆弾がエーテリアスだけじゃなく環境自体に影響を及ぼしてる!
エーテル濃度の乱れからホロウ内部の変化が起きてーーうああああ!
218:サソリ薬師 ID:zzztensei03
ああ、クロエが裂け目に!
219:軟体エンジニア ID:zzztensei05
しまった!ホロウ環境自体の影響を考えてなかった!
マジごめん!
220:デンキウナギ ID:zzztensei02
おい、なにしてんねん!
221:サソリ薬師 ID:zzztensei03
取り敢えずバラバラになるのはまずい、アキラと一緒に出現した裂け目に入るわ!
222:サイ男 ID:zzztensei01
クロエ無事かよ、どこに飛んだ?
223:カラスメイド ID:zzztensei04
無事、エーテル濃度がめっちゃ高いとこに飛ばされた
別ホロウじゃないか?これ
……あ、二人とも、どもっす
224:サソリ薬師 ID:zzztensei03
追いついた、一応全員無事
225:軟体エンジニア ID:zzztensei05
原生ホロウに繋がったの?あれ、建造物は空に浮いているってこれーー
226:デンキウナギ ID:zzztensei02
零号ホロウじゃねえか!?
ーーーーーー
「おい、嘘だろうっ、ここ零号ホロウかよっ……!」
空に浮かぶ建造物を見上げ、悪態をつきながらそう零すスコーピオン。
その言葉にイアスと同期したアキラの動きが止まる、システムのサポートをしているリンもだ。
自分たちの育った施設が眠る場所、調べる機会をずっと窺っていたホロウ。
アキラの様子を察したのかファルコンは口を開く。
「アキラ、わかっていると思うけど今はその時じゃない。この前リーダーが話していた
何処か此方を気遣うような様子を見て、冷静さを取り戻す。
「ああ、……ごめんよ。大丈夫、ちゃんとわかっているさ、今回は事故により偶然入れただけで探索に来たわけじゃない。まずは自分たちのことよりも、君たちを優先してホロウ外に送り届けないと」
「ありがとう。一先ず帰ったら、とんでもない面倒ごとを引き起こした元凶をしばかないとな。」
拳を握り締め、虚空に繰り出すスコーピオンを見て笑みが漏れる。
今は大切な仲間たちがいる、その時が来るまで焦る必要はない。
「あはは……、止めはしないけど程ほどにね。よし、じゃあ君たちに貰った零号ホロウの観測データによれば他のホロウに繋がる裂け目があるはずだ、とはいえ構造が変化してるかもしれないから道中調査協会が設置した装置から観測データを取り出し更新しよう」
「おーけー、流石だね。アキラがいてくれてよかった!」
「幸い、ホロウに入ってからの活動時間はそこまで経っていない。零号ホロウとはいえ、焦らず確実に行こう」
移動を開始する。周囲を見渡したところ旧都列車跡地のようだ。
かつての面影はなく線路は歪み、どこへも続かない物語のように地面を割っていた。列車の車体は赤茶けたサビに覆われ、窓は割れ、車内には土埃が吹き込んでいた。
遠くにはビルはいくつも見え、一部が崩落し、内骨格のような鉄筋が空に向かって突き出している。
ひび割れたアスファルトの上を進みながら目的地を目指す。
人っ子一人いない場所を暫く歩いている突如上方からうなり声が響いた。見上げると鉄とコンクリートの隙間から頭部を覗かせているエーテリアスがいた。
「グアァ!」
此方に気が付いたのか四足のような体勢で、獣のようにビルの壁を駆け下りてくる。爪がコンクリートを裂き、殺気だけをまとって勢いよく此方に向かってくる。
「会敵!エーテリアスだ!」
「任せなさい!」
咄嗟にスコーピオンがアキラを背に隠して庇い、隣にいたファルコンが矢のように鋭く空へ飛び出した。
接近してきた存在にエーテリアスは腕を大きく振るい自身の鋭い爪をもって切り裂かんとする。
ファルコンは身を翻しながら紙一重でそれを回避し、更に接近。
「ーーハアッ!」
エーテリアスのコア目掛け、回し蹴りを放つ。足が振り抜かれると同時にコアが爆ぜるように砕けた。
頭部を失ったエーテリアスの体は弛緩し、重力にならって崩壊しながら落下した。
「まだだ!物音を聞きつけて複数体此方に接近してきているぞ」
周囲の建物から次々に姿を現すエーテリアス群、どうやら囲まれてしまったようだ。
一番近くにいた一体が此方に向かって突進し、空気が裂ける音が迫ってきた。
その瞬間、スコーピオンはアキラを腕に抱え、庇うように体を丸め、反射的に低く地を蹴る。
エーテリアスのすぐ脇を抜けるようにすれ違い、そのまま瓦礫の向こう側に膝をついて着地した。
攻撃はすれ違いざまに風を裂き、先程まで自分がいた場所を粉砕した。
「ッ!?グゥッ!?」
しかし、突然苦し気に呻き声をあげたかと思うと、エーテリアスはその場の地面に溶けるように崩壊した。この現象は覚えがある。
恐らくスコーピオンがすれ違いざまに尾から毒を刺しこんでいのだろう。一瞬の早業である。
「流石零号ホロウ、エーテリアスの質も数も他ホロウとは比べ物にならんな」
「瞬殺して何言ってんの、とりま、そのままアキラをお願い。全部汎用個体みたいだし半数以上は私が片づけるわ」
「了解」
軽い会話の後、同時に飛び出す二人。
ファルコンは飛翔した勢いのまま、敵に真正面から突っ込み、コアを素手で貫く。
コアを失った一体目が崩れ落ちる間に、続く二体目が横から腕を振るう。が、しかしその軌道も読むまでもなく上空へ飛び、急降下。勢いを殺さないまま、頭部のコアを掴み、自身の手と地面に挟んで押しつぶす。
三体目が迫るよりも早く接近し、自らの膂力をもって倍近くあるエーテリアスの体を掬い上げるように群れに向かって投げ飛ばす。
「ギャ!?」
巻き込まれた二体のエーテリアスごと鋼鉄の翼で一閃、三体まとめて体を切り裂いた。
迫る後続の群れにも、一切後退せず前に駆け抜ける。群れの間を突き進み素手でコアを正確に刺突、刺突、刺突。
足捌きはまるで舞うように滑らかで、無駄な動きは一つもない。
一方、スコーピオンも迫りくるエーテリアスを苦も無く迎撃していた。
アキラを抱えているため激しい動きしないよう心掛けているのか、その場から殆ど動かず必要最低限の動きで対処していた。
攻撃に合わせ、姿勢を傾けながら回避を行い、背面の尻尾によって反撃する。
恐ろしい速度で尾が鞭のようにしなり、コアを引き裂く。
足でエーテリアスの脚部を引っ掛け転倒させ、コアを踏み潰す。
背後からの攻撃にもまるで目が付いているかのように鋭敏に反応し軽く首を傾けるだけで、攻撃が逸れていく。アキラを片手で抱き、空いた手で攻撃を受け流し、近くにいた別のエーテリアスに当て、同士討ちなども行う。
まるで踊っているかのような流麗な動き。
二人の攻勢により、エーテリアスは瞬く間に数を減らしていき、やがて静寂が訪れた。
周囲にはエーテリアスの残骸があちこちに散乱し、消えていく。
アキラはずっと息を吞んでいた、呼吸も忘れ、目の前の光景を眺めていたように思う。
「いや~、引くほど現れたな。私たち対ホロウ行動部並みにエーテリアス掃討に貢献したんじゃない?」
翼をはためかせ、自分たちの所に降り立ったファルコン。一仕事終えたように穏やかな気持ちで此方に投げかける。
「おつかれ、でも調子に乗るにはまだ早いぞ、特殊個体が出るかもしれないから安心するのは零号ホロウから出た後だ。アキラ、続きを頼む。」
腕から降ろされ、少しぼうっとしていたが、すぐにはっと現実に引き戻され、二人の会話に受け応えをする。
「っ、ああ……!本当に凄いよ二人とも、流石、伝説のホロウレイダー、実力は新エリー都で傑出しているよ。本当に頼もしい……勿論案内は僕に任せてくれ、絶対にホロウから脱出しよう。」
アキラの労いにもっと褒めてくれていいんですよと胸を張るファルコンと照れくさそうに頬を掻くスコーピオン。
やがて彼女たちは此方に向き直る。
「アキラだって伝説だろ?任せたぞ『パエトーン』」
信頼に胸が熱くなる。懸命に平静を装い、歩を進めるが内心では何度もその言葉を反芻していた。
ーーーーーー
探索を再開し、道中何度か襲われたが全て二人が危なげなく対処した。
設置された観測データの入った装置も見つけ、データを更新し、裂け目までのルートの演算を何とか済ませた。
「二人とも、他のホロウに繋がる裂け目がどこにあるかわかったよ。引き返す必要があるけど、そこまで離れていないよ。」
「よし!よくやってくれたな、ありがとうアキラ。これで出られる。」
「相変わらず、流石ですわ。……ああ~、疲れた。ほんとに定期的に内部のエーテリアスの掃討を行ってるの?凄い数に鉢合わせたんだけど、H.A.N.D.からお金貰いに行った方が良いんじゃない?」
ファルコンが翼を広げ、大きく伸びをする。その様子をスコーピオンはやや、呆れた様子で見ていた。
「気持ちは分からんでもないが、しょっ引かれて終わりだろ。……確かに尋常じゃない数だったけど。零号ホロウじゃこれがデフォなのかもしれないから何とも言えないな」
彼女は少し訝しみつつ、思考をしていたが。やがて考えても仕方がないと結論付けたのか歩き出す。
「早いとこ、帰ろう。別に今詳しくなる必要はないんだ。
「それもそうね、まあ対ホロウ行動部の仕事を奪ったとしても、それは6課の仕事を手伝ったと考えればプラスだしな。調査協会や防衛軍でも良し。」
「それは確かにそうだな」
「……二人はホロウレイダーだけど正式的な立場の陣営にかなり好感を持っているんだね。……ああ!悪い意味ではなくて、ちょっと不思議に思って」
二人のやり取りに素直に感じた疑問を投げかけると、特に気にした風もなく答えた。
「陣営そのものにはそこまでだけど、好感を持ってるとするならそこに所属してる組織に、かな」
「そうそう、対ホロウ行動部の下部組織なら絶対、対ホロウ6課が一番!!全員カッコいいし、可愛いし、ほんとに完ぺき組織。いつか会いに行きたいな~」
目のパーツ以外顔には存在しないため、表情は窺うことができないがファルコンが顔をだらしなく歪めていることは何となくわかる。前にいるスコーピオンも、うんうんと勢いよく頷いている。
「そ、そうなんだね……。あれ?前方から誰かが近づいて来ているよ」
引き返した道はひらけており周囲がよく見える。大通りだったのだろうか。
二人の話を聞きながらもふと前を見ると人影が見える。
「ん?ああ本当だ。確かにーーー」
一番先頭にいたスコーピオンもそれに気が付いたのか前を見据えるが、急に動きを止める。
まるで案山子のように、地面に縫い付けられたように一切の動きを見せずにいた。
まだ距離があり、遠いため姿は分からないが人数は
徐々に近づいてくる人影、アキラはエーテリアスではないのかと警戒しながら、一番後ろから眺めていた。
「あ~そうそう、対ホロウ6課は丁度あんな感じの四人組なんだよね。みんな精鋭だし、顔がとにかく良ーーーは?」
続くファルコンも突然銅像になったかのように動きを止めた。
突如として二人の周りの世界は時を止めた。
向こうも此方に気が付いたのか、二人のように歩みを止めることなく真っ直ぐ此方に歩いてくる。
やがて、足音が近くで止まり、若い女性の声が響く。
「初めまして、私達は対ホロウ特別行動部第六課です。その場から動かないで、こちらの質問に速やかに答えてください」
言葉自体は柔らかい。だがその裏に、“言い逃れは許さない”という圧が確かに潜んでいた。
「ここは立ち入り禁止区域の零号ホロウ内部です。あなた方はここで一体何をされていたんでしょうか?」
まさに最悪の邂逅であった。
リーダー「フラグ回収してんじゃねぇぇぇぇえ!?」