厚生労働省は21日、「いのちのとりで裁判」で国が2013~15年に生活保護基準を大幅に引き下げたことを違法とした最高裁判決への国の対応方針を決定しました。引き下げ前にさかのぼって、全利用者に対して改めて2・49%を減額する基準の再改定を行います。原告に限って追加の「特別給付金」を支給します。
生活保護の無差別平等原則を投げ捨て利用者を区別した取り扱いをします。全利用者に対して引き下げ前との差額の全額補償を求めた原告の願いに背き、司法を軽視するものです。
同省は、大幅引き下げで保護基準を一律マイナス4・78%減額しました。
同省によると、今回の再改定でマイナス2・49%との間で生じる差額分の保護費は、利用者1世帯(単身者)あたり約10万円支給します。約700人の原告への「特別給付金」は約10万円だとしています。亡くなった利用者は除外されます。
同省によると、保護費と「特別給付金」を併せて対象は約300万世帯、約2000億円だとし、2025年度補正予算案に計上する考えを示しました。
新たな保護基準は、最高裁判決が違法とした、物価下落率を基に引き下げた「デフレ調整」で使った統計データを用いました。同裁判弁護団や、国の専門委員会で委員は「紛争の蒸し返し」になり、利用者にさらに負担を強いるとして、基準の再改定を批判していました。