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【名言考】No.11:温かいスープのやさしい味:今道教授の教え

名言考とは

「名言考」は、偉人達の名言を毎日一つづつ味わい、その人物、名言の背景、そのメッセージの核心を掘り下げていく「大人の学びなおし」コンテンツです。
著者の個人的な見解を交えて名言をジャンプさせた「私の迷言」もご覧ください。

本日の名言

美しい心をもって行為せよ。
世界はその時それだけ美しくなり、その美は後代に伝わる。

"Act with a beautiful heart.
The world will then become that much more beautiful, and that beauty will be passed on to future generations."

この名言は、仏教学者であり、東京大学名誉教授の今道友信(いまみち とものぶ)の言葉です。

今道友信のプロフィール

今道友信は、1922年2月1日、東京に生まれ、2012年10月11日に90歳で亡くなるまで、日本の哲学・倫理学研究に多大な貢献をした哲学者です。
東京大学で美学芸術学を専攻し、後に同大学で教鞭を執り、美学、倫理学、特に西洋哲学と東洋思想の比較研究においてその名を馳せました。
独自の「美学の形而上学」を提唱し、芸術、道徳、宗教、科学といった多岐にわたる領域を横断する思索を展開しました。

【今道友信の生涯とキャリア】

今道友信は、第二次世界大戦中の厳しい時代に青春を過ごし、その経験が彼の哲学形成に大きな影響を与えました。
戦後の混乱期に、人間存在の意味や価値を深く問い直すことの重要性を痛感し、学問の世界へと進みます。

【青年期と学問的探求】

今道友信は、東京大学文学部美学芸術学を卒業後、同大学大学院に進学し、美学、倫理学、哲学を深く学びました。
特に、カントやヘーゲルといったドイツ観念論の哲学、そしてプラトンやアリストテレスといった古代ギリシア哲学に傾倒しました。
一方で、日本の伝統文化や思想にも深い関心を寄せ、西洋と東洋の思想を融合させる独自の視点を培っていきました。

【東京大学での教鞭と業績】

今道友信は、東京大学文学部教授として教鞭を執り、多くの後進を育成しました。
彼の講義は、その博識と洞察力、そして時にユーモアを交えた語り口で学生たちから絶大な支持を得ました。
美学、倫理学、哲学史に加え、比較思想、環境倫理、生命倫理など、時代と共に変化する社会問題にも積極的に向き合いました。
また、海外の研究機関での客員教授も務め、国際的な学術交流にも貢献しました。

【哲学思想】

今道友信の哲学は、常に現実や世界との関わりの中で、「美」の意味を問い続けるものでした。

  • 「美」の根源と可能性の探求
    彼は「美」を感性の対象だけでなく、世界秩序や多様性に結びつけて捉えました。

  • 西洋と東洋の思想融合
    彼は、西洋の論理思考と東洋の直観思想を対話させ、新たな視点から人や世界を理解しようと試みました。
    これにより、異文化の対話の重要性が、より一層追求されることになります。

  • 実践哲学
    彼は、「考える哲学」から飛躍し、徹底的に「生きる哲学」を実践しました。

名言の背景

今道友信が生きた時代は、世界大戦や冷戦、高度経済成長とそれに伴う環境問題など、社会が大きく変動し、価値観が多様化する中で、人々の心もまた複雑な様相を呈した激動の時代でした。

【温かいスープのエピソード】

今道友信は、自身の著書『哲学への招待』の中で、「温かいスープ」というエピソードを語っています。

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このエピソードは、彼が第二次世界大戦後の1957年にパリ大学の講師を勤めていた頃の体験です。
当時の日本は国際社会で孤立しており、今道自身も、日本の行いから下宿を断られるなどの辛い経験をしました。
そんな中、彼は行きつけの小さなレストランで、金欠のため、いつもオムレツだけを注文していました。
その様子に気づいた店の母娘は、ある時、黙ってパンを二人分添えてくれたり、別の日には、注文を間違えたふりをして、湯気の立つ温かいオニオングラタンスープを差し出してくれました。
彼は、その時の感謝と感動を「涙がスープの中に落ちるのを気取られぬよう、一さじ一さじかむようにして味わった」と記しています。
言葉を交わさずとも相手の窮状を察し、さりげない親切として手を差し伸べた母娘の行動は、まさに「やさしさ」に満ちた「美しい行為」そのものです。
今道は、この「やさしさ」こそが、真の国際基調であり人類愛であると記しています。

この名言が導くもの

美しい心をもって行為せよ。
世界はその時それだけ美しくなり、その美は後代に伝わる。

この名言には、今道友信が提唱した「美の探求」の核心となるメッセージが込められているように感じます。

  • やさしさに宿る「美しい心」
    人の思考、言葉、そして行動のすべてが、やさしさに宿る「美しい心」に導かれているならば、それはやがて周囲の人々、さらに社会全体へと波及し、より調和のとれた美しい世界を創造する力となるであろうという願いが伝わってきます。

  • 「美しい行為」を受け継いでいく責任
    この名言から、「私たちは先人の美しい行為の恩恵を受けて生きているのであり、今度は私たちが未来のために美しい種をまく番である」という責任を感じ取ることができます。

このように、私たちはこの名言から、より良い社会を築くための個人的な責任と、未来への希望を学ぶことができます。
今道友信がパリで体験した「温かいスープ」のエピソードは、国籍や言葉を超えた人間としての繋がり、そして見返りを求めない優しさが、いかに世界を美しくするかを教えてくれます。

私の迷言

ここで、今道教授からの学びを、私なりにジャンプさせてみようと思います。

  • 今日、私はどのような「美しい心」をもって行動できるだろうか?

  • 目の前の小さな出来事に対し、どのような「美しい行為」で応えられるだろうか?

  • 私の行動は、未来の世代にとってどのような「美」を残すだろうか?

とは言え、彼の「美しい心をもって行為せよ」という言葉は、意識はできても、実際の行動に移すことが難しいものばかりです。
では、その「美しい心」であるために、私たちに何ができるのか?

美しい心をもって行為せよ。
世界はその時それだけ美しくなり、その美は後代に伝わる。
そう、美しい言葉で。

それは、美しい言葉を使うことではないでしょうか。
なぜならば、人間だけが唯一言葉を持つ生き物であり、もしかしたら、美しい言葉を使うことそのものが、私たち一人ひとりに課せられた使命なのかもしれません。
美しい言葉を使って話す、そして書く。
今日一日も、心に留めて過ごしていきたいと思います。

本日も素敵な時間をお過ごしください。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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こちらは、Wikipediaなどのインターネット情報と著者の個人的解釈を組み合わせたコンテンツです。
誤った情報が含まれている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

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コメント

2

はじめまして♪今道先生は大学で集中講義を受けたことがあり、懐かしいです。ありがとうございます。この話も直接伺いました。
講義の達人で佳境に入ると声を小さくひそめるのです。そうすると聴き手は一層集中する。普通強調したいところでは声を張り上げる人が多いので逆転の話し方に度肝を抜かれました。気がつくと後ろからすすり泣きの声がするので驚き振り返ると女子学生が泣いている。大学の講義で泣くのを見たのは初めてなので感嘆したのが印象に残っています。

ススメ@マーケター
ススメ@マーケター

コメントありがとうございます!
貴重なお話を頂戴し、とても勉強になりました。
実体験に勝る学びはありませんね。
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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